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ある霧の向こうの
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上下学校ジャージに、部Tシャツ姿の
後木 真央
は、手を繋いでいるという状況にはっと気付く。
「誰なのだ?」
霧で誰かも分からないが、とりあえず相手の手の甲に、文字を書く。漢字だと疎通が難しいだろうから、全部片仮名だ。例えば今なら『ダレナノダ?』というふうに。
もしかしたら相手に声が聞こえないかもしれない、と懸念した行動だ。
ぎゅっと相手が、真央の手を握る。怖がっているのか、安心したのか。握り締めるだけの行為では、相手の意図が分からない。そして声が聞こえるかどうかも。
「真央……後木真央」
先程と同様に手の甲に片仮名で文字を書けば、繋いでいる手が震える。
声を立てて相手が笑って、その声にはっとする。
「修ちゃん!?」
相手の声が聞こえて、手の甲に筆談する必要は無かったのだと気付かされる。それと同時に、相手が友人の
八神 修
だと気付いたがための安堵が、真央の心に広がった。
修がしたのと同じように、繋いでいる手をきゅっと握る。相手が誰か分かったので、今度はこれからを考えることにした。
徐々に霧が薄らいだので、ようやく修の表情が見える。
「これについて行けってことなのだ?」
これ、とは線状に並んでいる光のことだ。森の奥へ誘うように続いている。
「今はこれしか手がかりは無いようだな。行ってみよう」
「うん、絶対一緒に帰るのだ!」
光を辿るようにして進んでいくと、草の生えていない場所に出た。茶色い土肌が一面に広がっている。
何かあるかもしれないと、慎重に一歩を踏み出す。
「修ちゃ……!」
真央の足元から突然大岩が隆起してきた。道理で草が無いはずだ。
隆起のせいで繋いでいる手が離れる、なんてことがあってはならない。真央は身軽に修の方へ飛び降りると、修の方へくっついた。2人の距離が近いほど反応もしやすいだろうとのことだ。
今度は真央と修、2人の前から岩が隆起してくる。真央は修にタイミングを合わせ、岩と反対方向の後ろにぴょんと飛んで対処する。
慎重に対応しながら大岩隆起の地を通り離れると、今度は目の前に沼らしき場所に出た。
「道を外れさせる試練なのだ?」
霧もかかり、沼の中の光は少々見えづらい。ぼんやりとだが、沼を渡りきった先にも光がある。
「光は沼の上に見えるんだから、その辺りには地面があるかもな」
修は近くの樹から枝を手折ると、一番近い光の周辺をつついた。地面、もしかしたらそれ以外のものがあるかもしれないと考えて。
「地面……よりも硬い?」
「石なのだ?」
「分からないが、地面よりも安定した足場みたいだ。行ってみよう」
修の言葉に、真央はこくりと頷いた。
沼を抜けてしばらく進むと、今度は蛇の多い場所に出た。模様は派手なものが多く、毒を持っていることが伺える。しかし、模様も形も、図鑑でさえ見たことがない。
修と真央は、蛇を踏んでしまわないよう十分に注意して、ゆっくり慎重に歩く。蛇を踏まないことを第一に考えると、どうしても細い通り道になってしまう場所がある。
「細い道なのだ。どうするのだ?」
「俺が背負うよ」
修はそう申し出た。修の体力を考慮してだろう、真央も修を背負うと言ったが、修は譲らない。
修が背負うことになると、真央はジャージを上下とも脱いで、修の足にきっちりと巻いた。少しでも蛇の牙が刺さらないように考えてだろう。
手を離さないように真央を背負って、修は体力の許す限り、行ける所まで進む。
「少し休憩してもいいか?」
しばしの休息。
「じゃあ、また俺の背に乗ってくれ」
休息の後、再び真央を背負うため、修は言う。しかし、真央は首を横に振った。
「今度は真央ちゃんが修ちゃんを背負うのだ」
休憩したとはいえ蛇の地はまだ抜けていない。声を潜めて内緒話のようにひそひそと相談する。
「でも、それは男として……」
「さっきまで修ちゃんが背負ってくれたから、今度は真央ちゃんの番なのだ」
修は拒むが、真央はさらに言い募る。
「分かった、ありがとう」
礼を言って、修は真央の背に乗った。
「一緒に帰るのだ! 大丈夫、今度は真央ちゃんを信じるのだ!」
蛇の地を突破したその先で、光は無くなった。代わりにあったのはひとつの石碑。
ここをゴール地点とするならば、元の世界へ帰る手がかりもあるはずだ。
2人はとりあえず石碑とその周辺を調べてみることにした。調べ終わるまでは何があってもいけないので、石碑には触れないでおく。その間もずっと、手は繋いだままで、だ。
突然、ぎゅっと、真央が修の手を強く握った。
「真央?」
真央の方に視線を遣れば、霧深い中、黒い人影だけが見える。距離を取るように、石碑を背にして、修は真央の手を引き寄せる。
「あなたは何者だ?」
修の問いに対して、黒い影がざわざわとうごめいた。
『手を繋いで来てしまったのか、残念だ』
【私はひとつの犠牲、それだけよ】
≪サビシイノ、ヒトリハイヤナノ≫
複数の声が同時に聞こえてくる。あの黒い影は、ひとりではないのだろうか。
修の問いに答えたのはひとつ。あとは低い単調な呟きと、幼い言葉と。
「何故この森は在るんだ?」
なおも修が問いただすと、黒い影はまたざわめいた。
『均衡のために決まっているだろう』
【……貴方は離さないであげてね】
≪ミンナミンナ、イッショニイテ≫
黒い影が、修へ向かって手を伸ばす。
「修ちゃん!」
間一髪、真央が空いた手で黒い影の手を払いのけ、修の手を引っ張った。引かれた拍子に、修は空いた手で石碑に触れてしまう。
途端、今まで辿ってきたのと同じ光が溢れ出る。あっという間に、修の意識は光に飲み込まれた。
自分の部屋で、修は目覚めた。どうやらいつの間にか眠ってしまっていたらしい。
考え込むよりも先に、真央に電話する。
時間が経つにつれ、薄れて消えてしまう、その前に。
「ああ、その夢なら俺も見ていたよ」
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あとがき
担当マスター:
鳴葉ゆらゆ
ファンレターはマスターページから!
シナリオにご参加いただき、ありがとうございました。
人と手を繋ぐのが苦手な鳴葉ゆらゆです。
霧の深い森からの脱出、いかがだったでしょうか。
みなさん霧の深い森に閉じ込められなくてよかったです。
楽しんでいただけたら幸いです。
また機会がありましたら宜しくお願いいたします。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
鳴葉ゆらゆ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
コメディ
冒険
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月18日
参加申し込みの期限
2014年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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