祈りの家を隠すように、又は縛るように
白を纏った野薔薇が生い繁る。
入り口付近の外壁には薄汚れた小さなプレートが嵌め込まれており
「九夜山勿忘草教会」という文字が刻まれているのが確認出来る。
この教会の正式名称らしい。
ん?
(自分の名を呼ばれて少女の顔を見、
泣き止んでいるのを確認する。
そして頬が染まり、視線をさまよわせはじめたその姿に微笑みを浮かべる)
どうかしたかい?お嬢さん。
(少し意地の悪いような、そんな声音を少しにじませながら、
楽しげに少女の頭を撫でようとする)