酷く荒れ果てた礼拝堂。
争いの跡が色濃く残されており
床には割れたステンドグラスの破片が散乱している。
教壇の下には隠し扉があり
そこから地下室へと降りられる様だ。
中央にぽつりと佇む薄汚れた天使像は
どこか泣いている様にも見える…。
私も詳しい事情はよく知らないけど…。
猫は今の世界を守りたくて、カラスは壊してしまいたいみたい。
カラスは自分の願い事をなにもかも全部叶えたい。
だから、それが叶わないこの世界を壊して
それが叶う世界に作り変えようとしてる。
猫はそれが許せない。
だから二人は喧嘩をしてるの。
他の人も…私たちのことも、巻き込んで。
これが本心なのかどうかは、私にもわからないわ。
私の心は矛盾ばかりで、何が嘘で本当なのかが曖昧なの。
ただ一つ確かなのは、私はたった一人の人のことがとても好きで
その人に執着しているという事だけ。
バレンタインデーか…。
その日に会えるといいけれど。
私の大切な人は忙しい人で、この島に中々帰ってこられないの。
だから、最近あまり会えていなくて。
(寂しげに微笑んで天使像を見上げる
貴方の目的、恋に落ちることに似ているのだっけ…。
貴方の目的は復讐?