シーサイド九龍のどこか
壁龕の中に一体のマリア像が安置されている
白磁のおもてに聖寵充ち満てる微笑みを浮かべた聖母の周りには菓子や花などの供え物が絶えず、荒廃したシーサイド九龍にあって、そこだけ聖域にも似た静謐で清澄な空気を湛えている
誰が何の目的で安置したのかは与り知らぬところだが、今日も住民の誰かがマリア像に詣でに来る
ある者は一日の報告に
ある者は懺悔に
ある者は心の澱を吐きだしに
マリアは涙を流すことなく、迷える子羊の告白をただ聴くのみー……
●トピ説明
シーサイド九龍のどこか、壁龕の中に安置されてるマリア像に詣でるトピです
壁龕の中にマリアや聖人の像を祀り、花や菓子を供える民間信仰またその場所は、「ニッチ(狭い場所・隙間の意)」と呼ばれ、地中海の方で有名です
ダイアリーの延長の心情独白、罪の懺悔や秘密の告白など、ご自由にお使いください
On n’est jamais content là ou on est. -Antoine de Saint-Exupéry-
(人は、今いるところに決して満足しないんだ)
アントワンヌ・サン=テグジュペリ(フランスの作家)が言ったことだったか?
ふっ、柄にもなくマリア像にでも祈っておくか?
それにしても、休日に散歩したつもりが、ずいぶんと遠くまで来ちまったな……。
***
(心の声)
あたしは、このままでいいのだろうか?
元の時代に帰らなくてもいいのか?
しかし、どうやって?
あのタワーが……やはり何かあるんだろうけれど……。
帰ったところで、また革命期の続きで連日の厳しい護衛仕事か。
平和と言えば、今いるところの方がずっと平和さ。
帰れなければ帰れないで……。
アリシアとずっとこの島で暮らすことになるのだろうか?
それはそれで楽しいかもしれないけれど……。