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寝子電、ラッピングコンテスト!
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●青の電車
「いよいよ最後の特別賞です――」
リッカルド町長がまた片手をあげると、最後の電車がホームに到着した。
それは、空のような、海のような、澄んだ青一色の電車だった。
これが最後の特別賞なのだろうか。いったい誰の作品なのだろう。
リッカルド町長の言葉を待つ観客たち。
ところが町長はこう告げた。
「最後は特別な仕掛けがございます。みなさま、どうぞご乗車ください!」
チラシもポスターも何もない、とてもシンプルな車内だった。すべての窓にはブラインドが下りており、車内の中央に立つリッカルド町長の足元には、ごつい四角い黒い箱がある。
みんながなんとなく落ち着かない気持ちで座席に着くと、青い電車は星ヶ丘駅に向けて発車した。
「みなさま、ご乗車ありがとうございます。それでは、最後の特別賞、秋彩賞を発表させていただきます!」
その声を合図に、車内の灯りがヴン、と音を立てて消えた。
何事かとざわめく車内。
しかし、ざわめきは次の瞬間、感嘆の声へ変わった。
それは、水面のようにゆらゆらと揺れる青。
足元は暗く、天井に近いほど明るく、まるで水中から煌めく水面を見ているかのようである。
つい、と小さな魚が窓を横切る。赤い魚、黄色い魚、白い魚。
「すごいな……!」
奈良橋 博美
が赤い魚を掴もうと壁に触れると、魚はその手の動きを感じ取ったかのように小刻みに震えて、すいすいっと
志波 拓郎
の傍まで泳いでいった。拓郎が突くそぶりをすると、赤い魚はくすぐったそうに身をよじらせる。
どこかで人の動きを読み取っているのだろう、映像の中の魚はまるでそこに実際に泳いでいるかのようにこちらの動きに反応した。じつのところ、これらの映像は、車内中央の箱――全方位型のプロジェクターから映し出されているのだった。
乗客たちが車内の海を楽しんでいると、まもなく電車は星ヶ丘駅に到着した。
リッカルド町長は乗客たちに降車を促すとホームに集めた。
すでに日が暮れていた。青い電車は、凪いだ夜の海を背景に静かに佇んでいた。
「それではみなさん! 本日最後の大魔術をとくとご覧ください!」
リッカルド町長がサーカスの団長にでもなったかのように腕を広げる。
その途端、青い電車がぱっと緑色に変わった!
「あっ、あれ、俺の……!」
奈良橋 博美
が声をあげる。黄色い猫がみるみる大きくなり、車体を黄色く染め上げたかと思うとパリン、と硝子が割れるようなモーションで飛び散り、その後ろから素敵な九夜山の風景が現れる。
「俺が描いた九夜山だ……」
八神 修
が呟く。写真を撮ったり油絵を描いたりしたあの日のことがまざまざと思い出される。
こうして実際の電車に映しだされているのを見ると、苦労が報われる思いだ。
修が描いた昼の寝子島を、舞い散る銀杏が覆い尽くす。
落ち葉はあとからあとから吹き寄せてくる。サンマさんがぬっと顔を出し、落ち葉の中をみえない猫が歩いているかのように、足跡がちょんちょんとついてゆく。
「へえーっ」
自分の作品がそんなふうにアレンジされたのを、
薄野 一月
は興味深げに見守っていた。
「寝子島が秋になったのね」
銀杏の影から、枝振りのよい紅葉の枝が伸びてくる。
ひとつ、ふたつ、みっつ……と現れた和傘が、くるくると回る。
「ここは私のアイデアか」
桜 月
がそっと呟く。「秋、さらに深まる、といったところかな」
銀杏と紅葉が吹き飛ばされると、寝子島に黄昏が訪れていた。
屋敷野 梢
が、傍らにいた
高尾 日菜
の袖をひっぱった。
「私のですよ! 緊張しますねー」
「やったね、やったね! 梢ちゃん! すごい、すごいよ……!」
日菜はまるで自分のことのように、いや、それ以上に喜んでいる。
梢はちょっと微笑んで、それから旧市街で一緒に暮らしている祖父のことを思った。
「おじいちゃんに教えたら驚くだろうなー」
「梢ちゃん、写真! 早く撮らなきゃ!」
梢は、そうでした、と慌ててカメラを取り出し一枚。おじいちゃんへのいいお土産になりそうだ。
黄昏は徐々に夜へと変わる。
月の光を浴びながら、ちらちらと降ってくるオレンジ色の落ち葉に、猫たちがじゃれついている。
「あれ、拓郎君の作品かい? ステキだね」
博美の褒め言葉をぼんやりと聞きながら、
志波 拓郎
は無言で感激していた。
あの日見た猫が、ほんとうに電車の中を遊び回っているかのようだった。
寝子島の夜はさらに更けてゆく。
月が煌々と照らす中、墨を流したような九夜山のシルエットが浮かび上がる。
銀の薄がさやさやと揺れる。
さっきまで落ち葉にじゃれついていた猫が2匹、立ち止まり、月を眺める。
「日菜ちゃん……」
梢がそっと名を呼んだ。
高尾 日菜
は信じられない、という思いですこし瞳を潤ませていた。
九夜山の夜はだんだん遠くなっていった。
薄が遠のき、猫が遠のき、九夜山が遠のいてゆく。
闇色は深い緑の色と変化し、星々はきらきらと輝きを増してゆく。
天地万有。宇宙だ。
その深緑色した宇宙に大きな虹が架かる。
ざっぱんとしぶきの音が聞こえそうなほど勢いよく、おおきなおおきなサンマさんが宇宙に跳ねた。
「うむ。やっぱ『サンマさん』は映えるなあ!」
十条寺 達磨
が描いたものであった。あえてゆるく、親しみやすく。そう意図して描いたサンマさんは、気持ちよさそうに悠々と大宇宙を泳いでいる。背後で大きな拍手があがった。泉先生であった。
「君のサンマさんか? いいな、あれは。伸び伸びとしていてじつにいい」
「おおっ、マジ!? 泉ン先生に褒められるとやる気でちゃうなーっ!」
「お。そのやる気で2学期も頑張れよ」
はい、と笑って、達磨は尋ねた。
「これすごいね。どういう仕掛け? みんなの作品がひとつになって動いて……あ、わかった」
達磨はポンと手を叩く。
「あれでしょ。今流行りの。
プロジェクションマッピング!
」
「まさに! まったく! その通りなのであります!」
高らかに答えたのは、リッカルド町長だった。
「ご紹介しましょう! 今回こちらのアイデアを持ち込んでくださった方を!
秋を彩るアイデア賞――
上穗木 千鶴
さん!
」
視線が一点に集まる。
「わ、町長……人前は苦手だと云ったじゃないか……そういうのは……」
千鶴は人影に隠れようとしたが無駄だった。
このアイデアを実現するために慣れないパソコンで苦戦しながら動画を作った。しかも、その動画を持って、わざわざ寝子電にプレゼンテーションをしに行ったのだ。プレゼンの日、千鶴の目は寝不足ですこし赤くなっていた。その熱意も、寝子電や町長たち審査役の心を動かした要因のひとつだった。
GOを出したのはリッカルド町長。千鶴の青の電車のアイデアに予算がついた。アイデアを元にプロが動いた。そして短い時間の中でいい仕事をしてくれた。
リッカルド町長は恥じらう千鶴の腕を取り、その手に賞状を握らせる。
「おめでとう! すばらしいアイデアでした! 秋の寝子島をPRするのに、まったくふさわしいアイデアだとこの私、たいへん感心いたしました! この青い特別車両の運行とプロジェクションマッピングの上映は、9月いっぱいの間、毎日夜7時から行います! また、プロジェクションマッピングの映像として使用させていただいたアイデアには、特別賞のひとつ、秋彩賞を授与いたします!」
大きな拍手が巻き起こった。
拍手は高く高く、いつまでも初秋の夜空に鳴り響いた。
こうして、通勤通学の友である寝子電は、装いも新たに秋の寝子島を駆け抜けることとなった。
寝子島に観光に来たらぜひ、これらのラッピング電車や、夜のイベントにも目を留めて欲しい。
如何に寝子島住民の愛と想いが籠っているかは、すでにご存じのとおりである。
さて。最後は、博美のこの一言で締めることにしよう。
「WE LOVE 寝子電!」
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あとがき
担当マスター:
笈地 行
ファンレターはマスターページから!
ご参加いただきありがとうございました。
ゲームマスターを務めさせていただきました、笈地 行(おいち あん)です。
実際に塗り絵して、という無茶ぶりなガイドだったにも関わらず、
温かいイラストやアクションをいただき嬉しかったです。
どのアイデアもほんとうに素敵でした!
寝子島の9月はこんな電車で通勤通学。朝夕がちょっと楽しくなったら嬉しいですね。
それではまたいずれお会いできる日を楽しみにしています。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月30日
参加申し込みの期限
2014年11月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年11月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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