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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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跳ねれば、足元で桜の花びらが舞った。見仰げば、空を桜が覆い尽していた。見渡せば、あちらでは酒宴、こちらでは武芸の手合わせ、その向こうでは篝火の舞台での芸能。
「うおおお」
「これはまた凄いですね」
湖上に城を見つけたときと同じように口を開いて目を丸くする信乃に向け、荘助は一眼レフのカメラを向ける。どんな顔をしていても、
(信乃さんは可愛いなあ)
「旦那様、普段は自分の柔道は所詮素人だって言っているのに、もう~」
「つい調子に乗ってしまった。すまない」
少女のような妻に付き添われ、大柄な男性が土埃で汚れたシャツを払いながら人の輪から出てくる。男の背後で、武士らしい面持ちのたっつけ袴の男が深く一礼をした。
「あれが素人の動きか」
たすき掛けの袂を払い呆れたように呻く男に、信乃はうなじの一房だけが長い銀の髪を尻尾のように揺らして駆け寄る。
「もし、そこの人。貴殿はもしや、八夜城の武士にあらせられるか」
いかにも、と男が頷いた途端、信乃は飛び退って平伏すらしかねない勢いで青い瞳を輝かせた。
「真に、真に本物の武士なのか!? うおおおこの小犬丸信乃至極恐悦の至り!」
平伏するか握手を請うか迷う信乃に、付き添いというか公認のストーカーというかな荘助はまたシャッターを切る。感極まったように瞬きを繰り返す表情もまたいい。落ち着け落ち着けと深呼吸する顔も、打って変わった凛々しい声音で名乗りを上げる顔も、全部いい。
信乃の立派な名乗りに、武士らしい男はこくりと頷いた。八ヶ淵何某と名乗った男は、信乃に向けて手合わせを申し出る。
「ふむ、手合わせを……」
信乃は小さく首を傾げた。本物の武士との手合わせはぜひともさせてもらいたいが、見たところ、これはどうやら花見の宴における見世物の類らしい。
ならば、と信乃は傍らを向いた。
ファインダーの中の凛々しい顔が不意に自分に向けられ、荘助はうっかり夢中になってシャッターを切っていた手を止める。
「ん?」
「荘助、相手を致せ」
「俺ですか」
信乃は荘助が断るとは思ってもいない態度で顎を引いた。そうしてから、すばやく荘助の耳に口を寄せる。
「此処も不思議な場所とはいえ、物は試しだ」
信乃に続けて何事か耳打ちされ、荘助は笑んだ。
「承知しました、信乃さん」
「現代の、すたんととしての技も御見せ致しましょう」
ならばと人の輪のを作る誰かから差し出された木刀を二振り受け取り、一振りを差し出す信乃の隣に荘助は並んだ。カメラと風呂敷包み入りのお弁当を見物人のひとりに預ける。本当は信乃の勇姿を撮影したいところではあったのだけれど、
(はいはい、ご指名とあらばってね)
ふたりを中央に、人の輪が閉じる。借りた獲物を手に、荘助は正面に立つ幼馴染を見据えた。
(あの顔は遊ぶ気満々だなあ)
信乃が口にしたすたんと、と言う言葉に荘助は緋色の瞳を細める。となれば信乃は、これを試合というよりも剣舞に近いものにしたいのだろう。
(伊達に幼馴染してないですからねー)
立ち合いのようにまずは一礼。上げた目と目が合った刹那、荘助は地を蹴った。まずは正面から打ち合う。呼吸を合わせての初撃は、狙い通りに高い音を周囲に響き渡らせた。
(信乃さんの太刀筋なら大体読めるんで)
横薙ぎの一閃を垂直に跳ねて避ける信乃の動きに合わせ、前に突っ込む。それと同時、荘助は肩に力を籠める。その肩に片手をつき、信乃は高い位置で側転をしてみせた。美しい姿勢で地に足をつけざま、今度は飛び込み前転。まずは押され気味に動く信乃の動きを荘助は正確に読み取る。
(ああっ)
信乃の動きを追って振り返り体勢を立て直しつつ、荘助は心中で悲鳴をあげる。
(今の動き、撮りたかったっ……!)
信乃の素早い動きに翻弄されながらも己が優勢であるように見せる。前転の直後の宙返り、飛び退って距離を取る信乃とほんの一瞬視線を交わす。油断を見せず木刀を構え直したそのとき、信乃が木刀を脇に手挟み素早くその言葉を口にした。
「『荘助、お側に侍るをお許しください』、だ」
それは信乃のろっこんが持つ名。それと同時に柏手を打てば、事前にろっこんの使用を許可していた荘助のすぐ近くへと、信乃の身は瞬間移動する。
一瞬のうちにして荘助の背後に立ち、信乃は荘助の首筋に木刀を触れさせた。
「これで終いだ」
背後に立った信乃が放つひやりとした気配と囁き声に、荘助は演技ではなく立ち尽くした。ちらりと後ろを覗き見れば、凛々しい瞳した幼馴染が木刀を突き付けている。
(はああ……)
背筋に走るぞくぞくとした感覚に、荘助は快感に近く瞳を細めた。
(ホンット信乃さん最高)
荘助がカラリと木刀を手放せば、二人のスタントに見入っていた見物客から拍手が沸き起こった。
「上手くいったな荘助!」
凛々しかった瞳が、にぱーっ、と見る間に闊達な笑顔に変わる。頷く荘助と並び、ふたりは皆に向けて一礼した。
歓声を浴びつつ、信乃は額の汗を手の甲で拭う。自分が褒められるのはもちろん嬉しかったけれど、隣に立つ荘助が褒められることが誇らしかった。
(自慢の幼なじみだ)
一緒に顔を上げる荘助にも笑顔を向け、人の輪を抜ける。武芸会の中心人物らしい武士が、見事だった、の一言と共、ふたりの手に金色の花片を握らせた。
周囲からそそがれる拍手にも歓声にも構わず、荘助は信乃の笑顔ばかりに見惚れている。金の花片も、荘助には興味がなかった。荘助が欲しい褒美はただひとつ、傍らに立つ信乃の笑顔だけ。それに今日は、凛々しい顔も見ることができた。
かわいい笑顔とのギャップも含め、
(俺の褒美はこれでいいかな)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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