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●1年9組体育科なふたり
早朝、寝子ヶ浜海岸を走る。
制服に砂が掛かるが気にしない。
奈良橋流古武術家元の一人娘、
奈良橋 博美
は、本日も武道の鍛錬に励んでいる。
海は今日も美しい。
青い、湘南の海だ。
「はっ、はっ、俺は文武両道、芸術以外を磨いていけばいいんだよきっと」
博美が、額に汗して走り込みをしながらこんなふうに自分に言い聞かせているのには、わけがあった……。
昨夜のことだ。
博美は寝子電ラッピングに応募しようと、白い紙と向かい合っていた。
「落書き電車をやっていいのか。じゃあ、オレの理想としては、湘南電車色のオレンジと緑の背景に猫を描くと行きたいものだ」
湘南電車というのは、寝子島の浮かぶ神奈川県相模湾沿岸、東京から熱海までを走る東海道線の電車の愛称だ。つやつやとした葉を連想させる緑と蜜柑のようなオレンジ色のツートンカラーの塗装は「湘南色」とも呼ばれ、沿線の人々から広く愛されている。
博美は車体を緑に塗った。
ドアのところは、オレンジにした。
ドアとドアの間に猫を描く。描きたい。猫だ。それさえ描けば理想通りなはず……。
「……ってあれ? どう見ても猫に見える絵にならないな……仕方ない。こうなったら……デフォルメ猫耳!」
正直に云おう。博美は苦戦していた。
配色も少しおかしい気もした。
「いや」と博美は陰気な自分を振り払う。「そんなことは、寝子電の伝説の前には小さなこと。きっと世の中、三百不可思議歩譲ってのんびり眺めることも必要さ」
適当なことを云って、はははっと笑ってみたものの、画力のなさみたいなものをしみじみと感じてもいた。
そんなわけで博美は走っていた。走っていると、自分はこの道でいいのだ、という気になってくる。
博美はそのまま寝子ヶ浜交番前の交差点をまっすぐ抜け、学校まで走る。
すると、T字路の向こうからクラスメイトの
志波 拓郎
が全力疾走してくるのが見えた。博美より30センチ近く背の高い、青年らしい肉体から繰り出される伸びやかなストライド。制服を着ていても躍動感のある走りに同じスポーツマンとして見惚れていると、拓郎の方でも博美に気づいて並ぶようにピッチを落とした。
「奈良橋さん……おは、よう……」
「ああ、おはよう。どうしたんだい、そんなに急いで。朝練かい?」
「いや……寝子電ラッピングの応募、今日までなの、思い出して。朝のうち、泉先生に届けようかと」
もちろん郵送してもよいのだが、寝子高生の分は泉先生が取りまとめて送るそうだ。
「そっか、今日までか。俺も届けないとなー。ああ、そうなんだ。俺もやってみたんだけどさ。どうにも……褒められることは有り得ないという自覚があるよ。あれを褒めるためには、四千無量大数年ぐらいの修業が必要だろうさ」
「よく、わからないけど……うまく行かなかった、のか?」
博美はきりっと笑って答えなかった。それはもう終わったことだ。
「拓郎君は絵は得意なのかい」
「苦手じゃないけど、得意……というほどでも……ない。ただ、自分なりに描いてはみた……と思う」
「自分なりに、か。いいね。何を描いたか聞いてもいい?」
拓郎は頷くと、「秋……秋の夜長、かな」と答えた。
拓郎が楽しそうだと思って、寝子電ラッピングの用紙を持ち帰ったのは、一週間ほど前のことだった。
桜ヶ丘寮の自室には、斜めに陽が差し込んでいた。同室のアニメ好きな彼はまだ帰って来ていなかった。
窓を開けた。拓郎は所在なく視線を彷徨わせた。
白猫がいた。毛艶のよい、まだ若い猫のようだった。
やんちゃざかりとみえる白猫は、一生懸命、落ち葉を捕まえようとしている。
風に煽られふわっと浮く落ち葉を背伸びして追いかけ、猫パンチし、道路に落ちたそれを咥えようとしてまた逃し、そんな動作を繰り返し楽しんでいるようにみえる。
「……これだ!!」
猫と落ち葉。
それを描こう。
(色は……秋っぽいオレンジが映える紫だな。夕方から夜にかけての色、だし)
車体全体は青みの混じった淡い宵闇色。オレンジは落ち葉。うん、いいような気がする。
(落ち葉は……複雑に書き込むより、シンボルっぽいのが、いいかな)
その落ち葉を追いかけるように、白い猫のシルエット。それも紫との対比を考えての配色だ。
とそこで、白く抜けている窓を見て拓郎は閃いた。
(電車だから、夜も走るよな……なら車内の光も生かしてみたいかも)
窓にも猫のシルエットがあったらどうだろう。まるで本物の猫が電車を歩きまわっているかのような動きが生まれるんじゃないだろうか。
とにかく、思いついたままに描いてみる。
(……ダメダコレ、どう見てももみじが太い手にしか見えないし猫も寸胴だ)
拓郎は何度か描きなおした。
そのたびアラが目について消しゴムをかけ、それで何日か費やしてしまった。
あれこれ反省した末に、やっぱり実物を見なければ、と思い立った拓郎は、学校の帰り道に猫を観察したり、落ち葉を拾って来たりして絵を仕上げた。最後に煌々と照る月と、それから星とをまき散らし、昨夜ようやく納得ゆくものが完成したのだ。
「職員室まで競争するかい?」
博美が云った。提示したのは、先に泉先生に提出した方が勝ちというシンプルなルール。拓郎は頷く。
「悪い、けど……手は抜かない、ぞ」
拓郎は陸上部だ。しかも身長差、男女差もある。かなりのハンデ戦なのは博美にもよく分かっている。
それでも、手は抜かない、と云った拓郎に、博美は感謝していた。
「望むところさ!」
よーいどん、で走り出す。
まっすぐ、進むべき道が見える。
ぐんぐん離れてゆく拓郎の背中。そのことはもちろん悔しいけれど、今自分にできる全力を出す。
そうすることで博美は、心の中に爽快な風が吹き渡るのを感じていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月30日
参加申し込みの期限
2014年11月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年11月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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