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ザ・レジェンド・オブ・ロンリー・ロンリー・ウルフ(孤狼伝説)
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膝に穴の開いたジーンズ、スタッドのついた革ジャンという姿で、
野菜原 ユウ
はステージに立った。
首を傾けると、右耳のピアスがちゃりちゃりと音を立てる。
「で、あんたが俺の対戦相手ってことか」
ユウはニッと笑った。服装からなにから悪役丸出しみたいな雰囲気ながら、その笑みはなんとも無邪気で、お菓子をもらったばかりの少年のようなのである。どうにも憎めないところがある。
けれども灯斗南はそれを見ても相好を崩したりはしない。
「らしいな」
やや前屈みの姿勢で、冷たい目をするだけである。
「同じ高校のクラスメートが、こういうところで会うってのも妙なもんだよなあ」
ユウは親しげに呼びかけるも、斗南には特に感慨はないようだった。
「とっとと始めないか」
パーカーのフードを取って、斗南は燃えるような赤い髪を雪風にさらした。
「うーん、ま、俺にも夢があるんでな。ベストバウトってやつに輝いて、かなえさせてもらうとするかな」
ユウは、ちょやー、などと声を上げてでたらめな空手の構えを取る。動きからしてカンフーのそれも混じっているらしい。せわしなくステップを取っていた。
「勝っても負けても恨みっこなしでいこうや。俺は孤独、いや孤高だ!」
斗南は何の構えもとらない。ただ、両サイドのポケットから手を出した。
「どういう意味だ?」
「この俺、野菜原ユウはトラブルメーカーと言われている! ああ、確かにイタズラ三昧、小学校のときから幾度となく先生を泣かせきた。警察に通報されたことも一度や二度じゃないさ。でもな、それってみんなを楽しませようとしてやったことなんだ。俺、悪気があったわけじゃない。むしろエンターテインメントじゃん? なのに悪童呼ばわりで周囲から人は離れて……」
語るたびにユウの背中から黄色いオーラがにじみ出ていた。俺のことを知ってほしい、その気持ちがこの現象を招いたのか。
途端、ユウのでたらめ拳法は超人的な速度となったのである。
「みんな聞いてくれ!」
高速の突き、
「俺はこう見えて寂しいんだ! おもしろがってついてくる子はいても、彼女なんかいないんだー!」
くるくると独楽のように舞う、回転蹴り!
だがいずれも当たらない。斗南にはかすりもしない。まだ力のコントロールができないのか、ユウの攻撃はいずれも、まるで明後日の方向にしか飛び出していないのである。
次の瞬間、時間が止まった。
「……言いたいことはそれで全部?」
斗南がしたこと。それは話し始めたこと、それだけだ。
なのに彼が静かに告げただけで、ユウの力は消えて彼はどたっとステージに落ち、ざわめいていた客席も静まりかえった。
「少し、僕のことを話そう」
斗南の表情に怒りはない。哀しみもない。
ただ、運命を受け入れた人間の、諦めのような目があるのみだった。
「……両親は僕が幼稚園の頃に離婚した。母は養育費を稼ぐために本土に残り、僕は祖父の家に預けられた。可愛がられたとは思わないな。その祖父は、駆け落ち同然に結婚した両親を苦々しく思っていた。だからずっと、クズの血の混じった子として扱われてきた。言葉の上でも、態度でも」
ユウは足を止めていた。香港アクション映画みたいなステップする気は、もう失せたようだ。
「友達なんていない。優しい言葉をかけてくれる人はいるさ。でも、僕の本当の孤独をわかってくれる相手なんていない」
斗南は攻撃の一つでも繰り出したわけではない。けれども、一瞬にしてユウを制したのである。
「僕が孤独なのは誰のせいでもない、僕自身が愛され方を知らないだけだ。愛してもらってる事を実感できないだけだ」
斗南は周囲をぐるりと睨め回した。
誰も彼と目を合わせようとしない。誰も、近づこうとしない。
「それがどんなに苦しいかお前らにわかるか? 実感できない愛情なんていくら掛けられても逆に鬱陶しいだけだ。
好きで孤独でいるんだ僕は。好き好んで孤独の泥沼でのたうち回ってるんだ。
……これでもなお孤独じゃないっていうんなら、何が本当の孤独か教えて欲しいよ」
斗南の背からは高い高い、尖塔のようなオーラが立ちのぼっている。その色は、白だ。
今、斗南が拳を振るったとしたら、このバトルステージごと砕くことができたのではないか。
それほどに強烈で、それほどに悲壮な力が、彼の中に蠢いていた。
やっぱり――斗南は思った。
これだけ客席に人があるというのに、誰一人、こっちを見ようともしない。
直視できないのだ。彼らの言う『孤独』も、僕の域にはまるで届かないから――。
来るんじゃなかった、そんな気がした。
ところが、斗南を見ている人間がいたのである。
それも、彼の正面に。
「すまん。俺、甘かった」
両足を揃え頭を下げたのは、対戦相手の野菜原ユウだった。
「なんていうか、いま俺が何を言っても多分……嘘っぽくなるよな。『よし、今日から俺たち友達だぜ!』なんて言っても、超嘘くさくなるだけだろう。『同情するよ』って言っても、灯は同情が欲しくて言ったわけじゃないだろうから、やっぱおかしい。だけど今から言うのは絶ー対っに嘘じゃないから、とりあえず聞いてくれ」
斗南は何も応えず、ただうなずいた。
「俺はあんたに興味を持った! 大マジでだ」
「興味?」
「俺な、はっきりいってちょっとイタイ子なんで、まあみんな優しいけど、心を開いてくれた人ってあんまいないんだよな。珍獣扱いでもしてくれれば良いほう、当たり障りのない『個性的ですね』なんて表現で敬して遠ざけるのがフツーの反応だ。なんか俺に興味持ってくれてる女子もいるけど、ぶっちゃけよくわかんない。『変な男に恋する自分』に恋してるだけかもしんねーじゃん? つるんでくれるのは嬉しいけどさ、そりゃ」
ところが! とユウは声のトーンを上げた。
「斗南……馴れ馴れしくて悪いが斗南と呼ばせてもらうぞ……あんたはウルトラ直球で心を開いてくれた。あんたの経てきたもの俺ごときがどうこう言えるはずがないから、あんたの過去については何も言わないが、
現在の斗南に俺は、興味がある!
もっと知り合いたいし本音で語り合いたいと思ってる。孤独が好きなんなら、こっそり観察させてもらうだけでもいいけどな」
「……君って、変なやつだな」
「よく言われる」
「あと、めんどくさそうなやつでもある」
「それもよく言われ……いや、言われてない! 俺ってシンプルなんだって! マジで! それでどうだ、この提案!?」
足元にじゃれつく仔猫のようなユウなのである。
仔猫を蹴飛ばすのは簡単だ。
抱き上げるのも、簡単だ。
だがどちらがより面倒だろう。それは、わからない。
「さあね」
とだけ言って斗南は彼に背を向けた。
直後、
「そういやこれ決着着いてなかったな。野菜原ユウ! リングアウト行きます!」
どぼんとユウが、冬の海に飛び込む音が聞こえたので、さすがの斗南も振り向いてしまった。
ユウは、なかなか浮かび上がってこなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月23日
参加申し込みの期限
2016年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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