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ザ・レジェンド・オブ・ロンリー・ロンリー・ウルフ(孤狼伝説)
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「シダ美穂戸」
名前が呼ばれると、シダは飛び上がって応えた。
「シンチャオ シダだ」
デモンストレーションとして空中に、ぱぱっと二段蹴りを放つ。客席から声援が飛んだ。
城山水樹のほうは軽く手を上げただけだ。けれどもシダが得たのと同等の声援を浴びている。
二人の表情は対照的である。シダは満面の笑顔、けれども水樹は気怠げで、どんよりしたマイナスのオーラがゆらーりと立ちのぼっている。これは比喩表現ではなく本当に。ちなみにオーラの色は灰色だ。
「冬よね」
開始合図の直後、ぽつりと水樹がつぶやいた。
「おまけに吹雪。今の私の気分にぴったり……」
マイナスオーラがどんどん濃くなる。バトルステージの怪しい力は、間違いなく彼女にも作用している。本来は前向きな水樹なのだが、この場では違った。
「恋愛資本主義、って言うじゃない? 今だから言えるけど、私はその勝ち組。去年のクリスマスは六本木ヒルズで過ごした。展望台から夜景を見たり、ショッピングや食事をしたりして、ヒルズの中の高級ホテルで一泊して、聖夜ならぬ性夜……げふんげふん。とても幸せだった」
ここで客席からは激しいブーイングが鳴らされた。やはりここに集まった客たちは、いずれも孤狼たちのようだ。
この空気は計算済み、水樹はまるで動じず、一喝する。
「
けれどそれも、今年の夏までの話!
ええ! 終わりましたとも! 二股されてましたとも! 楽しみにしていたネコミュージックフェスティバルの前夜、一戦終えたところで元彼がぽつりと口に出してしまったの! 自分でない女の名前を……!」
ブーイングは瞬時にして収まり、会場は水を打ったように静まりかえった。
「……大学の友人もモデル仲間も今年の年末年始のスケジュールは彼と過ごすとかなんとか散々聞かされて、表面は笑ってテキトーに流してたけど、その都度凹んで悶絶して五寸釘を打って呪ってやった。ええ、
初めて『リア充爆発しろ!』って叫びたくなる気持ちがわかったわ!
」
すると今度は、会場は拍手喝采に満ちたのである。温かい、本当に温かい拍手だ。生まれたばかりの子鹿が、2時間の奮闘の上立ち上がったのを見たかのように。鼻水をすすって泣いている客まであるではないか。
水樹が味方にしたのは会場だけではない。いまや水樹の背中から上には、黒雲のようなオーラが形成されていた。
「そんなあなたはどうなの!?」
「シダか?」
急に発言を求められ目を白黒させつつも、シダは水樹がうなずくのを確認した。
「恋人? グオイイェウ いない シダ
クリスマス? ガイノーエン 予定ある
ボビナムトーナメント さびしくない」
ふん、と鼻息して、小さく付け足す。
「コン つよがりちがう」
どうも恋人どうこうの話をしなければいけない気になって、シダはいくらか早口になって続けた。
「奈良いったら シダ もてもてだぞ もてた
シカせんべい ンゴーン おいしかったな またたべたい シダ
コン うそちがう もてる シダ」
そのあどけない口調が春風のように、会場の微笑をさそった。ブーイングしたり熱い拍手を送ったり和んだり……忙しい孤狼たちである。
「ヴァン 人間 恋人ほしい 少しは思う シダ
すこしだぞ ちょっとだけ ほしい」
ここで空咳して、さて、と彼女は構えたのである。
「コン それはいい 戦おう
シダ ボビナムでいく」
と言ってシダは右手を開いて額の上に、左手もやはり開いて下方に、腰を落とし、構える。
「ボビナム?」
水樹は怪訝な顔をした。
「ボビナム しらないか? ベトナム格闘技」
「聞いたことない」
シダはその反応には慣れている。最近では認知度が高まってきたとはいえ、日本ではまだマイナーな格闘技なのだ。だったら知ってもらうまでだ。
「型みせようか 見ろ コン 型大事」
水樹に下がるよう指示して、一礼するとシダは演舞を開始したのである。
ドン(突き)、ダッ(蹴り)、チェム(手刀)、鋭く機敏それでいて華麗な流れるような動きを繰り出す。全体的にスピード感があり、一つの動きが終わらないうちにもう次の動作が始まっている。とりわけ美しいのは蹴り技だ。多様かつアクロバティックで、シダの明るい髪色もあって、まるで花が咲いたかのようになる。
たちまち水樹を含め観衆は目を奪われ、大きな動きが出るたびにドッと沸き立った。
一礼して、終了。
「実戦 やくたたない 思うかもしれない
コン それ 大きな間違い
大きな動作なの 基本だからだ
実戦時 自分 動きに おきかえる
そうすると 早く 重くなる」
「イメージトレーニングが大切というわけね」
「ヴァン その通り では シダの力 見せよう
型どおりとこ 省略したとこ 流れ 逆にしたとこ
ここだわかるようなれ もっと 強くなれるぞ なれ」
「強くなる……そうね、今の私には強さが必要ね。……こんな風に!」
水樹は格闘技の素人だ。ほとんど棒立ちの姿勢から出してきたパンチは、シダであれば簡単に回避できる程度のものだった……はずである。しかしそれは真っ黒のオーラを得て目にも止まらぬ一撃となり、早いだけではなく強烈、シダを激しく打ち据えた。とっさにガードしたからよかったものの、それでもシダは大きくよろめいたのである。
「やるな それでこそ やりがいある」
シダは大きな蹴りで水樹の延髄を狙った。これも普段なら一撃で彼女を行動不能にしたことだろう。しかし、
「負けない!」
水樹は機敏にこれを回避した。転がって距離を取り立ち上がる。本能的にとった構えだろうが、その姿勢は猫を彷彿とさせるものだった。
しかも避けるにとどまらない。水樹は逆襲する。急迫して、
「どいつもこいつもクリスマスだからって盛りのついた猫みたいに発情して交尾することしか考えてないのかッッッッッ!!!」
野獣が飛びかかるような一撃を繰り出したのだ。これも強烈! 肘を使って防ぐも、衝撃はガードの上から打ち抜かれてシダも思わず声を上げた。
けれどシダにはやはり太陽のような笑顔があった。ならばシダも奥の手を使うまでだ。
「この世に愛なんてない。あるのは打算と刹那の快楽だけ。そんなものに振りまわされるリア充どもって本当に哀れね!」
またも咆哮を上げ水樹が飛来する。鋭い一撃が走った。まさに狼だ。
「この戦い ろっこんありか ブイブイ おもしろい」
チアントイ、そう叫んだ直後シダは消え、サオラという鹿に似た動物へと変化していた。これで俊敏さは倍増する。シダは跳躍して水樹をかわすと、そのしなやかな脚で後方へ蹴りを放ったのである。
「リア充め!」
水樹はこれをまともに浴びた。受け身を取れず背中から闘技場に倒れた。
「シダ リア充 違う」
「私だって違う!」
飛び起きた水樹は、シダがサオラになったことにも動じず嵐のように拳をふるった。
「クリスマス、年末、バレンタイン、冬は呪いのシーズンよおおお!!!!」
「シダ ダダ ダダda!!」
まったく会話が噛み合っていない! だが二人の会話は言葉ではなく闘気のやりとりなのだ。サオラの角と水樹の爪、サオラの蹴りと水樹の前蹴り、駆け引き一切なしの激しい攻防が展開した。観客たちも怒涛の盛り上がりだ。
いつまでも続くかと思われた打ち合いが唐突に終わった。
水樹が膝を追って地面に両手をついたのだ。体力が切れたようだ。
「……降参」
「カムオン 楽しかった」
シダは人間の姿に復し、水樹に手を伸ばす。
「ミズキ 楽しかったか?」
「そうね」
シダの手を掴んだとき、水樹は笑顔に服していたのである。
「結構楽しかったかも。言いたいこといっぱい言えたし」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月23日
参加申し込みの期限
2016年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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