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粉雪が舞い始めている。
「新江天懸選手そして尾鎌蛇那伊選手、前へッ!」
東西から別々の小舟に乗って、リング上に天懸と蛇那伊が上がった。互いに身長180センチ越えの偉丈夫、映える顔合わせである。
「ったく、観客がたくさん集まってやがる……見世物じゃねーんだぞ」
なんかすげー勝ちたくない気がする、と天懸はつぶやいた。けどよ、と続けて、
「おい主催者とやら、優勝したら願いが叶うってのは、マジだろうな?」
「チェルト! もちろんです! ちなみに何を願いますか?」
覆面の下にある【R】の目が、一瞬きらりと光ったように見えた。するとたちまち天懸は相好を崩したのである。ぐいと彼のマイクを奪うようにして、世界中に届けとばかりに声を張り上げた。
「勿論景品は美女な!」
会場がどよめいた。しかし天懸がその声を届かせたかったのは、実のところたった一人であるということは、本人以外誰も知らない。
――もしかしたら誰かがこの光景を見ているかもしれねぇ。
これだけ観客がいるのである。あるいは、と思わないでもない。覚悟を決めてやるとしよう。
一方で蛇那伊は、天懸に向かい合っていなかった。彼に背を向けリングの端で、潮風を受け続けていたのである。
最初は天懸に集まっていた観客の視線が、やがて蛇那伊に向かい始めた。
蛇那伊は沈黙を続けていた。天懸を含む会場中の目が自分に集まること、それを待つかのように。
そして天懸が起こした熱が鎮まる頃、おもむろに蛇那伊は口を開いたのだ。
「この尾鎌、自慢じゃないけど美丈夫として男女問わずに頼りにされてるわ……」
独り言、されどもそれは、聞かれることを前提とした声量である。
「だけど、頼られる所から恋愛に発展する事今だ無し。男心も女心も分かるからどっちからも気軽に相談が来るわ」
自嘲気味に蛇那伊の口元は歪んだ。
「だけど、そこからアタシに恋愛感情を向けてくれる子は一切いないの!」
青白い光、オーラとも呼べそうなものがうっすらと立ちのぼった。蛇那伊の背中から空に向かって伸びている。
「全員、他の子を好きになってアタシはその想いを成就させる為のお手伝いをお願いされるの!」
最初、線香の煙くらいだった青白い光は、すぐに太い光の束となり、やがて、
「他人のリア充化を手助けして、自分はリア充になれない……この苦しみ、分かる?!」
逆流する滝のごとくあふれ出す。これが、このバトルステージに働くという『孤独の力(LP)』なのだ。
くるっと振り向いた蛇那伊は、青い光の放出装置のようになって中央へ進んだ。
「たまには発散しないとリア充達を殲滅しちゃいそうになるのよ!」
蛇那伊の足が止まる。
「な・の・で」
ぴしゃりと天懸を指さす。
天懸は気圧されたか、我知らず数歩後じさった。
「貴方でYATUATARIしちゃうわよ!」
たちまち爆発的な歓声が蛇那伊を包み込んだ。魅せるパフォーマンスではないか。
「ファイト!」
ぱっと【R】が飛びすさった。このまま試合開始だ。
「ちっ、覚悟は決めてる!」
圧されっぱなしで終わる天懸ではない。怒声を上げ突進した。本格的な格闘の経験はないものの、ストリートファイトの場数は踏んでいる。彼は本能的に風上に回っていた。
そして繰り出すのである、拳を。
一発ではない。息継ぎせず次々と放つ。
最初、蛇那伊は構えらしい構えをしなかった。しかしすぐさま天懸に反応し、やわらかに拳を受け流したのだ。決して衝突しない。それどころか受け止めすらしない。どの攻撃も逸らして捌く。
「全然効かねぇ!?」
攻撃しているのはずっと天懸だ。形の上では圧しているように見える。けれども実際は、場を支配しているのは蛇那伊だった。
クソッ、と声を上げて天懸は飛びすさった。肩で息をしている。
それとは対照的に蛇那伊は静かにたたずんでいた。笑みすら浮かべて。
「なにをやりやがった!?」
「化勁(かけい)よ」
「かけい?」
「中国拳法の技法の一つ。簡単に言ってしまえば力の向きの操作技術ね。あなたの攻撃はすべて、地面や空中に逃がしてダメージをゼロにしたってわけ。化勁は、太極拳では特に重要視されているのよ」
「太極拳ってじいさんばあさんが早朝にやってるアレかよ。ったくわけわかんね?!」
「そう。早朝のおじいさんおばあさんは侮れないわよ」
蛇那伊は意味深に笑むのだ。青白いオーラのせいもあるが、その笑みは凄みがあった。
「手数ばかり多くても、化勁を使いこなす相手には届かないわ」
「手数ばかり……」
蛇那伊は何気なく発したにすぎないが、天懸には痛い一言であった。
「この大会に呼ばれたわけは、俺のナンパの成功率がぶっちゃけ低すぎるせいだと思ってる。スキルはあるはずなんだ。見た目だっていいと思う……やっぱりパワーが足りないのか?」
「あら、気の毒」
蛇那伊は軽く済ませようとしたものの、このバトルステージが作用しているのか、天懸の心に吹く寒風は収まらない。
「そういや俺ん家クリスマスどころか、12月生まれの俺の誕生日すら祝ってくれなかったし……そう考えると昔からぼっちなんだよな」
普段、天懸はここまでネガティブにならない。それがつい告白してしまう。やはりこの空間には魔物がいるのだろうか。
「あんたは人望があるそうだが、俺はそれどころじゃない……そうさ、ずっと一人……!」
「なっ」
初めて蛇那伊が動揺を見せた。天懸は気付いているのだろうか、いま、彼の身長に倍するような巨大な青い『気』が、みずからの背から立ちのぼっているということを。
「だったら本気でやろーじゃねぇか!」
ブチッと音を立てて天懸は右耳のピアスをちぎり取った。流れる血を右手指先で擦ると、ふたたび彼は拳を振るった。
「!」
蛇那伊は目を細める。見間違いではない。天懸の繰り出す拳には同時に、ガラスの砕片が混じっているではないか。天懸が触れると同時に雪がガラスに変化しているのだ。蛇那伊は風下、しかも運の悪いことに雪まじりの風は強さを増している!
「そうこなくっちゃね!」
こうなると化勁で受け流すのも楽ではない。なにより天懸の一撃が、一気に重く、速くなったのだ。パンチで生まれる風が唸りを上げジェット気流のような音が耳を聾する。ほぼ不動だった蛇那伊も足を使わざるを得なくなった。だんだんと後退していく。
「どうした! カケイか家計簿だか知らねぇが、そうやって下がるだけか!?」
このときついに、天懸の拳が蛇那伊の腹部を打った。サンドバッグに拳がめり込んだような音がして蛇那伊の体が大きく飛んだ。地面に尻餅をつき倒れる。そのまま蛇那伊は……起き上がらない。
会場は総立ちだ。おおっ、と歓声が沸き立った。
「ワン! ツー! スリー!」
【R】がカウントを開始した。天懸にも笑みが浮かぶ。
だがこのとき、
「ちょっと、いいのもらっちゃったわね」
むくりと蛇那伊は起き上がると、片手を挙げてカウントを止めたのである。
「けど、とっさに飛んで威力は逃がしたわ。まだやれる」
両手がひりひりする。ガラスの破片で随分と手傷を負った。しかし蛇那伊は実際、その言葉通りの状態だった。蛇那伊は自分から天懸に向かい駆け出した。
「なら、もっといいのを喰らわせてやらあ」
天懸は左でいくと見せかけて右のストレートパンチを放った。
蛇那伊が肩に攻撃を受けた。拳がめり込む。
けれどそれは見せかけ。やはり化勁である。蛇那伊は受けた運動エネルギーを肩から脚に落とすと、その反動を脚から腰、腕、と昇らせ拳を突き出す。天懸に浴びせる直前、握った手を開いてこれを掌底に変えたのだ。殴りつけることが目的ではない。
突風のような一撃が天懸の頬を直撃した。
ふわっと天懸の体が浮いた。発泡スチロールでできた体のように軽く。
「圧倒してあげるわ!」
その襟首をつかむと蛇那伊は天懸を、背負い投げの要領で大きく投げ飛ばしたのである。
固い床に叩きつけはしなかった。蛇那伊は彼を、場外の海へ飛ばしたのだった。
水柱が上がったとき、ようやく観客は勝負がついたのだと理解した。そしてわっと歓声を上げたのである。
氷水よりなお冷たい水温だが、天懸は立ち泳ぎして、濡れてぺたっと額に張り付いた髪をかきあげ息を吐いた。
「おーい誰かー俺の手当てをー」
という彼の顔は、どこか手当を期待してワクワクしているように見えた。
白衣の天使でも訪れるかと思いきや、『救護班』と書いた腕章をはめた黒服部隊が天懸を救出していた。いかつい天使たちもあったものである。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
コメディ
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月23日
参加申し込みの期限
2016年01月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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