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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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「わあ~、わあ~」
桜吹雪の宴の真ん中に佇み、理沙は何度目かの歓声をあげる。
「すごいわすごいわ、和風テイストで、しかもお花見宴会……!」
跳ねとびそうな勢いで傍らに立つ夫の腕にしがみつく。
「正にスシヤマゲシーイシャ、の景色だな」
「もう、また~!」
厳格に見える強面を和ませて囁く久隆に頬を膨らませて見せてつつも、ふたりは並んで桜の宴を巡り始める。
「ねえ旦那様、あっちは和風テイストなサーカスだわ~」
「曲芸師まで居るのか」
「桜、綺麗ねえ~」
「ああ、とても綺麗だ」
のんびりまったりと歩くふたりに、郭の一角で大宴会を開いていた酔っ払いたちが冷やかし気味な声を掛けた。呑んでいけ呑んでいけと呼ぶ酔っ払いたちに混ざって、同じように飲み食いする少女や黙々と絵を描く青年と少女の姿もある。どうやら彼らは寝子島から迷い込んできた人々らしい。
「え? お酒? 私も飲みた~い!」
両手を打ち合わせて喜ぶ妻に、久隆は小さく肩を竦める。幼い少女に見えるその癖、ビール大国な元ドイツ人であるゆえか、理沙の酒精に対する耐性はやたらと強い。倍近い体重差があっても、先に酔うのはいつだって久隆の方だ。
久隆に声を掛けたつもりの酔っ払いたちに呑めるのかいと驚かれ、理沙は大きく頷く。
「……大丈夫よ、私こう見えて36歳よ~!?」
ともすれば十代後半にも見えそうな脅威の童顔に、酔っ払いたちはやんやの喝采を浴びせた。そうであるならと宴の席に夫婦ともども迎え入れられてしまうば、酒樽から柄杓で汲み出した酒を椀に入れられ、スルメか干し魚、先の客が置いて行ったらしい個包チョコレートや飴や重箱の弁当までも取り分けて並べられる。
「ここにも立派なお城があるんだね」
同じように酒宴に誘われたアリスとフォルカも、雛人形のように並ぶ夫婦の傍の席に着いた。
「本当ね~、立派なお城~」
「映画村で見たことある人がいっぱい!」
隣り合った縁で理沙とも乾杯をして、アリスは持ち込んだ缶ビールをぐーっと一気に半分ほど飲んだ。同じペースで椀の酒を空けた理沙にも缶ビールを進呈し、ついでに通りがかった他の人々よりもいい身形をした殿様と奥方にもお近づきのしるしにとビールを差し出す。
「はじめまして。一緒に乾杯しない?」
異国からの旅人の申し出にも警戒する素振りひとつ見せず、殿様と奥方はアリスのやり方に倣って缶ビールのプルタブを開けた。
「かんぱーい!」
掛け声も高らかに缶の縁を合わせあい、ビールを飲む。
「ね、ビールのお礼に何か貰えない?」
昼からビールを飲み続けていい具合に酔ったフォルカが絡み酒気味に殿様に迫るも、殿様はどこまでも鷹揚に頷いて笑う。皆を楽しませてくれればな、と条件をつけられて、アリスはしばらく考え込んだ。
「じゃあ、」
言いながら、いつの間にかたくさん空いたビールの缶を少し離れた地面に並べる。そうして取り出したるは、
「種子島か」
「ううん、エアガン!」
種子島って何だろう、と瞬きながら、アリスは並べた缶に狙いを定める。引き金を落とせば、軽い音を立てて缶が弾かれ飛んだ。一斉に上がる驚きの声に、アリスはちょっと得意になる。
「こうやってどれだけ空き缶を倒せるか対決しない? お城の人たちと私たちとで対決!」
銃の腕には自信がある。
「勝ったら何かちょうだい! 負けたら、冷えた寝子島地ビールをあげる」
エアガンを手に自信満々に振り返って、
「……え?」
アリスは目を丸くする。ついさっきまでは寝子島のどこかのお城に居たはずなのに、
「え?! ええー?!」
気づけばフォルカとふたり、サジタリオ城下町近くの草原に立っていた。フォルカと顔を見合わせ、驚きの声を上げ合うふたりの上、ひらりと薄紅の花が舞い落ちる。
城からの忘れ物のような花びらを見上げてみれば、城に見た桜とは違うかたちの、けれど満開に花を咲かせた樹がそこに在った。
「アリス! フォルカ! お帰りなさいなのー!」
花咲く梢に腰掛けて足をぶらぶらさせていたステラが嬉しい声を上げる。
「ステラ! ただいま!」
いつの間にか帰ってきてしまいはしたけれど、頭上には桜に似た花、フォルカの手には寝子島で買って来た缶ビールの入った袋が残っている。
「よし、じゃあ!」
アリスは元気いっぱい、両手を打ち合わせた。
「もう一回、女子会しよう!」
楽しい女子会は、まだまだこれから。
「……あら? あら~?」
今の今まで隣で一緒にお酒を呑んでいた女の子たちの姿が消えて、理沙は青空色の瞳をしばたたいた。
「どこ行っちゃったのかしら~?」
のんびりと周囲を見回す間にも、椀には酒が満たされる。あらあらと朗らかに笑いながら、理沙は水でも飲むように酒を喉へと流し込む。
「あらっ」
同席していたアリスとフォルカを探していたはずの視線は、武芸者に連れられて人の輪の中へと向かう久隆で止まる。
「私の旦那様なの~」
椀いっぱいの酒を手に、理沙はまだまだしっかりとした足取りで立ち上がる。理沙に呑め呑めと酒を勧めたわりに心配性な酔っ払い爺たちが慌てて揃って立ち上がった。
大丈夫か大丈夫かとじいちゃんたちに群がられ、水の入った椀を差し出されて受け取りながら、理沙はふわふわと笑う。
「こう見えてお酒はとっても強いのよ~、そう簡単にはへにゃらないわ~」
それでも差し出された水をありがたく頂き、理沙は武芸者たちが手合わせをする場へぱたぱたと数歩歩き、ぺたりと筵の端に座り込む。きゅっ、と酒を呑み、ぱちぱちと拍手をする。
「旦那様~、お相手さ~ん、が~んばれ~!」
妻の華やかな声援に片手を上げて応じてから、久隆は手合わせを願い出てきた厳つい体つきの男に一礼する。背広を脱ぎ、片隅に置く。
「私で相手になれるかはわからないが」
久隆の言葉に、ご謙遜を、と男は笑って返礼する。たっつけ袴の足を肩幅に開き両手を胸の高さに掲げ、独特な体術の構えを取った。
(折角の機会)
相手の構えを正面に見据え、久隆は心得のある柔道の構えを取る。
男が地を蹴る。襟を掴むべく伸ばされて来たごつい手を片手で払いのけて逸らす。次いで伸ばされてきた反対の手を掌で受け止めれば、両手をがっしり組み合わせての力比べとなった。
(さすがに手練れ)
僅かにも気を抜けばたちまちにして組み敷かれ動きを奪われる気配を感じ取り、久隆は奥歯を食いしばる。
(下は地)
雑草が僅かに生えてはいるものの、緩衝にはなるまい。
(それでも……!)
拮抗する力をずらす。殺到する男の体の内側に身を滑り込ませ、着物の衿を掴む。ぎくりと強張る男の顔がちらりと見えた。
男の身に籠る力さえ利用して、男の体を背に担ぎ上げる格好になる。そのまま地面に叩き付けようとした刹那、男が短い気合いの声をあげた。掴んだはずの衿がするりと抜ける。男を担ぎ上げた背が軋むほど、男の全身に力が籠る。全身の筋肉をミシリと鳴らし、男は久隆の背から跳ねた。宙に一回転し、久隆の背負い投げから逃れてみせる。
「な……?!」
投げる体勢を強引に崩され、それでも久隆は重いたたらを踏んで踏みとどまる。地面に深く踏み跡をつけながらも素早く体勢を立て直し、男と睨み合いながら、久隆は渋く笑った。
「……面白い」
低く呟く。
「旦那様~! 流石、かっこいいわ~!」
武芸大会に声援を送る白金色の髪の女性の周りでどんどんとお酒がなくなって行く。酔っ払い爺に酌をされては水でも空けるかのように盃を傾けて空にする女性に視線を取られた途端、女性を囲む酔っ払いのひとりと目があった。
「飲むかー?」
どこまでも明るい酔っ払いに絡まれ、綾花は慌てて首を横に振る。
「すみません、飲めないのでっ……あっ、でも珪先生は如何ですか?」
ちょっぴりホストのようにも見える先生は、その見た目のせいもあってかお酒にも強そうに見える。
(珪先生は、酔っぱらったらどうなるのかな?)
そこのところは少し気になった。桜を眺めて足を止める珪のスーツの袖を、綾花はそっと引く。
「お酌しましょうか、珪先生」
生徒から誘われ、司書教諭は司書教諭らしからぬ艶めいた笑みを浮かべた。
「綾辻さんが二十歳になってからだ。……ごめんな、お爺さんたち」
綾花の誘いも酔っ払いの誘いもやんわりと断り、珪は綾花を連れて城の郭で華やかに行われる花の宴の間を歩き始めた。
「おいで、綾辻さん」
あちらでは篝火の舞台の芸能大会、あちらでは人の輪に囲まれての武術大会。どちらを見ても賑やかで楽しい雰囲気に包まれていて、けれど人の多さに揉まれて逸れそうになる綾花の手を珪は取る。人の多い場所をすり抜けて出たのは、城を支える灰青の石垣のすぐ傍。垂れた桜の梢が目隠しのようになったその場所で、珪は足を止める。手近に置かれていた竹編の長椅子に並んで腰かけ、夜の色を透かせて更に白く見える夜桜を仰げば、思わず嬉しい笑みが桜の花とともに零れて落ちた。
「特等席ですね、珪先生」
ここでゆっくり、宴の灯が落ちるまでふたりで話をして過ごそう。
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阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
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