対の衣装を着た精巧な造りの双子人形と
人形サイズの調度品が置かれている。
誰かがここで1人遊びしているとかいないとか。
『人を助けたりするのは何も見返りを求めてだとは考えすぎだと思いますよ。それに優しくされることに権利もない。なぜなら私が冴来とこうしているのは、単に私が一緒にいたい、そう考えるからです』
『冴来が私にしてもらうことなんてありませんよ。強いて言えば……ふたりっきりの時だけでいいので、私に甘えて欲しいというぐらいですね。ええ、それじゃ私への見返りは甘えること、でいいでしょうか?』(小首を傾けながら 人なら微笑んでいるような雰囲気を醸しだし)
『冴来。過去はどうしても変えられないのです。積み重なったモノはあとから手を加えれない……ですが、これから積み重ねる未来は変えれるのです。貴方が変わりたい、と願うなら……いつかきっと、素敵なレディになるんじゃないでしょうか?』
『いつか、皆からもらった優しさを……冴来の優しさで返せるように』
(あの人に慰めてもらいたい、に対して)
『ふむ……冴来が一番に思っている人への思いは強いのですね……傍から聞いている限りでは羨ましいことですが、なにやら事情がある様子』
『伝聞でよければ、失恋に対する特効薬は時間だとか。それが良い思い出となるその日まで、楽しい時間で慰めましょう。冴来』