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【お花見】桜の下で待ち合わせ
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観覧車のゴンドラへ先に乗り込んだ
鵙海 甫
が振り返る。停まることなくゆるゆると動く籠に少しだけ焦って追いかけようとしていた
千堂 結
は、甫が無造作に伸ばしてくれた掌を咄嗟に掴んだ。観覧車乗り場にどこからか吹き込む桜の花びらと一緒に、甫の胸へと半ば飛び込む。
「わっ、ごっ、ごめん……っ」
背後で閉まるドアの音よりも、甫の胸に押し付けるかたちになってしまった自分の胸に轟く心臓の音の方が大きかった。身長は自分よりも少し高いくらい、体重もきっとそんなに変わらないくらいなのに、男の子というのはどうしてこんなに骨太な感じがするのだろう。
「いや、へーき」
少しだけ低い位置にある結の細いうなじを染める薄紅から眼を逸らし、甫は結を抱き止めた衝撃にずれた眼鏡の位置を直す。気付けば空へと昇り始めていたゴンドラのベンチに腰を下ろし、手を繋いだままの結を向かいに座らせる。
「高い、し……綺麗~……!」
窓の外、眼下に点在する満開の桜を見下ろすなり、結は歓声をあげた。
黄昏色に染まりつつある寝子島で、けれど桜の色は浮き上がるように鮮やかに優しい薄紅を見せている。
「こんな高いところから桜を見られるなんて……」
「いっぱい歩いたし、観覧車で一休みするのも悪くないよな」
桜まつりで賑わう寝子島神社から、海沿いの寝子島シーサイドタウンまで。散歩がてらに道々の桜を眺めようと提案しながら、甫は道々の桜なんてほとんど眼に入らなかった。
ともすれば触れるくらい近くに肩を並べて歩く結の、桜を見上げて微笑む横顔ばかりを見つめていた。陽をいっぱいに浴びる蒲公英の色した瞳、桜色に染まった柔らかな頬、桜よりも艶かに色づいた唇。うっかりと抱きしめてしまいたくなる気持ちを抑えるのに必死だった。
「ふたりで歩くと楽しいね」
窓の外、眼下に点在する桜から甫へと視線を移し、結は微笑む。向かい合って座りながら、それでもまだ繋いでいる手に気づいた途端、頬にゆっくりと熱が昇り始めるものの、折角繋いだ手を離したくはなかった。気づかない振りして、結はまた窓の外を眺める。
ぎこちなく視線を逸らす結につられ、甫も同じように窓の外へと視線を逃がす。観覧車のゴンドラは、乗り込んでしまえば急に密室になる。今はそれがたまらなく好きだった。
(すごい二人っきりって感じするんだよな)
お祭りの喧噪の中を歩くのも楽しかったけれど、風の音ばかりが聞こえる密室で、付き合い始めたばかりの彼女とふたりきりで向かい合うのはもっと胸が弾んだ。
うっかりと高校生男子なことを考えてしまいながら、景色を眺める。
(この島でまだ行ってない場所あるかなあ)
見つけたらふたりで行ってみよう。
「……お、桜」
「花びらだ、綺麗」
ひらり、小さく開いた窓から流れ込んだ桜にふたり同時に手を伸ばす。互いの手と手を重ねるようにして花びらをふたり一緒に掴み取った途端、思い出した。
修了式のあの日、重ねた唇のことを。
触れた唇の柔らかさと甘さが驚くほど鮮明に生々しく蘇り、甫は思わずゴクリと喉を上下させる。尋常でない速さで鳴り始める胸を片手に抑えて結を見た瞬間、
「……わあああ!」
甫と視線の絡んだ結が顔を真っ赤にして悲鳴をあげた。びっくりして眼を瞠る甫を見、慌てて視線を逸らし、結は両手で顔を覆う。
「ごめんね、ごめんね……ま、まま、待って……」
「ん、……うん」
「私、その、あの、あの時の、修了式のこと思い出して……! な、なんでだろ!」
「……俺も」
同じ思い出を同じ刹那に思い出したふたりは、真っ赤な顔を見合わせ合う。
初めに笑ったのは、結だった。
「……で、でもね。その……すっごく、照れちゃうし、すっごくドキドキするけど……」
掠れた声で囁く結の顔が無性に見たくなって、甫は手を伸ばした。桜の花びらを貼りつかせたままの掌で、顔を隠す結の細い手首を掴む。半ば強引に顔をあらわにされ、結の頬がますます紅く染まった。恥ずかしさのあまり潤む瞳で、結は甫を見る。
「幸せな気持ちになれるの」
今になって思う。
あの夕暮れの帰り道、家族と離れて暮らす寂しさに不意に襲われて立ち止まってしまったとき、
――寂しいときは俺がいるだろ!
そう言ってくれた甫のことが、もう既に好きだった。だからなおさら嬉しかった。
(私の、……この目も)
ともすれば覆い隠したり俯いてしまいがちな、蜂蜜色した眼。幼い頃に散々いじめられる原因になったこの目。
奇異なはずのこの目を、甫は綺麗だと言ってくれた。
(……好きになれるような気がする)
逸らすことなく見つめてきてくれる甫と眼を合わせれば、幸せな笑みが零れた。
「改めてになっちゃうけど……ありがとうっ」
綺麗な瞳に眩しい笑みを浮かべる結を、甫はたまらず抱きしめる。
「続き、……しよう」
そうしてふたりは、二度目のキス。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
1000人
参加キャラクター数
110人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月13日
参加申し込みの期限
2017年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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