シーサイド九龍のどこか
壁龕の中に一体のマリア像が安置されている
白磁のおもてに聖寵充ち満てる微笑みを浮かべた聖母の周りには菓子や花などの供え物が絶えず、荒廃したシーサイド九龍にあって、そこだけ聖域にも似た静謐で清澄な空気を湛えている
誰が何の目的で安置したのかは与り知らぬところだが、今日も住民の誰かがマリア像に詣でに来る
ある者は一日の報告に
ある者は懺悔に
ある者は心の澱を吐きだしに
マリアは涙を流すことなく、迷える子羊の告白をただ聴くのみー……
●トピ説明
シーサイド九龍のどこか、壁龕の中に安置されてるマリア像に詣でるトピです
壁龕の中にマリアや聖人の像を祀り、花や菓子を供える民間信仰またその場所は、「ニッチ(狭い場所・隙間の意)」と呼ばれ、地中海の方で有名です
ダイアリーの延長の心情独白、罪の懺悔や秘密の告白など、ご自由にお使いください
On n’est jamais content là ou on est. -Antoine de Saint-Exupéry-
(人は、今いるところに決して満足しないんだ)
アントワンヌ・サン=テグジュペリ(フランスの作家)が言ったことだったか?
ふっ、柄にもなくマリア像にでも祈っておくか?
それにしても、休日に散歩したつもりが、ずいぶんと遠くまで来ちまったな……。
***
(心の声)
あたしは、このままでいいのだろうか?
元の時代に帰らなくてもいいのか?
しかし、どうやって?
あのタワーが……やはり何かあるんだろうけれど……。
帰ったところで、また革命期の続きで連日の厳しい護衛仕事か。
平和と言えば、今いるところの方がずっと平和さ。
帰れなければ帰れないで……。
アリシアとずっとこの島で暮らすことになるのだろうか?
それはそれで楽しいかもしれないけれど……。
祈りとかしないが金だけ恵んでくれ
(目を閉じて手を組み、熱心に祈りを捧げている)
……。………。
(唇だけで何かをつぶやき
目を伏せてうつむく。)
……やっぱ余計な事したのかな
誰も誰かの代わりになれねえなんて偉そうに説教したくせに俺自身がマダムをあの人の代わりにしてんじゃねえか
たとえ一瞬でもいい
納得ずくの嘘でもいい
今この場にいねえ息子の代わりができればって
それが足しになりゃあいいって柄にもなく出張ったんだが
…ホント余計な事しかしねーな
…夢で、由良さんの…声を、聞いたの…。
…名前…呼んでくれた…。
…迎えには…いけそうに、ないって…。
…忘れて…幸せに、なれって…。
…同じ世界に…きちゃだめ、だって…。
…行っちゃ、駄目なこと…分かってるの…。
…でも…あっちの、世界にいけば…
…また、由良さんに…会える、気がして…。
…寂しい…。
…もう…会えないの、かなあ…?
あいつが帰っちまう
頭ではわかってる、一時的なことだって
でも……あいつは俺とは違う
生まれ育った土地から追い出されるように逃げてきたんじゃねえ、帰ればちゃんと待っててくれる……受け入れてくれる家族やダチがいる
羨ましいのか
誰が?どっちが?
……胸ン中がもやもやする
不安……なのか、これは
メールなんて女々しいよな
どのみち俺にはここっきゃねーから
あらあ、ふうん……
悲愴に打ち拉がれる方のなんと蠱惑的なこと。
憐憫の情を抱かずには居られませんわ……。
こんな方々が押し寄せて下さるなんて……、あたくしは貴女が羨ましいですわ。この世に存在しない尊く高貴なお方!
ひーちゃんラブ ぺろぺろちゅっちゅっ
God's in his heaven,all's right with the world. Amen.
やっほう!!
マリア様こんにちはこんばんわおはようございますなのだよ!!
みらくるぴかれる魔法美少女恋々ちゃんが
はーとふるご挨拶に参上つかまつったのだよ!!
(楽しげな様子でマリア像に近づくが
像の目の前に立つとスッと真顔になり)
人は行き場のない感情を募らせた場合や
強い願いを持った場合
神に祈りたくなるものだといいますが
生憎、私はそれ程までの感情を持ち合わせていませんし
特に願うこともありませんからね。
まあ、折角きたことですし
供え物ぐらいはしていきましょうか。
(ウエストポーチから
オリーブオイルが入った小瓶を取り出しその場に置く。)
さあさあ!!
新たな未知に満ちたわんだふる冒険の旅へ
出発進行大爆進なのだよ!!
恋々ちゃんの次なる大活躍に
世界の皆々様々乞うご期待あれなのだよ!!
(再び楽しげな様子に戻りその場を立ち去る)
あれえ、こんなとこに像なんてあるんだね。
(色々な視点から眺め回し)
カミサマは居るって思ってる人の所には確かに居るのかもしれないね。
でもオレには分からないかなー、ごめんねマリアさん。
(ケースから取り出した煙草を一本、像の前に放り投げて何事も無かったかのように立ち去った)
…誰かを、傷つければ…傷つけた、分…
…痛みが、自分に…帰ってくる…。
…もう、誰も…傷つけたく、なんてない…。
…なのに、どうしても…傷つけて、しまう…。
…何かを、誰かを…傷つけ、ないと…
…私は、生きて…いけないの、かな…。
此処のマリア様は様々な人生の浮き沈みを見てこられたのでしょうね
どこか寂しげな それでいて達観したお顔をされてますわ
大人になるということは己と他人を赦す寛容さを得る事でしょうか
それでも譲れぬ信条の為に剣をとり戦わねばいけない時もある
難しいですわね……(物憂げに目を伏せる)
大人になるってことは、年月を生きたとか、結婚したとか、子供をつくったとかの問題じゃなくて、どれだけ人生ってやつに疲れてるかってことだよな。
ま、マリア様には分からん話か。
(けらけら笑ってどこかに出ていく)
……ごめんね……。
……私に…勇気が、あれば……。
(マリア像の前に座り込み
ぽろぽろと涙を流す
……。………。……。
(マリア像に何かを語りかけるように唇を動かした後
その場にぺたりと座り込み、両手を組んで祈りを捧げる)
まさかこんなところにマリア像があるとはね・・
少し前までは神様だなんているか分からなかったけど
この力を得てからそうも言えなくなっちゃった。
(辺りを見渡した上で膝をつき)
僕は大事な人を守りたい。その為ならばどんな手段も厭わない・・
僕は・・時に悪を騙り正義の名を汚し、我を通す偽善者です。
その為に、時にこの手を時に黒く染める事をお赦しください。
(そっとアロマキャンドルを置き、火を灯し)
神様にも癒しが必要だよね。いつもありがとう・・
チャリティーで星ヶ丘の児童養護施設に言った
さしいれ貰った義理立てじゃねーけどな……どうせ暇だったしガラクタ整理になるしちょうどいい
たまにゃ出歩かなきゃ体がなまっちまう
シーサイド九龍に捨てられてたミニカーやプラモデル 時代遅れのラジコンカー
そんなダンボール一杯のガラクタでもガキどもは喜んでやがった
ヘンなガキに会った
俺と同じ、人の輪に入れずポツンと離れて座ってた
声をかけて驚いた。いつかの月夜に会った幽霊とそっくりだ。デジャビュはそのせいか?ひょっとして血縁……姉弟だったりすんのか
ちょっとだけ話をした。他愛もねえ話。しみったれた感傷。
無気力で濁った目にいらついて、ルービックキューブを押しつけた。
……はっ。ガキに同情されちゃざまあねえ。
かっこ悪ィ大人だな、俺。
いいさ、また買い直しゃいい。
よう、マリア様
暇だしちょっと挨拶に来たぜ。お供え物ぐらいしてやるよ
(自分の持っていたタバコをお供えする)
……アンタは大変だよなぁ
普段は「神様なんて居ない」そういってるくせに自分がピンチになったとたんに「神様助けて」
そしてうまくいかなかったら必ずこういう。「やっぱり神様なんて居なかったんだ」ってな
神様が平等?神様は苦労した人間を助けてくれる?
その言葉――神様自身が言ったことじゃねぇだろうに(クスクス)
他人の勝手なイメージを作られた挙句避難されるあんたは、一番の苦労人なのかもな