扉には、なぜかところどころ焦げて黒ずんでいるため、とても見にくいものの、
落ち着いて、じっと目を凝らせば『獅子島』と判読できる、桜木でこしらえられた表札が。
たまたま見落とされやすい場所なのか、気に留める人はあまり多くもないけれど。
5階の、中途半端などこかにある、そんな部屋。
中の基本構造や間取りは、標準的な他の部屋とほとんど同じ。
だけど、内装や家財、水回りなどの洋式設備さえも、和の一色で染められていて。
飾り気は控えめながら、どことなく小洒落た、それでいて温もりのある佇まい。
そのわりに生活感が薄く余所余所しいのは、きっと…長いあいだ、誰も居なかったから。
白檀と、木と、藺草と、桜花の混ざったような匂いが絶えず。でも、ほのかに。
うっかりすると、女当主が執り仕切る、旧家の本邸かナニカと錯覚しかねない。
…なんて。今時の若い子には分かりにくいたとえを思い浮かべてしまいそうな、異次元。
こんなところで、あのフーテン女が1年以上暮らしてただなんて、誰が信じるだろう。
--------------------------------------------------------
獅子島市子の個人部屋トピックです。
原則、市子の【入室】から【退室】までの間のみ、どなたでも応対します。
ただし、中にお通しするかどうかは、そのときどきの会話の展開と…気分次第です。
※リアクションまたはコミュニティのRPにおいて『市子の連絡先を知った』方や
ともだち設定で『相互に★3個』以上の方は、不在時も呼びつけることが可能とします。
当分の間、留守にします。
御用の方はコンシェルジュまでお伝えください。
獅子島市子
……………。寝てたし。あーーーーーあ(伸び)ボチボチ…行かねーとか。
(器を片付けて、菓子類は包んでズタ袋に放り込み。
どたばたと足早に歩き回って、家財道具に布をかぶせ、窓を施錠)
…ヨシ。こんなモンだろ。(ぱんぱんと手を払って)
ったく。せっかく掃除したっつーのに忙しねーこって。まー…しゃーねーか。
(ズタ袋を背負って玄関へ。ドアを開けて、振り向いて。無人の室内へ)
いってきます。
(バタン)
あの猫、きっと『ナニカ問題が起こった。チッ、ののこさえポカしなけりゃ即片がつくのに。しかたねーから、散っちまった神魂持ちの人間使うか』位にしか思ってませんよ(酷い事を真顔で言いつつ)
(転がる相手を正座をしたまま見つめつつ)
ふと『ののこさんと鴉が居なくなれば』解決する?とも思いました。ですが、それには私には必要な頭もひとも足りなさ過ぎる。
本当は目的の為には、『しないといけない』んだけれども、それをよしとする人なんて居る訳がない。
それなら、鴉に泣いて謝って使われる身になった方が早そうです。……つまりは、私の行動は、早々にして、詰んでいるんです。
きっと、多数の人の手によって昔と同じようにののこさんと猫は天上人に戻るのだと思います。
……そして、そこにもれいびはいなくなる。
きっと──それが、『世界の』ハッピーエンドだって事は、私にだって分かっているんです。その為の手段を──犠牲が出るかもしれない危ないところなのに、
出しやがらない猫と世界に。ただただ無性に腹が立つだけで。
(正座をといて寛ぎながら)
えっ?カミサマなんて憑いてませんよっ?私はいたって通常運行ですっ(汗)
(うろたえながらも笑って、立ち上がって)
それでは、お姉さんっ!お世話になりましたっ!お姉さんには良い風が吹きますように!
(立ち上がって両手に荷物を持って、ぺこりとお辞儀。やはり名残惜しそうに色々部屋内を見て回りながら退出)
…昔、何があったのかは知る由もありません。
けれど、茉菜さんの望んだそれを、テオは実行したのでは…と思います。
そのことが後世…私達の時代に、このような禍根を残す結果となってしまった。
ですから、これは私の所見ですが…テオも、同じ想いを抱えているのではありませんか。
「邪魔なのは自分だけ」
いや。「自分こそ邪魔者扱いされるべき」と、言い換えるべきかしら…。
だからこそ、もれいびを振り回すように「見せかけて」手遅れになる前に召集し、
無責任を「装って」自らは教唆せず、私達に判断と解決を、委ねているのです。
そうすることで、人は人の知恵と力をもって人の世界を守ることを知り、
同時に神…自分が憎まれ役になれば、やがては排除されると考えたのでしょうね。
茉菜さんのような「人の意思」によって――。
その意味では、クローネや彼女が巻き起こす事件も、テオに利用されています。
あの鴉は、極端に力が大きいことを除けば、悪事を働くもれいびと…何も変わらない。
たったそれだけの、あわれな存在だもの。
あくまで私が認識を違えていなければの…話ですけど。
どちらにしろ、テオのやり方が、あまり褒められたものではないのは、確かです。
…揺さぶるようなことを言ってごめんなさい。
あなたの決意なんて、最初から分かりきっているし、止めるつもりもありません。
だって、そんな神の世界なら、大嘘つきに決まっていますから(くす)
はい。お粗末さまで御座いましっ…!(辞儀を返そうとして…どしゃりと倒れ込み)
……………あーあ(ごろんと仰向けになり、深い溜め息をつく)
シリに火ー着いたモン同士どーにかなんねーかなって思ったんだけど…甘かったか。
やっぱね。どだいムリだわ。正座すんのも。拝み屋も。大体憑いてんの神サンだし。
婆サマの猿真似しか芸のねー馬鹿の一つ覚えがンな大物落とせるかっつーの。なあ。
やってらんねーよな。ホント。…やってらんね。
…でも。マナさ。
どーにも…なんねーか。やっぱ(何をとは言わないで。寝転んだまま。マナの顔を見上げて)
(静かに目を伏せて、ぽつりと)
どちらの世界にも……もれいびの概念が無くなり、世界が成り立った時、もう私という存在はいないでしょう。
実際に、どちら双方の世界も私は嫌いです。
猫と主神ののこさんが天上人やっていた時には、何度天に拳銃を向けたくなったことでしょう。
でも寝子島の殆どの人が、元に戻ることを願ってる。
それ故に実感するんです。『邪魔なのは私だけなんじゃないか』って。
……そもそも、そんなに良いものじゃないんです。
『勝手に事あるごとにもれいび召集している、猫が知っている事を全て話せば、早急に、しかも危ない目に合う人はずっと少なくて済むんじゃないか』
これだけなんです。……これ以上は望んでいない。全てが、語らないテオドロスという猫の掌の上だとしても。
この手も大分汚れてきました。
でも、自分の命のメモリを計って、時間で削れていく命を前に、ただ普通に生きていく事なんて出来ません。
……だって、この世界が──大嘘つきだって知っているから。
(こくんとお茶を飲み干し)
市子お姉さんっ、ご馳走様でしたっ。(正座したままぺこりとお辞儀)
マナ………いや。
(四肢のひとつひとつを滑らかに整え、背筋をやんわりと伸ばし、厳かに正座す。
やがてつむぐ語も、句も、説も、滑舌よく。大きくも小さくもない声で)
維都月茉菜さん。…ご存知ですね。
二択を示すということは、ともすると、双方を非難するに等しい行為であると。
こたびにおいて、それは、世を統べうる二つの、身勝手な…神格。
しかるに、あなたは神による統治を看過できないおひと。まして、受容など。
おそらく、神という観念そのものに、強く、深く、絶望して…いるのでしょう。
ゆえに………ゆえに。ある種、誰よりも、かの御柱を信じてもいる。
執拗なほど。愚直なほど。その力を信じればこそ、許すことができないのです。
…茉菜さん。
あなたの望む世界に、あなたの好きなひとたちの姿を思い浮かべられますか。
その輪の中に、茉菜さんはいらっしゃいますか。
もし、そうなら。私はテオの…テオドロス・ヴァルツァの世界を、選ぶでしょう。
なぜなら…彼の考え方には、茉菜さんのそれと、なんらの矛盾も見出せないのだもの。
それどころか…………………他ならぬ茉菜さんこそ、彼の求めている人材のはず。
本当は、苛んでいるのではありませんか。
あなたがたがニ柱の神を出し抜いて、なお、焦燥も狼狽も窺わせない彼の姿に。
本当は、気づいているのではありませんか。
茉菜さんが理想との距離を縮めるほど、彼の思い描く世界に、より近づくことに。
テオの思う壺である自分自身に。
それで構わないのなら、あなたは聖女たりえます。片時も目を逸らしては駄目。
どうぞ存分に、未来を見据えなさい。導いてご覧なさい。世界をあるべきかたちへと。
けれど、…そうでないのなら。
(少し、目を細くして。やや声を沈ませて。いたわるように。いつくしむように)
そも、あなたは、鴉と猫を秤にかける資格を持たざるおひとです。
同様に選ぶ資格を失う私の口から、神々について申し上げるべきこともなく。
ならば、全てを忘れ、心穏やかに暮らしなさい。フツウの高校生として。ひととして…。
過去に占ってもらったレディ・ロゼッタという人の占いで、『大事なものをなくす』と言われても「これは『どう出てもやりたい』」としてやったら、『もう日常には帰れない』ところまで一気に来ましたからねぇ……。
しかし、もうズタボロだけれども後悔は無いみたいな状態で。
(市子さんの話を聞いて、こちらの名前を聞いてから。口元に運んでいたお茶を飲む手をやめて)
コールドリーディングは、もしやっていても意識的なわけではないんですよっ。(汗あせっ)
それはもう、占う以上は確実な情報が欲しいと思ってはしまいんですけれども(おろおろ)
──私の、自分の業は覚悟の上です。
それでも、好きだから占っちゃうんです。来てくださる皆さんが、好きだから。(恥ずかしそうに、申し訳なさそうに笑いながら)
お姉さんの宿題──はい、是非。
(神妙に息を整えて)
そーだね。好きなよーにやれたならうまくいかなくたってきっと…後悔はねーから。
まーコレまた正解だけど………「自己責任を正確に突きつけて収束させる」のがフツウの憑き物落とし。
ソイツがどの部分に責任を負うべきなのか…要は荒れてる原因を本質に見立てて炙り出すっつーの?
大抵は果たせてない「望み」…「未練」ってカタチで浮き彫りなってっから見落とさんのが肝になる。
「占う事柄を決めて占った結果取るべき行動を知る」コトに相当するワケだが。
だし占いで自分実験台にすんのは…言ってみりゃ自分で憑き物呼んで自分で落とすよーなモンだ。
確かに実践に勝る経験はねーけど…もしやるにしてもせめて誰か信頼できるヤツと一緒じゃねーと。
さもねーと(クッキーをくわえてぺきっと半分へし折り)「自己責任」の重みに潰されされかねんし。
全くもって救いがねーコトになっちまう(もくもく)
実際コールドリーディングに長けた占い師も多い。マナにも少し素養あるよーに見えたけど。
その…(クッキーの角を指すようにマナに向けて)…なんだ。辻占いのおっちゃんか?八卦の生き字引。
サスガに分かってんよね。ラクではねーし責任は果てしない。「だから」占いは外すくらいでいい。
(手前に戻して口に放り込み)…なんせこの業ときたらお釣り込みで自分に返ってくっし(バリボリ)
先を見通すにゃー占った全員分の業を独りで背負って歩く覚悟が要る。誰かのためを思うなら尚更。
…あたしの母ちゃんな。
婆ちゃんの反対振り切って島おん出て占い師になったんよ。東西の占星術と…タロットが得意でね。
口癖は「拝み屋には希望がない」。でも結果的には占いで自分の希望…寿命を縮めた。
っても直接原因は人為的なモンで。詳しくは言わねーけど今思えばソレも母ちゃんの業が招いたんだ。
でも。だからあたしは寝子島の婆ちゃんに引き取られた。その婆ちゃんも…もー居ねーけど。
で今。目の前にゃーことごとく本質言い当てる母ちゃんそっくりの危なっかしいお嬢サンが居る…と。
こりゃーどーしたコトだ?業か。なら誰のだ。母ちゃんか。婆ちゃんか。ソレともあたしか。さもなけりゃー…
マナの?
(表情の途絶えた、覗き見るような目で。忍び寄るような声で、そっと…しかし重く。名で問うて。
だが、答えは待たず。かすかな息継ぎを経て、ただちに。趣の異なっていたはずの題を地続きに、切り出す)
あたしの「宿題」――そろそろ答えようか。
でも、人を占いたいと思ったらこの位はやらなきゃって思ったんです。どういえばいいのかな……はいっ、普通に病みましたっ(いい笑顔)
ああ、(納得したように頷いて)
確かに、占いも含めてサブカルチャーに分類してしまいます他の職業では、占い以外の失敗は絶対に許されませんね。
なんとか憑きも結局ひとで、鬼憑きなんて普通に棍棒どころか刃物まで準備してくる世界で、拝み屋さんは言葉の説得──……自分が拝み屋さんだったら、きっと相手を『自己責任ですね』とか言ってしまいかねません(俯き気味に苦笑)
ひとに、ひとは救えません。神にだって救えないものを、救えたとしても、それは稀なんじゃないかなって。だからこそでしょうか、その皆さんの苦労が偲ばれますね……(汗)
占いは、『こーるどりーでぃんぐ』って技法で8割方の代替が出来てしまうらしいので。……優しいけれども、楽じゃないですね……辻占い師のおじさんに久しぶりに会って、お話したら『受け持つ以上、責任を満足のいく運命の果て先まで責任持たなければいけない』ものらしいですから……。
だからきっと最初に教えてくれたんです。カードを買った帰りの道で『最初に、当たるも八卦。当たらぬも八卦』と言えばいいって。占い始めてからまだ日が浅いけれども、改めてその意味を思い知ります。
朴占いは外すくらいが丁度いいとすら言われちゃいました。真に未来を見据えてしまったとしたら、それはとても業の深いことだからって。
……それでも、その人の少しでも役に立つなら、と思っちゃうんです。困りましたね(汗)
(同じように、お茶をこくんと飲みながら)
でも、占いで希望と正反対の言葉が出ても、結果を話した上でその希望を推す事もあるんです。
本人が一番満足した結末が、一番であることもありますから……
それだけ融通の利くのだけでも、占いは『本人にすら優しい』と改めて思いますね(恥ずかしそうに笑いながら)
マナ…ソレは………………ウン。思考実験程度にしとこーな。マジアブネーから。
だがまーそーだ。このへんお隣の大陸なんかはスゲー分かりやすくて。
発祥はともかく大体中国サンで盛り上がったソレなんかは全部繋がってっしね。
根底の思想ってモンがまず…宗教にもちけーけど。次に占いがくる。
そっから食事だの建築だの生活に繋がるトコはモチロン医術…武術に商売や政治。
ヒトが関わるありとあらゆる事象の決め事にゃー結局ヒトを占うコトが不可欠だ。
で逆にヒトを占うっつーコトはヒトを取り巻く環境つまりこの世を占うってコト。
だからこそ拝み屋も例外じゃーないんよ。
その…九字切ってなんか出したり式神操ったりするよーなイメージも分かっし
ひょっとするとそーゆーのができるヤツもどっかには実際居るのかも知れんけど。
特になんせ寝子島だし居たってフシギなコトねーけど。あたしは見たコトねーね。
トコロが占いとホカの全部(拝み屋含む)にゃーある隔たりがあんだ。
ソレが「外れる」コト…間違いに対する意識と認識。
根っこに近い占いだとアリなのに暖簾分けしたホカのコトじゃ過ちは許されない。
だって…間違うと直接命に関わっから。外したときの反省する以外救いがねーのさ。
たとえば拝み屋ってヤツは…今風に言えばその役目は精神科医と少し似てて。
ナントカ憑きとか妖怪じみたヤツとか鬼みてーな荒くれとかそーゆーのの大半は
さっきも言ったとーり生きた人間で。ソレどーにかするシゴトなんだぜ。しかも説教で。
失敗したらソイツもその周りのヤツも…最悪のバアイ拝み屋だってアブネーじゃん。
ソレドコロかよしんばうまくいったって必ずしも相手を救ってやれるとも限んねーし。
つーかドッチかっつーと救えねーコトのが多い。
…やってらんねーだろ。そんなの(思い出したように、お茶をひとくちちびり)
でも占い師は違う。まさにマナのゆーとーりさ。
間違ってもソレが悪いコトとは限らんし。占って出た悪い結果の回避だってできる。
衆生救済掲げた宗教だってタイガイ終末思想だの地獄だの罰だのネガ要素紛れてんのに。
こんな誰にでも…本人にまで優しい生業が占い師のホカにドレだけある。
なんてな(くす)このハナシ全部婆ちゃんと母ちゃんの受け売りの掛け算だったりすんだけど。
はいっ、現状の未来を知ってさえいれば人は運命から変われることが出来るんです。
……とはいえ、なかなかそれを説明出来る事が難しいですけどね(汗)
カードを初めて触って少しした頃に、朝に一枚だけ引いて「その結果を気にしないで1日を過ごしてみる」というのをやってみたんです。……もう、悪い結果が出た時に当たるかどうかを調べなければならないから、対応策を調べられずに、案の定──という事が結構あってこれは怖いと途中で止めてしまいました。
心さえ堪えられれば、自分を実験台にするのは名案だと思ったのですが……(泣)
徹底したリアリズム。幅広く深い知識。他人の内面想像できるだけの豊富な経験。
ソレ全部繋いで物事を見る目…洞察力でもって「正しく直観する」
相手は基本的に人間で…しかも大抵場合生きている──
……きっとそれは『人を占う』を行う全ての人に当てはまると思います。
自分なんかはまだまだですが……拝み屋さんもその様な感じなんですか?
拝み屋さんがそうでないというのは、驚きました。
ずっとろっこんに頼らない、何か特殊な特殊の人だとばかり思っていました(汗)
……………。そーだな。たとえばこーゆーふうに。
ってばか、しーーーーーっ(人差し指を立てて妙に用心深く目を左右させて)
…ふー。
(安心したように脱力。お茶に口をつけ、答えを聞いて………にこっと笑う)
ウン。オミゴト。ばっちり合ってんよ。
オマケにシロートサン誤解させねー具体性まで考えてあっし。
だけど…幾らコトバ増やしてみたトコロで。もっとある気のするその殆ど全部が。
結局はこのヒトコトに纏まっちまうんじゃねーかな。つまり…
「外れる」コト。
(またズズっと茶を飲み)イキナリだけど少し。拝み屋のハナシしよーか。
よく勘違いされっけど憑き物落としだの霊媒だのにまず必要なのは
霊感でもなけりゃー…得体の知れん呪法やら祈念のタグイでもモチロンねんだ。
徹底したリアリズム。幅広く深い知識。他人の内面想像できるだけの豊富な経験。
ソレ全部繋いで物事を見る目…洞察力でもって「正しく直観する」コトなんよ。
なんせ相手は基本的にニンゲンで…しかも大抵のバアイ生きてっしね。
ナニカに似てるって思わんか?
人との付き合いは、どんなに偏っていても『あった方が無いよりずっと良い』と思いますっ!
あ、ありがとうございます…!(シュークリームに眼を輝かせて)
ん? お姉さん、あとの椀にお茶をお入れしてお迎えしなくても良いんですか(さり気なく恐ろしい事を)
宿題……「占いの良いところ」でしたね……
私、必死になって考えたんですが、革新的に答えらしい物は見つかりませんでした。
ただ所見ながら、幾つか思った事を並べてみます。
占いは、『答えを知る前に突き進んで起こる結果』であり、
占いは『答えを知った時点から、結果は変動し、帰る事が出来る』という事でしょうか。
・例えば、悪い結果が出ても、客観視とアドバイスに従って行動すれば、占いの結果は外れます。
・例えば、良い結果が出て、依頼してくれた人が現状から手を抜けば、占いの結果は変わり……悪い結果へと変化します。
後は、結果を受け取るのは、依頼主です。全てを信じるのも良い所だけを信じるのも、依頼主次第です。敢えて答えを出す事で、依頼主は今まで知らなかった「運命」とか呼ばれてしまう流れから抜け出す事が出来る。
──この位しか、思いつきませんでした……他にももっとある筈なのに…orz
3割でも当たっていればいいなぁって、口に出してから今切に思っています……(汗)
ウム。ヨロシイ(もてなす側なのに偉そう)
(着席を確かめ、残りの座布団が7つなのをざっと見て。
まずシュークリーム、プレーン・キャラメル・チョコのクッキーを上座と下座へ)
(顔が広そうと言われ、ふっと笑い)…まさか。モグリもいートコすよ。
ガッコもロクすっぽ行かねーでクビなっし…付き合いなんざそーとー偏ってる。
(ついで盆を置いて2つの椀に茶を注いで供し。6つの碗は急須を囲んだまま…)
おお。エンリョなくやって。
ヒザ崩していーし(と自分こそ客の真向かいの下座へどすんとあぐらをかき)
まー実は。あたし自身この部屋帰ってくんのヒサビサでね。つまりそーゆーワケ。
……………サテ(ずずっと茶をひと口)
早速だけどやろっか。「宿題」の答え合わせ。先にマナの方から聞いとこーかな。
(驚いた様子で市子さんを見ながら、その迫力に押し負けるかのように)
りょ、了解、ですっ。(普段、使い慣れない言葉を押し出しつつ上座へ)
た、確かにそうですね……!
(客はもてなされるのが礼儀と言われれば、軽く深呼吸をして堂々とした足取りで上座へ向かい、スカートを払いきちんと正座をして、お茶を頂けるのを待つ)
最後の客は、一年以上前……お姉さん顔が広そうなのに不思議ですね。
(悪気は無く、思った感想をそのまま口に)
ちげーねーや。まるで世界の縮図だし寝子島。
(唯一の(はずの)客。その言動に少しの間瞠目)…そーか。そー…だよな。このコは。
(自分の視野を狭めるように不自然なほどまっすぐマナを見て)…エンリョすんな。
「誰がなんと言おうと」「マナはタイセツナオキャクサマ」だし(妙にきっぱり)
なんせ。最後にこの部屋にヒト上げたのなんざ1年以上も前のコトだかんね(にこ)
…ホレ座った座った。立ってっと茶ーやれねーし。あと客はもてなされんのが礼儀。だろ?
(入り口の真逆にある一番上座を顎でしめす。質問に対して否定も肯定もないまま…)
全部、昔の話ですけどね。(少し遠くを見て笑いながら)
この寝子島では殊無縁の極みですし(これだけ混合していると、と笑顔で)
か、上座以外はダメですかっ?! た、確かに客になるのかも知れませんが、ふ、不安になりますっ!
(結果、立ち尽くして盆を持つお姉さんを待つ形に)
いいえっ、……あれっ?さっきまでお客さん居た気がしたのにっ?(不思議そうに居間を見てキョロキョロしながら)
(「ナルホド…ね」とつぶやき)…ふーん。なんか…イロイロ窺えるハナシすね。
しかしまーそーゆーコトなら気ーつけんと。ウカツなモン見せらんねーし?(くくっと笑い)
(リクに「あいよー」と返事。青磁の茶器を出してから。茶葉の缶を開け)
(すんすん)…フム。サラサラしてっし腐ってもねーな。ウーロンにすっか(怪しい)
あとは…(冷蔵庫からシュークリームを2つ。更に先日貰ったクッキーを幾つか)…ヨシ。
(湯を注ぎつつ。居間からの「質問」に)……………やっちまった(がくっ)
…えーっとな。マナ。イチバン上座のトコに座っててくんねーか。ホカの席はダメ絶対。
…
(盆の上にきゅうすを囲んで8つの椀を載せて。菓子類も揃えて。居間へ)…待たしたね。
お姉さん、あれはだんぼーるしかないから、インテリアを統一させざるをえなかったんだよ……っ!!(小声で涙。
ついでに聞こえたのか、お姉さんの疑問に)
ああ、昔のお父様との会話の中で覚えている数少ない言葉の一つなんです。
『良いと思ったものを見た時は誉めなさい』って。
『良いものしか見せるつもりはないから、
自分が良いと思ったものには自信を持ちなさい』
……って。和風と言っても今の家位のものですし、今となってはなかなか、良いものだけを見る機会なんてないですけどね(恥ずかしそうに笑って)
あっ、ウーロン茶か麦茶下さーいっ!(夏に差し入れしてもらった幸せな思い出が抜けていない)
(遠くで)
あれ? 市子お姉さん、お客さん他にも呼びました?(ばら撒いてみた座布団の居間から、不思議そうにキッチンの方へ顔を覗かせつつ)
…ソイツはどーも。でも。マナんトコ(※だんぼーるはうす)ほどじゃねーさ。
(おどけつつ、髪のそよぐ様が涼しげだったのでかすかに笑ってからキッチンに。
注水した鉄のやかん加熱開始。さっきの反応を思い出し、くるんと首を傾げて)
………気のせーかね?なんとなく。こーゆー家見慣れてそーだけど。あのコ。
っとそーだ。(大きめの声で)お嬢ー。ナニカ好きな飲み物リクエストしてみー。
(戸棚をガラリと開けて、ざっと確かめつつ)いちおー茶ーなら大抵出せっしー。
あーあと言い忘れー。座布団あんま多いとタマにー………。
……………………………。…………………………………やっぱ。なんでもねー←?