扉には、なぜかところどころ焦げて黒ずんでいるため、とても見にくいものの、
落ち着いて、じっと目を凝らせば『獅子島』と判読できる、桜木でこしらえられた表札が。
たまたま見落とされやすい場所なのか、気に留める人はあまり多くもないけれど。
5階の、中途半端などこかにある、そんな部屋。
中の基本構造や間取りは、標準的な他の部屋とほとんど同じ。
だけど、内装や家財、水回りなどの洋式設備さえも、和の一色で染められていて。
飾り気は控えめながら、どことなく小洒落た、それでいて温もりのある佇まい。
そのわりに生活感が薄く余所余所しいのは、きっと…長いあいだ、誰も居なかったから。
白檀と、木と、藺草と、桜花の混ざったような匂いが絶えず。でも、ほのかに。
うっかりすると、女当主が執り仕切る、旧家の本邸かナニカと錯覚しかねない。
…なんて。今時の若い子には分かりにくいたとえを思い浮かべてしまいそうな、異次元。
こんなところで、あのフーテン女が1年以上暮らしてただなんて、誰が信じるだろう。
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獅子島市子の個人部屋トピックです。
原則、市子の【入室】から【退室】までの間のみ、どなたでも応対します。
ただし、中にお通しするかどうかは、そのときどきの会話の展開と…気分次第です。
※リアクションまたはコミュニティのRPにおいて『市子の連絡先を知った』方や
ともだち設定で『相互に★3個』以上の方は、不在時も呼びつけることが可能とします。
(伸びてきていた髪を切るのをやめたもよう。セミロングの髪を揺らして)
ああっ、いえっ。インテリア統一されていて綺麗だなぁって思ったんですっ。
き、昨日のアレ……?(昆虫Gの類を想像中。お言葉に甘えて家に上がれば)
ざ、座布団をばら撒く……
(ある意味人生初の作業に衝撃を受けつつ一生懸命積んであった座布団を一枚ずつ抱えて置いていく。
2枚で良い様な気もする中、あるだけ全部言われた通りにばら撒いてみて)
……………
(間違っているかも知れないと思いつつも、密やかな達成感)
(バタンと閉めてマナから手を離して。
(実はまだちゃんと履いてなかった)ジーンズをきつそうに引っぱり上げつつ)
アレ。縮んだ?マサカ。
ソレともまたシリに肉が…イヤしかし(ブツブツ言いながらジッパーを上げて)
ム。ウヌ…(ボタンを留めようとぐいぐい引いていたが)…ダメか(諦めてため息)
サテ。よーこそお嬢(微笑み)…って。どーした。…あー。もしかしてなんか居た?
…おかしーな昨日のアレはちゃんと元の場所にイヤイヤイヤなんでもねーし。
(「まー上がりなよ」と言いながら先にどたどたと奥へ。途中、一室を指さし)
居間ソッチだし。あとワリーけど積んでる座布団あっし座卓周りにバラ撒いといて。
ンでテキトー座って待ってて。茶ーいれてくっから(自分はキッチンへ向かう)
きゃーっ、連行されますっ。連行されますっ!(オロオロしながらも抵抗せずに中に入れば)
……わ、
(見えた間取りやその部屋の佇まいに目を見張りながら)
………(無言で受話器を置き玄関口へ。無造作に扉を開放し笑顔。でもすぐ真顔に)
怪しいヤツ。レンコーすっし(マナを中に引きずり込むべくその手を取ろうとする)
あ、合言葉……っ?!
(もちろん聞いてない)
え、えーと……
『猫は三味線! 鴉はタンドリーっ!!』
(試しに、自分の持論を叫んでみる)
………なんか。ヒサビサに聞いたなウチのインターホン。ほいほいタダイマー。
(よっこらせと立ち上がって自分の格好に気づく。アタマをばりばり掻いて)
…サスガにコージョリョーゾクに反するか。えーっと代えのジーパンはと…。
(やっぱりボロいジーンズを引きずりながらどてどてとインターホンに近づいて。
モニターを見て。ぱちくり。それから「おいでなすったし」と笑う。
片手でもたもたとジーンズを履きながら受話器は肩で固定。鼻をつまみ)
ナニモノダ。アイコトバヲイエ(早口。もちろんそんな口裏合わせはしていない…)
(メモを片手に入り口のドアを外から見上げて)こ、ここで合っているよね……っ?
(じっと目を凝らして『獅子島』とあるネームプレートを確認してみて。
5階まで来たその先で、恐る恐る呼び鈴を静かに鳴らし)
(掃除はひと通り終えて、真新しいTシャツにパンツ一丁でダラけモード。
割烹着や当初の着衣の行き先は、規則的なモーターの音と水音が物語っている。
窓に干している布団に背中つけて、がに股で腰かけて。クッキーくわえながら。
傍らには友人に持たされた箱と、冷たい麦茶で満たされた湯呑み)
あー……………風鈴欲しーなー。元々あったヤツ………ドコやったっけかなー。
でもなー………もー終わるしなー夏。……………やっぱいーかー……カネねーし。
(扉を開くと、熱気や湿気や埃が他の匂いと一緒にムワっと溢れ出してくる…)
ウっ(口を押さえ)………まー。ほっときゃそーなるよなフツウ(ケホ)
(バタバタと小走りで窓という窓を全開にして、それぞれにすだれをセット。
霧吹きをかけ水気を含ませると、吹き込む風が室内に爽やかな涼をもたらす)
うし。次。
(ズタ袋に手を突っ込んで。取り出したのは、割烹着と三角巾。
テキパキとソレらを身にまとい、掃除用具を用意して。以後しばらく清掃三昧)