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河野 一霞
はふらふらとおぼつかない足取りで夜道を歩いていた。
棋院の帰り道。頭の中では先ほどまで打っていた対局の流れが絶え間なく流れていた。
プロの棋士になりたいと母親の元から飛び出したはいいが、ここの所碁の腕が伸び悩んでいる様子。
打っても打っても思うような戦局にならず、もやもやとした拭いきれない感情を抱いていた。
「今から家に帰ってもな……」
家、というのは母親のいる自宅ではなく、居候先の家のことだった。
自宅は居候先以上に帰りづらい。しかし今夜は居候先にもまっすぐ帰る気になれない。
そんな一霞の元にどこからとなく三味線の音色が響いてくる。
誘われるように三味線の音色をたどって行くと、その先には真っ赤な野点傘が広がっていた。
『恋心を、占のうてやろう』
「恋?」
恋という単語に反応して一霞の脳裏に特徴的な髪色の男性が浮かぶ。
一霞はワンテンポ遅れてそのイメージを頭から振り払った。
「ありえない。ありえないありえないありえない! なんでこのタイミングであの人の顔が浮かぶのよ最悪!」
毛氈の上にしゃがみこんでしばらくの間自問自答を繰り返す一霞。
「ああ、もう! 顔だけじゃなくて声まで聞こえる気がしてきたじゃない! いっちゃん、って……あんな奴が好きとかそんな……いやまさか……」
自分の世界に入り込んでしまった一霞の頭の中では、すごい速度で「ありえない」「でもまさか」という単語が行きかっていた。
以前母親に「父親とは血が繋がっていない」と言われたことがある。
今となっては母親がどういうつもりでそう言ったのかはわからない。もちろん真に受けたわけでもない。
それでも、もしかして。
「あの人のことを“父親”だって認めたくないのは、もしかして……?」
呟けば、顔面に一気に血が集中したのがわかった。
耳や首の後ろが熱い。さっきまで夜風で冷えていた体が、顔周りを中心に体温をあげていく。
このままじゃとてもじゃないけど帰ることができないと悟った一霞は、意を決して三味線の女性へと向き直った。
「お願いします」
きちんとした正座で、礼儀正しく礼をする。
しかしその耳元はまだ赤みを残していた。
「……私の、“あの人”への感情って何なのかしら?
もしこの感情が恋だとしたら、私はどうしたらいいの? どうなっちゃうの?
……“あの人”は、私のことをどう思ってるの?」
言い切って一霞は息を吐く。
女性は静かに、一霞の言葉を待っていた。
「知りたい……知りたくない。怖い。知ってしまったら、私はどうなってしまうんだろう」
膝の上で握られた拳を見つめ、女性は三味線を弾く。
やがて水盆には、夜闇を映すような真っ黒な花が咲いた。
『黒百合……花言葉は“呪い”』
「のろ、い……?」
告げられた花言葉に一霞の表情が凍りつく。
先ほどまで火照っていて熱いくらいだった首筋が、氷を落とされたように冷えていく。
「呪いって」
『そなたの感情は、想いつづければいずれそなた自身を蝕む呪いと成ろう。
黒百合の呪いはな、すべて恋情に絡むもの。愛おしい気持ちが募れば募るほど、後に残される呪いは大きい』
「じゃ、じゃあ! あたしのこの気持ちは呪われてるの!? “あの人”への気持ちは持っていたらダメなものなの!?」
一霞は信じたくないとばかりに頭を抱え、左右に首を振る。綺麗な黒髪が乱れていく。
そうして身を乗り出すと、女性の目を真正面から捉え、そして願った。
「お願い、お願いします。私の気持ちをもう一度、もう一度占って!」
一霞は縋るように、女性へと手を伸ばす。
触れたその手は陶器のようにさらりとしていて、作り物のように冷たい。
一瞬躊躇うような素振りを見せたが、一霞は「お願い」と、女性の右手を握った。
――瞬間。
何もない空間から花が零れだす。
杏の花、紫陽花、ラベンダー、水仙、黄色いカーネーション、彼岸花。
色とりどりの花が空中で咲き、一霞の足元に重なった。
「これ、も、あなたが?」
『これはそなたの力だの。
杏は疑惑。
紫陽花は無情。
薫衣草は不信感。
水仙は報われぬ恋。
黄色の和蘭撫子は拒絶。
そして、彼岸花は諦め。
どれもそなたの感情を表しているのではないかの」
女性に花言葉を解説されて、一霞は崩れ落ちるように座り込む。
一霞のろっこん“ことのはな”が無自覚ながらも発動したのだ。
散らばった花たちを見ながら、言われた花言葉を心の中で繰り返す。
「やっぱり、違ったんだ。恋なんかじゃなかったんだね」
泣きそうな顔で笑うと、ふらふらと立ち上がる。
一霞は元来た道を帰ろうと女性に背を向けた。
『待たれよ』
女性の呼びかけに、一霞はゆっくりと振り向く。女性はじっと、水盆を見つめている。
一霞も釣られて視線を水盆に向けると、真っ黒な百合の花の真ん中に鮮やかな赤い花が咲いていた。
『紅弁慶。花言葉は“そなたを守る”』
「……」
『そなたのことをどう思っているか、の答えはこれのようだの』
「……そっか」
一霞はその赤い花をしっかり目に焼き付けると、今度こそ山を下り、居候先への道を歩き出したのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
時織椎
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月10日
参加申し込みの期限
2015年07月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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