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【音楽少女たち】
たたた、と駆け寄ってみますと、
「あ……やっぱりアリーセちゃんだ!」
雨寺 凛
は、不思議で綺麗なスノードームの中、膝を丸めた
黒依 アリーセ
を見つけました。
「おーいっ! アリーセちゃーん! ……んー、聞こえないのかな?」
きらきらなドームの中で、アリーセは身を縮めて目を閉じ、ふわふわ、ゆらゆら。閉じ込められてるのかな? とちょっぴり心配した凛をよそに、気持ち良さそうに浮かんで揺れています。アリーセの長く艶のある黒髪が、透き通った水の中のようにはらりと広がって、舞い散る白い雪との対比は、うっとり見惚れてしまうほど。幻想的な美しさでありました。
「……綺麗だなぁ、アリーセちゃん……」
大切な友人同士、良く知る間柄の彼女の姿が、今日は何だか、洗練された芸術作品のようにも見えて……凛はしばし、じっとドームを見つめます。
丸っこいガラスの中にはアリーセと、ひらひら降る雪と、それに青い薔薇。ドームを支える台座はスピーカーで、周囲にはスタンドマイク、ギターにドラム、シンセサイザーなどなど。実に、彼女らしいファクターに満ち満ちています。
と……ぱちり。心地良さそうに浮遊へ身を任せていたアリーセが、ふと瞳を開くと、覗き込む凛に気付いてふわりと微笑み、ガラスの外面に添えた凛の手のひらへ、そっと自分のそれを重ね合わせました。
「ふふ……おはよ、アリーセちゃん」
話しかけた凛に応えるように、アリーセも口を開いて、ぱくぱく……けれどやっぱり、互いに声は届かず。
「うーん、お話はできないかぁ」
少しばかり寂しげな凛の表情に、どうやらこちらへ通じていないと気付いたらしく、ガラスの向こうのアリーセは怪訝そうに、上品な仕草で首を傾げて。
そしておもむろに、両手を胸の前で組み合わせると……彼女は、再び口を開きました。
「……あ……聞こえる?」
凛は、耳を澄まします。
最初は小さく。徐々に、ゆっくりと大きく。歌が、聞こえてきます。耳に馴染んだ、あの透明で美しい歌声が……なぜだか台座のスピーカーは、彼女の歌だけは凛のもとへ届けてくれるようです。この小さな空間だけに押し留めておくのはもったいない、とでも言うかのように。
少しずつ、少しずつボリュームは増して、周囲へも響き渡る歌……と、その時。
「あ、雪が……音符に変わってく? うわぁ、すごい……!」
ぽわ。ぽわん。ドームの中ではらはらと降る雪が、アリーセの歌声に呼応するようにして、ぽわ、ぽわん! 弾けて、真白い音符へと形を変えていきます。
あまりにも、綺麗で。あまりにも、楽しくて。
一歩も動けずに、瞳を輝かせながらに見入る凛へ、アリーセは歌声を届けて、ふわり。微笑み、そして誘うように、こちらへ手を伸ばしてくれるのを目にしたなら。
「……これはもう、黙ってられないよねっ!」
そう。こんなにも素敵で、心躍らせてくれる光景を見せ付けられてしまったなら、凛はもう、いてもたってもいられません。
ふたりの視線が刹那に絡み合い、アイ・コンタクト……しゅば! 構えたのは、背中に背負っていた自慢の相棒、愛用のギターです。アリーセの持ち味が歌であるなら、そこに並び立つ凛の武器はもちろん、このギター!
ふたりは向かい合い、互いを隔てるガラスの存在なんてすっぱりと忘れてしまったかのように、こくり、うなずきあって。
「よーし、やろっか!」
凛は弦を弾いて、アリーセの歌へと巧みな伴奏を添わせ始めました。
気持ちの良い、この浮遊感。何かに守られているような、ずっとこの中にいたいような……そんな不思議な感覚。練習中に突然に入れられてしまったこのドームへの不安も、心配も焦燥も何もかも、いつしかふんわり溶けて無くなって。目の前を横切る蒼い薔薇。取り巻く雪の美しさに、アリーセは自然と睫毛を伏せて、浮かび上がるままに、身を任せました。
そうしてしばらく。瞳を開けたなら、そこには見知った顔……いつだって明るくて、一緒にいるだけで元気をもらえる、あの素敵な笑顔。
(凛さん……)
この空間へ留まることは心地が良くても、大切な友人に心配をかけてしまうのは、もちろんアリーセの本意ではありません。彼女はどうにか、大丈夫だから、と伝えてあげようとして声をかけてみるものの、どうやら届かないようです。
「……歌なら、どうかしら?」
そう思ったのは、ガラスの向こうの凛へと言葉をかけるさなかに、いつもの発声練習の要領で少しばかり大きな声を出してみたら、ぴくん。周囲の雪が、何だか跳ねたように見えたから。
(そう……これはきっと、私のためのスノードーム。私のための世界。それなら……)
歌。アリーセ自身をもっとも色濃く、鮮やかに表現するのは、やっぱり歌なのです。
届けたい。凛へ。外の人々、外の世界へ。歌を……届けたい!
アリーセはすうと息を吸い込み、そして自慢のハイトーンを、ドームの中や外などまるで関係ないかのように、高らかに響かせました。瞬間。
(あ……雪が……)
ぽわ。ぽわん、ぽわ、ぽわ。ぽわん! アリーセの歌が、雪のように白い音符を生み出し、リズムを刻むように跳ね、揺れて、踊りだします。まるで歌が、取り巻く世界そのものを変えていくかのように。
見れば目の前には、驚いたような、そしてすぐにもぱあっと輝くような、彼女の顔。思わず見合わせて、にっこりと微笑み合って。
凛が見ていてくれるなら、聴いていてくれるのなら、アリーセはどこまでだって、この歌を響かせることができるでしょう。ましてや、
(……聞こえる。確かに、ちゃんと……優しくて力強い、凛さんのギターが。あの音色が……聞こえるわ)
ドームが気でも利かせてくれたのでしょうか? 厚いガラスに遮られながら、アリーセの耳にも、届きました。凛のかき鳴らすギターの音が、はっきりと。
それはいつもの凛のように、あのまるで燃え上がる炎のような熱い演奏とは、少々趣きが異なりました。彼女はあくまでヴォーカルを引き立てる伴奏役に徹していて、アリーセの歌を裏から支えて背を押し、それでいて心強く演出してくれています。
そのことが、嬉しくて。まぶしい凛の笑顔に負けじと、アリーセだって、楽しくなってきてしまうのです。
(凛さんと一緒に……どこまでも、この歌を)
アリーセが声を上げるたび、ぽわん。凛が手を翻すたび、ぽわん。
ぽわ、ぽわ、ぽわん。ぽわわん! 白雪が弾けて、音符は生まれ、踊り出します。
ああ、なんて……なんて素敵な。音楽に包まれた、このひと時。
目の前でゆらゆら、歌にゆらり、音にゆらり。青い薔薇が一輪、揺れていました。
スノードームの中と外。ふたりの作り出す世界は、道行く人々の足をにわかに止めさせ、やがて大きなうねりとなって、そして止めどなく広がっていきます。
アリーセが時に力強く声量を高めれば、凛のギターも合わせて音を強め、そして逆もまた然り。互いに寄り添いながら、音楽は膨らみを続け……いつしかまるで、この穏やかで心安らがせるスノードーム、丸いガラスが際限なく膨らんで、広がって、全てを包み込んでいくかのよう。
止まりません。凛も、アリーセも。ギターを唸らせ、喉から声を絞り出し、演奏し、歌い続けます。
この心躍るセッションが、少しでも長く続きますように……そう、祈りながら。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
恋愛
SF・ファンタジー
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月15日
参加申し込みの期限
2015年07月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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