探しもの。
水都乃 れいは絵の題材を求めて一人、旧市街を散歩していた。
視線を散らす。
「ん……いや、ここは前に描いたしな。もう少し歩くか」
今日はもっと奥へと、歩んだ。
夕暮れはあかね色で逢魔が時を染める。
惹き込まれそうな橙が辺りを包み、照らして。
瞼を落とし眠りに誘うように、寂しげに色付いた空が手を招く。
しゃん――鳴る鈴の音。
音にふと、視線を移せば隣には黒猫が寄り添うように歩いていた。
「黒猫、君も一緒に歩くか? なんてな」
にゃあっと猫が啼けば。
何処かで又、鈴の音が鳴る。
黒猫と歩んだ先、気が付けば辺りの景色は変わっていた。
振り返っても辿ってきた夕焼けはもう、ない。
代わりにあるのは、いつの間にか降りているゆるやかな階段。
夜の色に灯された明かり。
赤に近い茜色が染める壁。
――ここは何処?
いざなわれる様に、不思議な色を辿っていく。
なにか、有る気がする。
面白いのか。こわいのか。それとも。
なにも、わからないけれど。
手招かれるように歩く。
辿る先、誰かとすれ違った気がした。
鈴の音と、微かに耳に届いた童唄。
視線を一つ。
けれど、不思議と誰もいない。
でも『誰か』は、確かにそこに『居た』
そんな不思議な世界へ、また一人。
また一人と迷い込む。
手招く茜色。
橙の先、気まぐれにあちら側へと繋がった。
お久しぶりです、癒雨です。
気まぐれに繋がった、心に染みる不思議な世界を歩いてみませんか?
しっとりとしていて静かな心情重視の雰囲気になります。
向き合いたいこと、確かめたいこと、自らの心を辿る機会かもしれません。
▼場所について
行く先は神魂の影響で繋がってしまった何処かになります。
貴方は気が付けば夕暮れに似た橙色の壁がある場所の階段を降りています。
その先にある光景は基本旧市街の参道商店街のような場所になります。
場所を指定すると、もしかしたら反映されるかもしれません。
ですが、夜で有ること、それに明かりが灯った光景は固定です。
▼行き方について
あなたに捜し物はありますか?
あなたに会いたい人は居ますか?
捜しものが、簡単でも難解でも迷い込んだりします。
会いたい人との思い出が、軽いものでも重たいものでも、迷い込めます。
貴方が何かを思い描いたり、願ったり、きっかけとなる行動をすることでその場所が現れます。
過去に失くしてしまった何か。
又は、もう逢えない人へ想いを馳せると、もしかしたら会えてしまうかもしれません。
そんな気まぐれで、不思議な場所ですから。
その対象に出会った時の気持ち、言葉、行動を詰めて下されば幸いです。
思いの先で他の誰かと繋がるかもしれません。
ですが隣を歩いていても気が付かないかもしれません。
きっかけは、何処にでも。けれど目に見えるとは限りません。
行動よりも想いが反映されやすい場所です。
▼誰かについて
うっかり巻き込まれてしまった存在も居るようです。
探してあげてもいいかもしれません。
誰かは静かに童唄を歌っています。目安程度に。
(因みに童唄の歌詞に関してのアクションは著作権の関係上、一切採用できません。ご注意下さい)
▼帰り方について
静寂を好む場所です。
騒いでしまうと追い出されてしまいます。
(この方法でも物理的に帰る事は可能ですが、オススメはしません)
他の方法としては、捜し物を見つけたり、会えたり、心が満足すると自然と外へ出ます。
気がつけば横にいる黒猫についていく事でも帰ることはできます。
心から帰りたいと願う事でも、きっと帰ることができるでしょう。
それも又、『帰り道』という探しものですから。
心に何か浮かんだ方、ご縁あれば宜しくお願いします。