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きままにアルク 前編~二十四の轍
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【時の架け橋】
気づくと、彼らは再び、暗く深い茜色の中に立っていました。
『ローシルティウム世界』と呼ばれるこの空間を漂う、黒い船。その甲板で、少女と老婆が、旅人たちを恭しい仕草で……あるいは悪戯っぽい顔で、出迎えます。
「おかえりなさい、ずいぶん早いわね」
「おかえりなさい、ずいぶん遅かったわね」
旅人たちとともに姿を見せた、ロスリスΒ、アーセムニックΛの顔をひとつ眺めて。ユークリアンナΑ、ユークリアンナΩは微笑を浮かべ、鷹揚にうなずきます。
「久しいね、ユークリアンナ。ロスリス、あんたも。で、あたしは何人目だい?」
「22人目よ、アーセムニック。あなたはΛ。まだ、ΖとΨが足りないわ」
「ロスリス、おめでとう。Βのあなたで24人目、これで揃うわね」
「そのようだ。ま、今の状態も、これはこれで貴重な体験ではあったが」
訳知り顔で話を進める彼らへ、
上下 左右
が不思議そうに、くりんと首を傾げます。
「24人目……? 揃った、というのは、どういうことですの? ロスリスさん」
「ああ。そうだな。見たほうが早いだろう」
ロスリスは、左右と繋いでいた手を今さらながらに離し、少し照れくさそうに笑いながら、黒い船の甲板の一角にある、船内へ繋がる扉を指差しました。
がちゃり、とそれが開かれて、
「おおー……やっぱり! そういうことだったんだナー」
「24人目のロスリス。つまり、すべて同一人物か」
名前に付随する、ギリシャ文字。その符号にひとつ納得がいったようで、
志波 武道
と
鴻上 彰尋
が、うんうんとうなずきます。
ぞろぞろぞろ……わいわいわい。
「まったく、遅いぞ俺。いつまで待たせるんだ」
「まぁまぁ、そう言うなよ俺。時間なんて大したものじゃないさ」
「何にしろ、ようやく元に戻れるな。なあ、俺たち」
そう。現れたのは、Βよりいくらか幼い、少年のロスリス。成長した、青年期のロスリス。脂の乗った働き盛りのロスリスに、衰えが見える中年のロスリス、腰の曲がったおじいさんロスリス。重ねた年齢の差はあれど、いずれも同じ顔をした、24人のロスリスたち!
ロスリスΒが左右を振り返り、
「見送りありがとうよ、お嬢ちゃん」
「……ふふ。どういたしまして、ですわ!」
ここに、24人が一堂に会し……ぱあっ! と目もくらむほどのまばゆく巨大な茜色の光が、そこら中へと迸り。
やがて、光が収束した後。そこに立っていたのは、20代半ばほどの、シニカルな笑みを浮かべる、ひとりの青年でした。
「……驚いたわね」
青山 絢
は、24人が一瞬にして、ひとりの人間へ融合を果たしてしまったのを目の当たりにして、思わず眉をひそめます。
「妙なことに巻き込まれたと思ったけど……こんな光景まで見ることになるなんてね」
「俺も、寝子島でいくつか、不思議なものは見たつもりだったが……」
左右や絢、それに
新田 亮
は、足元にちょこんと座り込み、のんきににゃあと鳴いた白黒猫と行く旅は、これが初めて。何かと、驚くことしきりです。
けれど彼らが落ち着いて、目の前のすべてを受け入れることができているのは、子どもたちの世界で、あるいは水晶の世界で得た、あたたかく幸福な思い出のおかげではあったのでしょう。亮にしても、暗闇の世界で幽霊に少々怯えようとも、そんなまやかしは存在しないと気づいてからは肝が据わって、見事大立ち回りを切り抜けることができたのでした。
薄野 五月
は、本来の姿を取り戻した青年ロスリスを見上げて、
「やあ、ずいぶん大きくなってしまいましたなー」
「はは。おかげさんでね」
「うらやましいねぇ。やれやれ、あたしが元に戻れるのは、いつになるやら」
「腐るなよ、アーセムニック。これからは、俺も手伝ってやるさ。あんたの残りの欠片も、探し出してやらないとな」
どうやら旧知の間柄であるらしい、そんな円熟したやり取りを見つめて。彼らの言葉にどこかあたたかい響きを感じ、五月はふわり、微笑みました。
「ひとつ。伝えることがある」
折りを見てそう告げたのは、アルクをひょいと抱き上げた、
八神 修
。
気持ち良さそうに鳴らした喉を撫でてやりながら、ユークリアンナΑ、Ωへ、彼は託された言葉を伝えます。
「エンナウラΦは、あちらに残るそうだ。第二の故郷である世界を、自分は見届ける義務があるのだと……」
「ええ、そうね。生真面目な彼は、きっとそうするのでしょうね」
「半ば予想通りだったわね。彼は、きっとそうしたのでしょうね」
少女と老婆は、修を通じて届けられた答えを、ある程度見越していたようです。それでも、彼女たちはゆるやかにドレスの裾をつまみ、お礼の言葉を述べました。連れ帰ることはできずとも、心は確かに、伝わったのでしょう。
修は続けて、
「彼は、こう言っていた。ユークリアンナへ。ロスリスへ。アーセムニックへ。……ファシナラへ。そして、ベルベット陛下へ…………自分は精一杯に生きた、そう伝えてくれと」
唐突に飛び出した、聞き覚えのある名前。これには、
雨寺 凛
や
綾辻 綾花
が目を丸くして、
「……ファシナラ!? ファシナラって……あの、ファシナラさんのこと?」
「それに、ベルベット陛下って……確かに、そう言ったんですか?」
驚きの声を上げたのは、彼女たちだけではありません。
ファシナラ。旅人たちはこれまでに、その名を三度、耳にしたことがあります。
一度目は、
過酷な荒野をたくましく生きる夫婦
から。
二度目は、アルクの故郷、
魔導帝国に生きる錬金術師
から。
そして、今。
少女と老婆は、どこか悪戯っぽく、微笑を頬に浮かべています。彼らが自ら、その答えを導き出すのを待っているかのようです。
「……トワ」
「? 何デスー、カエデ?」
夜海霧 楓
は、自身の考えに、既に何かしらの確信を得ているように見えました。かたわらの小さな
トワ・E・ライトフェロゥ
へ、
「お前、あの暗い世界に向かう前、連中に聞いてたよな。あの時は、はぐらかされちまったが……」
彼らは出がけに、ローシルティウム世界、そしてそこを漂う黒い船について、ひと通りの質問を投げかけていました。少女と老婆の返答は、その時はどうにも、あやふやなものではありましたけれど。
トワは、こう尋ねたのです。
「トワたちがwalkerなら、この船は、carry shipデスネ!
ship name なんて言うマスカ?」
マストの無い帆船のような……奇妙な、とても奇妙な、黒い船。
旅人たちは、かつて一度だけ、その姿を見たことがありました。異界の書庫に収められていた、一枚の写真によって。
「「…………『
偉大なる夜明け号
』」」
アルクが大口を開け、ふわあ、とあくびをひとつ。
「時空を飛び越えるほどのエネルギーと衝撃は、ローシルティウム・エンジンの稼働臨界点を容易く突破させるでしょう。それは私の設計思想を遥かに超えた、途方もないエネルギーの放出なのでしょうね」
「殿下の愛猫、その白黒猫が首に提げた純粋なるローシルティウムによる干渉が、現象をさらに増幅した。時空を飛び越えるほどの衝撃は、船体と、そして乗り込んだ私たち自身の『時』を、バラバラに引き裂いてしまった……」
「「その数、24」」
「私たちは、私たちが人生において費やすはずの時間の全てを24の欠片に分断され、その瞬間に形成されたこのローシルティウム世界のあちこちへと吹き飛ばされ、漂流することになる」
「可逆性を備えた時間の中で、細分化された私はあらゆる時間をまたがって存在することになったし、あらゆる場所へ同時に存在することになったけれど、単なる人間である私には、目に入る全ての情報を処理できるほどの脳力を、持ち合わせていなかった」
「分かたれた時の欠片を再びひとつへ融合するには、全てを集めなければ。探すしかないわ。着実に、少しずつ……でも大丈夫、時間はいくらでもあるのだもの」
「時間はそれほど多く残されてはいないのよ。前へと進んでいかなくては……着実に、少しずつ。ね」
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担当ゲームマスター
墨谷幽
前回シナリオ
さまよいアルク 最終章~茜色に揺れる魔導帝国ローシルテ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月02日
参加申し込みの期限
2016年11月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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