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七峯亨は上着をボートに脱ぎ捨て上半身裸になった。健康そうな肌の色。背中は広い。
派手に暴れて思いの丈をぶちまけようじゃないの――そんな気持ちの亨なのである。
「で、俺の相手は?」
バトルステージの中央に立ち、軽く屈伸運動を繰り返しながら亨は【R】に問いかけた。
「到着が遅れているようで……おっと、来ました」
【R】の指が示す方向を見て対戦相手を知っても、亨はさほど驚かなかった。
こんな日が来るとわかっていたのだ。
そう、
詠 寛美
と再戦する日が来ると。
寛美は稽古着で姿を見せていた。洗濯を繰り返してクタクタになった稽古着だ。やはりよく日焼けしており、夜のように黒く長い髪を頭の後ろで束ねている。エッジの立ったボウイナイフのような視線は健在だ。粗野な物腰も相変わらず。なのに、はっとするほど端正な顔立ちも、相変わらず。
「よう、よっちゃん」
まるで昨日会ったばかりのような口調で亨は呼びかけるも、
「だからその『よっちゃん』は間違いだろ!」
寛美のほうは噛みつかんばかりの様子である。
その反応は予想できていたので、ははっと笑って亨は肩をすくめた。
「おっと、フリマのときの話だな。その誤解から解いておきたい」
「誤解も国会もあるか!」
あの寛美がこういう諧謔を使うとは思わなかった――という話をするとまた怒るだろうから、そこには触れず亨は告げた。
「ちゃんと考えてつけた愛称だ。可憐に過ぎず男にせずと詠の字から、名を違えちゃいない」
「えっ?」
また怒るかと思いきや、寛美は心底意外そうな顔をした。美人はこういう表情になっても美人なんだな――と亨は思ったがもちろん言わない。
「こないだは、ちゃんと説明する間をくれなかったろ? 人の話は最後まで聞かなくちゃな」
寛美は、いくらかばつの悪そうな表情で亨から視線を外し、しばらく言葉を探しているように黙ったが、やがて、
「早とちりして……悪かった」
ほとんど会釈みたいに軽く頭を下げたのである。礼儀的にはどうあれ、謝る意志だけはあるようだ。拗ねた幼児にどこか似ている。
「俺も前説してから呼ぶべきだったかもな。ま、これで晴れて『よっちゃん』と呼べるようになったわけだ」
「待て」
またも寛美の声が怒色に染まった。
「だからといって、そんな呼び名を許したわけじゃねぇぞ!」
「だったら読み方に敬意を称して『ひろみん』とかにするか? 可愛く『ひろみっち』とか? うん、『ひろみっち』も意外といいな……」
「馬鹿! なら最初のが一番マシだ!」
彼女の髪に意志があったら、きっと今頃寛美は、パーンと爆発したようなヘアスタイルになっていたに違いない。
「よーし、ということで『よっちゃん』決定だな! 言質は取った!」
「うるせぇ! とっとと試合しろ!」
どん、と素足で寛美は、ステージを踏みつけたのである。
「ま、やるこたぁ一つだな」
これがバトル開始の合図となった。
亨の顔から笑みが消えた。からかいながら戦うような失礼をする気はない、また、できる相手でもないだろう。
初手を見るか――その考えはすぐに打ち消した。そんな温(ぬる)い勝負じゃないはずだ。最初から、アクセル全開で行く。
先に動いたのは寛美だ。
来た。正拳。
イメージしていた通りだ。肘で弾く。ばつんっ、と耳を聾す音が鳴った。
金属バットで打たれたよう。弾いた腕が痺れるが、亨はそれを忘れ反射行動のように左脚を振り上げた。
さすが寛美、すぐ反応しガード姿勢になったがこれは亨のフェイント。
真実は彼の右脚にある。
亨は寛美の軸足を右で蹴り抜く。鉞(まさかり)を振り抜いたように気持ちよく入った。そこにとどまらずさらに腰へ喰らわす。怒濤の二段蹴りだ。
寛美が唇を締めた音が聞こえたような気がする。痛みを声にすまいと頑張ったのだろう。彼女らしい。
亨はさらに横腹に追撃を入れようとするも寛美は巧みに防いでいる。
互いに距離を取った。
「恋人の傍にあって尚対に恋敵。隣に咲く俺の萩<はな>を、俺だけの萩にできぬ事!」
息を吸い、吐くと同時に亨は言葉を口にしていた。
迫る。
迫る。
大股に歩みながら言葉を続ける。歌舞伎の見栄のように、予言者の託宣のように。
「容れた異とて、今なお苛む孤独より惨く胸を掻き毟る寂寥は其処に! 此処にィ!」
彼は告げた。心を鎮めるつもりではあったが、やはり後半は声がうわずった。
「そんな色恋の与太を……!」
大会趣旨を理解していないのか、こう切り捨てるやふたたび鷹のように寛美は亨に迫る。
しかし今の亨には彼女が、ひどくゆったりした動きをしているように見えた。
そう、亨のやりきれぬ思いが、孤独の力を呼び覚ましたのである。亨の背から赤黒いオーラが出ていた。
亨は身をかがめ寛美の懐に入った。
投げは寛美の得意技、危険な選択である。これは寛美の間合い、だが、彼女の手が宙を泳ぐのが見えた。
そこからはたったの一呼吸だった。
頭突き、
鳩尾と顎へ膝、
そして逆落とし投げ、
そう、たったの一呼吸のうちに、亨はそのすべてを寛美に浴びせたのだ。これ以上はないほどのカウンターといえるだろう。
「……くっ!」
投げられてもさすがは寛美だ。すぐに間合いを戻し、立ち上がって構えに戻った。
「どうやって俺より……」
ここまで口走ってすぐに彼女は口をつぐんだのである。
190センチという長身の亨と、女性としてはやや高い程度の寛美、身長差は30センチに迫るほどあるいうのに、組み合った瞬間
大きいはずの亨の頭が一瞬、自分より低い位置にあったこと
に思い立ったのだろう。
「種明かしの時間だ。よっちゃんもこの島に住んでわかったろ? 俺には特殊な能力がある。縮身だ」
と言い切って亨は、頭の中で念じたのである。『縮』と。強く。
変化は一瞬、わずか身長1センチほどになって亨は声を上げた。
「これが俺の目一杯だ。試してみるか? 今なら一踏みだぜ」
小さくなるとすべてが巨大に見える。そびえたつ巨大な寛美……彼女はどう出るか。
本当に彼女がつぶしに来ることも亨は予想した。そうなったら、二人きりという時間が来ない我が恋を想って跳ね返そうとも考えていた。
ところが、
「もういい!」
腕組みした寛美は、どんとステージ中央に座り込んだのである。荒っぽくあぐらをかいて、投げ出すように声を張り上げた。
「降参だ!」
「いいのか?」
すぐに元の大きさに復して亨は問うたが、寛美の決意は変わらない。
「構わねぇ! ていうか、投げられた時点で俺は負けていた!」
「なんなら……」
縮身なしで再戦しても、と亨は言いかけたが、寛美は首を振った。
「いや、いい。あんな悲痛なこと聞かされた時点で、もうやり合う気は半分失せちまってた」
「そっか」
「てめーも大変だな。その……リニア銃ってのか、そういうのも楽じゃねぇんだな」
そんなレールガンみたいな話じゃなくて、それを言うなら『リア充』だぜ――よっぽどそう教えようかと思ったが、また彼女を怒らせたり戸惑わさせたりするのは本意ではないので、亨は黙って去ることにした。
次に学校や街で会ったら、今度は『強敵』と書いて『とも』と呼ぶ関係として接したいものだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月23日
参加申し込みの期限
2016年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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