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ザ・レジェンド・オブ・ロンリー・ロンリー・ウルフ(孤狼伝説)
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佐藤英二と七枷陣が向かい合う。
「はは……よろしく」
「あ、どうも」
英二は照れ笑いしており、陣のほうも、釣られておずおずと笑った。
さっきの一戦と比べると、こちらはのどかな光景とすら言えるんじゃないか、互いにそんな気がしている。
ベンチコートを脱いだ英二も、Tシャツ一枚になった陣も、たちまち寒さを思いだして震えていた。
「ほんとにこんな寒いところで戦ったりするのかな……?」
ガチガチと歯を鳴らしながら陣はつぶやいた。これは呼びかけたのではなかったのだが、英二は応じた。
「ええ、でも、運動すればあったかくなるかと」
英二もしきりと腕を擦っている。話しかけられたようなので陣としては応じざるを得ない。おずおずと切り出す。
「運動……得意なの?」
「いえあんまり……。体力使うのってカラオケくらいで」
「……どんなの歌うの?」
「ああ、まあ、普通に流行ってる曲とか……」
お互い雄弁なほうではない。男子高校生のぎこちない会話的な展開、であるが、ここは闇の力働く狼たちの格闘大会なのだ。ステージがもたらす謎の力が、英二をついカミングアウトさせていた。
「ごめん! 本当のことを言うと、歌うのは
アニソンばっかりなんだ!
」
止まらない。堰を切ったように言葉が続く。
「しかも
濃いやつ! 昔の特撮のキャラソンとか
かなり濃いやつ!
」
どーん! このとき突然、赤いオーラが英二の背中から吹き上がったのだ。焔のごとく。
「うおっまぶしっ!」
実際には眩しいものは何もないはずなのだが陣は思わず目を覆った。陣の目にも赤いオーラははっきりと映っている。
「級友たちと行くと趣味丸だしの歌は歌えないから、
僕のカラオケはヒトカラ頻度が9割くらいなんだ!
」
普段英二はこんなことを叫ばない。なのにいくらでも言葉が出てくる。
「ヒトカラでは、目立たないよう音もなくさっと入店退出するようにするのが結構きついんだ! 楽しそうな集団とすれちがうときは特に!」
この闘いは孤独の力を競い合うものだという。だとすれば英二の発言は相当なものだ。
高まる孤独の力(LP)が奇跡を起こした。すなわち、赤いオーラが英二の手元に集積して実体化したのである。その手にはスリングショットが握られていた。
「あと、ヒトカラ時はドリンクが運ばれてくる瞬間がかなり心苦しい! 慣れてきたけど!」
声を上げながら英二は夢中でスリングショットを引いた。オーラ気弾をどんどん放つ。
「うわマジか!?」
陣は泡を食ってこれを避けた。気弾はぱんぱん破裂している。当たったら結構痛そうだ。
なにあの人恐い。もう泣きそう。逃げたい。しかしこのとき陣は同時に、むくむくと闘争心が芽生えてくるのも感じていた。叫ぶように言い返す。
「ヒトカラがなんだ! 僕なんか
コミュ障の半引きこもりだ!
」
陣の眼前にオーラのバリアが出現した。やはり色は赤。英二の弾は命中するもバリアの前に砕け散る。
「僕だって好き好んで独りでいるわけじゃないよ。そもそもの原因はとーさんとかーさんのせいだし……! 転勤で関東へ引っ越してからが暗黒時代の幕開けだった。関西弁でしゃべった途端に渾名は『大阪』で確定され、それが元で小、中学はいじめ一歩手前にまで発展したからこんな有様なわけ!」
このバリアは障壁にとどまらない。表面からむくむくと氷柱のような突起物が出現したではないか。それも無数に。
「なーにが『小っちゃい頃は陣も明るくて活発な子やったのに、なんでこうなってもたんやろな』だロリBBA!」
突起物はミサイルと化して飛んだ。
「そりゃあんたらは大人で仕事や近所付き合いは上手いこと立ち回れるだろうさ!」
陣は……涙目だ。
「でもこっちは当時下らねーことでも茶々入れるのがデフォなガキんちょだったの! 一度からかうレッテル貼られたら思春期時代終了なの! 察しろよ! 分かれよ! あーぱー父母がぁ!」
けれど攻撃は容赦ない。英二に向かって無慈悲に降り注ぐ。
「心が……心が痛い!」
しかし英二も普段の英二ではないのだ。早回しのような速度でスリングショットを引いてはミサイルを撃墜していく。
陣は目を真っ赤にしながら後退している。どんどん絶望の淵に向かうようにして海へと近づいてく。だが反比例して攻撃は激しさを増し、ミサイルの数は増え続けるのだった。
歓声とともにうめき声もわき起こる。二人の恐ろしい会話はマイクによって拾われており、伝わる心の痛みを観客も共有しているのだ。辛い……聞いてるだけで、辛い。でもロリBBAって何?
――彼に比べたら僕は……。
たしかに英二だって孤独だ。カラオケについては言ったとおりであり、クリスマスの予定はバイトがあるだけであり、年齢イコール恋人いない歴であるものの、そういうのはほとんど異国の風習のような感覚である。
といっても英二には、ガールフレンドならぬ『ガールなフレンド』だったらいるような気が……する。
なんだかんだいって彼女(※ガールフレンドという意味ではなく『she』)とは気をおけず会話ができるし、今日のことだって、いつか会ったときに話せるだろう。
――勝てないな。
直観的に英二は悟った。けれど勝負は勝負だ。
「その壁が崩せないのなら直接……!」
ミサイルの雨をかいくぐって英二は陣に突進した。今や陣はリングの縁にいる。リングアウトにさせてすべてを終わらせよう。
けれどそれこそが陣の狙いだった。
英二の手が陣に触れかけたその瞬間、
「その程度の孤独自慢で……」
陣の姿が消えた。
「調子こいてんじゃねーぞコラァ!」
次の瞬間には陣の姿は英二の背後に回っている。力は必要ない。軽く押せば十分。
これが七枷陣流、暗黒地獄極楽落としである。
水しぶきが上がった。
勝利と同時に、煮えたぎるような感情は陣の心から消えていた。気恥ずかしさを感じつつ、
「大丈夫、か? ごめん、ちょっと、言い過ぎたかも……」
と手を英二に差し出す。
「ははは、それはお互い様」
英二はさっぱりした表情で陣の手を取った。彼女に……
野々 ののこ
に、この顛末を含めいい土産話ができたと思う。
こんな勝利でロンリネスト・ウルフだかなんだかに輝くのはイヤだが――陣は思った――もし選ばれたとしたら、
あのとき
の少女がその後どうなったか、知りたい……気がする。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月23日
参加申し込みの期限
2016年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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