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ザ・レジェンド・オブ・ロンリー・ロンリー・ウルフ(孤狼伝説)
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砕く。
波を、砕く。
白い波を左右に砕いて、ボートの舳先が海を往く。
今朝の冷えは記録的だ。開いた目の眼球ですら、冷凍ゼラチンのようになっているとわかる。
この冬一番のと今朝、お天気お姉さんも言っていたっけ。テレビで。
今はあの、液晶テレビのほの温さですら恋しい。
「寒ッ!」
七枷 陣
は骨まで震えていた。液化窒素を背中から流し込まれたかのよう。口にくわえたシガレットチョコもカチカチだ。
ほんの少し前まで陣は、正しく人間の住まうべき世界にいた。暖房器具と言っても電気ストーブしかない狭い部屋であったが、ここと比べればまるでワイキキビーチである。それが今や、冷凍庫に投げ込まれたような身の上……!
なんでやねん、そんな叫びは、エンジンの唸りと砕ける波飛沫によってかき消されている。それでも陣は叫んだ。
なんでやねん、マジ、なんでやねん! ……と。
あの日、謎の人物【R】からきた不愉快な手紙、陣の言葉で言い換えるなら「ありえへんやろこれ!」な闇の格闘大会招待状は、読むなり丸めてゴミ箱に投げ込んだはずだ。それっきり忘れていた。先週水曜日の朝食メニューよりも無意味な情報として。
けれど今朝、まだ暗いうちに鳴ったドアホンに目覚めた陣は、謎の黒服男たちからうやうやしくも有無を言わせぬ様子で拉致され、冬の海往く小舟に乗せられてしまったのだった。
クルーズのお供はそんな、色気のかけらもない男の一人である。麻雀漫画に出てきそうな黒服黒眼鏡角刈りで、口を真一文字に結んだままボートを操作していた。
このとき唐突に黒服が、ドキュメンタリー番組のナレーション調で告げた。
「あれがネオ巌流島です」
海の彼方、男が指さす方向に小さな島が見えている。ゴツゴツとした岩場が目立ち、木の姿は見当たらない。全般的にパウンドケーキみたく平らで、吹きすさぶ海風から身を隠す場所を期待しても無駄のようである。
それにしても『ネオ巌流島』とは……その名称だけでもどうにかならなかったのか。
「本日あの島で、第一回『寝子島狼杯★闇格闘大会』が開催される運びになっております」
「あの……」
「なんでございましょう」
「記号の星マーク(★)を『くろぼし』って発音する人初めて見た」
「恐縮です」
それきり黒服黒眼鏡角刈り長身は再度の沈黙に入った。陣としてももう、この人物に話すことは何もない。抗議や『人違いでは?』アピールもしない。そんなものはもうこの数十分で、さんざっぱらやってきたのだから。一言で言うと、諦めた。
――無法地帯か寝子島は……こんな危ないやつをのさばらしとるなんて……役に立たねーな官憲……無能か!
そんなことを思うのみだ。
島が近づくにつれ、陣が乗るのと同様のボートが数隻、集まってくるのに気がついた。
いずれにも黒服の姿が見えるが、他にも乗船客があるようだ。
ある者は陣同様、不安げな目で海原と島とを見つめ、またある者は澄んだ表情で海風を浴びている。
なんと腕組みしたまま眠っている者もあるではないか。不敵な笑みを陣に向けてくる姿もあった。格闘大会というシチュエーションに血をたぎらせているのだろうか。
尾鎌 蛇那伊
はまさにその不敵な笑みを浮かべたまま、ひらりとネオ巌流島に降り立った。
謎の島と呼ぶにふさわしい小島だ。あっという間に一周できそうな広さしかなく、目立つ建造物といえば島の総面積の半分を占める円形のステージしかない。ステージといっても飾り気のない直径10メートル前後の正円で、タイルのようにマス目が引かれている。ステージの全周は海だった。
「あれがバトルステージというわけね?」
美しき蛭のごとき真っ赤な唇で、蛇那伊は黒服に問いかける。黒服は深くうなずいて、
「左様にございます」
「『巌流島特設リング』といったところかしら」
「左様にございます」
どの言葉にもいちいち丁寧に応じるところが面白い。蛇那伊はくっくと喉の奥で笑った。
いま、蛇那伊が履いているのはブーツ、といっても膝まである防寒用ではなく、コンバットブーツを模して作られた丈夫で軽量のブーツである。当然、滑り止めも申し分ない。動きやすい……つまり、闘いやすいブーツであった。
そのブーツの爪先で、蛇那伊は岩場をこつこつと叩く。この岩ほどではなくとも、きっとステージもガチガチに固いことだろう。マットはもちろんロープすらない。そんな野ざらしのような場所でこれから、血湧き肉躍り骨砕ける格闘大会が開かれるというのだ。楽しみでないはずがない。
素のファイトであれば負ける気のしない蛇那伊だが、この闘いには不思議な力が働くと聞いている。
――孤独であればあるほど強くなるバトル、ねぇ。
はったりとは思えない。それほどには、蛇那伊は寝子島の超常現象を経験してきた。
だからといって奇妙な印象は、やはり拭えないのである。
制限やギミック付きのデスマッチにも蛇那伊は経験があるが、こういったメンタル面に関わってくるバトルというのは知らない。
だが蛇那伊とて策は練っている。どんなステージであれ最善を尽くす、それが尾鎌蛇那伊という漢(おとこ)なのである。
策が吉と出るか凶と出るか、それは戦(や)ってみるまで判るまい……!
七峯 亨
を乗せたボートもようやく岸に着いた。着いたところで状況はよくならない。
避けるもののない状態で受ける海風の厳しさを亨は知った。
寒い。首をすくめてダウンジャケットに埋めてもなお寒い。睫毛あたりから徐々に凍ってきそうな気がする。
――にしてもこれ、やっぱ本当だったのか。
亨は軽くジャンプして上陸すると、ダウンジャケットの胸ポケットを探った。
そうして取り出したのである。例の招待状を。
送り主は【R】とある。『ロンリー』の綴りは『
L
onely』だからきっと、「さびしい者」の頭文字ではないだろう。とすると名前はロブか龍馬か、はたまたロックンロールか。
いずれにせその【R】氏からの手紙は、亨にはまったくもって理解できないものだった。
「残念ながらあなたが、この悪魔的な二分法に従えば不適合者(ルーザー)の側であるという情報を我々はキャッチしています。」
特にひっかかるのがこの一文だ。
――何を間違ったら相手のいる俺に……?
自分はいわゆる『リア充』の側にいるという自覚が亨にはある。すなわち、付き合っている彼女がいるのだ。
とすればこの【R】とやらの二分法、恋愛資本主義だのなんだのの雑っぽい分け方であれば、亨に招待状を受け取る資格はないはずである。送られてくることからして間違いすぎるではないか。
だが彼女との関係は、普通のリア充たちのような甘い甘い恋愛デイズというのとは、かなり違うという自覚も亨にはあった。
最近の細々とした日常を思いだすだけでも、そこには管弦楽団に津軽三味線を持ち込むような違和感が常に流れていたように思うし、ハロウィンのときのあのお預けっぷりにしても、どうも『恋の駆け引き』というスウィート・ロードからは大幅に脱輪していたとしか考えられない。
なぜなら現在、亨が陥っている状態は三角関係だからだ。それも、恋人を巡って男二人で付き合うことを了承したという奇妙な三角関係なのである。ストレンジトライアングル、あるいはストレンジデルタとでも呼べばいい状態だろうか……。
このとき冷たい一陣の風が、鋭いナイフのように亨の頬をかすめた。
つまりこういうことか、突然彼は悟ったのである。脳が目覚めたように思う。
ストレンジデルタに甘んじるもまた、敗北、そういうことだな――。
主催者【R】はそこまで知った上で亨を誘ってきたというのか。
だとしたら――。
血が沸騰し脳が頭蓋の中でふくれあがり、真っ赤なものが肺の中で燃えているように感じる。
――だとしたら、上等じゃないか。
我知らず見せた亨の唇の端、そこから見せた歯が牙のように鈍く光った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月23日
参加申し込みの期限
2016年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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