寝子電、ラッピングコンテスト！｜リアクション

寝子電、ラッピングコンテスト！

●特別賞

「続きまして――」
　リッカルド町長が片手をあげて合図をすると、テーマ別にラッピングを施された電車がホームを離れ、新たな電車が滑り込んできた。
「特別賞の発表です！」

「オールインワン賞！　――御剣刀さん！」

「今回のテーマ、寝子島、秋、褌をすべて取り入れたよくばりな作品！　寝子電カラーである勿忘草色をベースに、たいへん可愛らしく仕上がっております！　この電車もまた、この秋の寝子電を飾るのにふさわしいと考え、特別賞を授与します！」

「お、俺！？　……ありがとうございます！」
　恐縮しつつ賞状を受け取る刀に、月詠が温かい拍手を送る。

◇

「特別賞がもう１点あります。レインボー賞！　――遠矢護さん！」

「寝子島の魅力をぎゅっと詰め込んだこの作品。大きな虹がとてもいいですね。今年の寝子高さんの体育祭のテーマが『虹』だそうですね。寝子電は、寝子高の学生さんの利用も多いですから、こんな電車で通学するときっと気持ちも盛り上がることでしょう！」

「えっ……本当にいいのかな……今更だけど、なんだかサンマさんに、寝子島のみなさんに申し訳ないような……わあ、恥ずかしい……！」
　赤くなった頬を押さえてその場で悶える護に、修が優しく声をかける。
「遠矢、やったじゃないか」
　頼りになる新聞部仲間に励まされて、護は賞状を受け取った。
「……あ、ありがとうございます……！　あの、僕から、みなさんに問題です。サンマさんはいったい何匹いるでしょう？　そして、青い目のサンマさんがどこかにいるのですが……わかりますか？」

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