ドアを開けると簡素なベッドが見える。
その前にはこの部屋の住人が拘ったのだろう、部屋に不釣り合いな程綺麗に磨かれたアンティークの机と椅子が鎮座している。
食器棚の中身はガランとした中に、ぽつりとアンティークのティーセットが並べられている
…たまに上機嫌でお菓子を焼く姿がみられるとか…。
ほんとに…?
ほんとに、冴来はなゆたを忘れない…?
(ぼんやりと紅茶の水面を眺めながら
なゆた、冴来に…愛されてる?
冴来はなゆたが好き?
なゆた、なゆたはね
冴来になら、壊されてしまいたいなって、思うの
(眉を下げ不安げに冴来を見つめる
どうせいつか、なゆたも壊れてしまうなら
なゆたは大好きな冴来に壊されたい。
どんなに惨い殺され方だって構わないの
いつか、なゆたが死ぬときは冴来の手で…。
(小さな声でぼそりと
恋の色…ね。
冴来、ナニが気になるの?
恋なんて、大した事じゃないと思うよ、なゆたは。
(少し表情を曇らせる
何かに耐えるように両の手を机のしたでぐっと握りながら