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雨の日、秋の日、フツウの日?
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雨が降る
雨が降る。
白く細かった筋は太くなって、段々アスファルトで大きく跳ねだす。
「かー! 本格的に降ってきやがったか!」
九条 翔
は、額にかかる髪を指の先で払った。パーカーもベストもぐっしょり濡れている。一旦はやみかけた空模様に、多少の雨なら大丈夫と判断したツケだった。
「雨も滴る良い男になっちまったな……」
――って、一人ボケても虚しいだけか。
途中で傘でも買おうかと思ったが、ここまで濡れてわざわざ買うのも馬鹿らしい。むしろここは傘の似合う美女が現れて、相合傘になるパターンが最上だ――そんな益体もない考えをしていた翔の目が、一人の少女を捉えた。
「お?」
この雨にやられた娘がいたか。
どこかで見たような少女だった。以前ナンパした娘かと、記憶を探る。
(……あれ)
雨で白くけぶる視界の中。歩くにつれ、女の子の顔がはっきりとしてくる。
(あの娘はたしか)
確かにナンパした娘だった。ついでに言えば、一度も会ったことがないはずの相手だった。
あれは、夢で出会った――
「いや、そんなまさかな……」
そう呟いた時、少女が翔に気づいた。
常闇 月
は雨止みを待っていた。雨宿りしている軒下から、雨だれが滝のように流れ落ちてくるのが見える。目の前の道路はすっかり人通りが減っていた。雨は弾丸の如き勢いだった。時折風が吹いて、雨筋が白いカーテンのようになびく。その度に細かな水滴が顔につくのを、月は感じた。
(当分降りそうですね)
しばらく立ち往生かと、所在なく巡らせた視線が男性のそれと合う。いつもなら素通りする視線が、彼に釘づけになった。
(あの方は……?)
見覚えのある男だった。少し前、夢の中で出会った人に酷似している。
視線が合った。先に月に気づいていたらしい男性ははっとして、目を見開いている。その反応に、月は濡れるのも構わず歩き出していた。
隙のない彼女の動きと勢いに狼狽え、反射的に後退を始める男性だが――
――逃がしません。
追い詰め、背中を壁にぶつけた彼に壁ドンをして、見上げる。
「今、私を知っている素振りを見せましたね…………翔さん?」
●
壁ドンされた翔が、月の声にようやく我に返った。
「まさか夢の中の娘が――と思ってた時期が俺にもあったぜ」
だけど、この状況ってお互いの位置は逆がよくないか?
そんな彼の言葉に、月も少々暴走気味だったことに気づいたようで。壁から手を放す。頭を下げる。
「……手荒なことをしてすみませんでした」
「いや、気にしてないっつーか」
言いかけ、翔はむしろ期待通りのリアクションをとってもらえたと、笑いがこみあげてくるのを感じた。
なんというか、実に彼女らしい。
なんだろう。この、旧知の存在に会ったかのような心の暖かさは。
「……ま、いいか」
以前、翔と月は同じ夢を見ている。
お互いが知り合って、長い時間を過ごす……そんな夢だ。
「不思議なものです。お互いに同じ夢の内容を覚えているだなんて」
「それもまさか、現実にも出会うなんてな」
今回ばかりは引き合わせてくれたこの雨に感謝だな、と翔は空を見る。相変わらず肌寒い雨が降り続いているが、奏でる雨音のリズムはさっきより明るく、軽快にすら感じる。
「それじゃ、良いかな?」
「……何をですか?」
「こうしたら分かる?」
月の手を取る翔。それで彼女が理解できたのは、夢での付き合いが長かったからだ。
「デート、ですね」
「そ。現実でもデート、誘っちまっても良いかな?」
近くに見えるショッピングモールを指さす。翔は半ば強引に押し通すつもりだったが――
「いいですよ」
少し口元をほころばせ、うなずく月。
こうして室内デートは決行された。
「ところで」
雨の中を足早に進みつつ、月が言った。
「なに?」
「私の名前は月。常闇月といいます」
「……
九条 翔
だ」
「現実の私のこと、どこから話したほうがよろしいでしょうか?」
「どこからって言われてもな……」
そういえば自己紹介がまだだった。なんて思いつつ、夢と全く同じ展開に自然と笑みが浮かぶ翔だった。
デートコースとして最初に訪れたのは洋服屋だった。
「とりあえずあれと、あれで。他何か似たタイプで流行りのあったりする?」
「あの、さすがに悪いような」
てきぱき店員と話していく翔に、月は狼狽えを隠せなかった。
夢の中では散財もアリだろうが、現実ではそうもいっていられない。
「月ちゃんはそういうの気にしなくていいんだって。それにこういうの、初めてじゃなかったろ?」
「あ、ぅ……そうですが」
無論夢の中でのことだが、確かにこういうことは何度かあった気がする。しかし夢の中でも、そういったことを受け入れられるまでかなり時間がかかっていたような。
「あ、本当。サイズがぴったり」
着替えを手伝ってくれる店員がそんなことを言う。もちろん月は何も申告していない。翔が言ったに決まっている。サイズの完全把握。もしかして、とてつもなく恥ずかしい状況ではないだろうか。月は頬に熱が灯るのを感じた。冷静な思考など紡げるはずもない。
――思えば、いろいろ話をしましたよね。
好き嫌いや、出会う前のちょっと恥ずかしかったエピソードもしていた気がする。もちろん翔の話も聞いているが、夢の中、それもある程度成熟した年齢になってから言えたものもある。いわゆる時効モノだ。
しかし現実の年齢ではいまだに赤面モノも多々ある気がする。
「似合うでしょうか……?」
「お、いいぜ。月ちゃんにはやっぱ似合うなー。あ、次はこれも着てみよう」
そのせいか、妙に断りづらい。意外と楽しくもあるのだが。
――そうですよね、夢の中とはいえ、あの人と私は……
次の服に着替えながら、人知れずあれこれ考える月だった。
翔の着せ替え人形となった月。
しかし、さすがにその服に硬直した。
「え、この服ですか?」
キラッキラのフリッフリで、なおかつ大胆な衣装。たぶん、普段の服の趣向とは540度ほど違う。
「ダメか? もっとすごいのも着てくれたろ?」
「あ、ぅ、確かに夢ではその……」
詰まる月。翔の背後では店員がさすがに「え、これよりすごいのを?」という顔で浮かべている。
「わ、わかりました」
視線に耐えきれず、試着室に入る。入ってしまった。服を見る。可愛らしさもあるが、薄い個所が透けて見え、首元からおへそまでの直線ラインがうっすら見えるようになっていた。着た自分を想像する。
「……さすがにこれは、無謀では」
しばし月は悶々とした。
「またのご来店、お待ちしております」
店員に見送られて、二人は洋服屋を後にする。
「月ちゃんのいろんな姿が見れて良かったぜ」
「恥ずかしくて死にそうでした……」
楽しそうな翔と目を回しそうな月。
次にやってきたのはフードコートだった。体を冷やさないようにと温かいドリンクを注文し、座る。互いに口に含んで一息ついた。翔が月の様子に微笑する。
「現実の月ちゃんも、夢の中の月ちゃんと変わらないな」
「それは、翔さんもです」
現実じゃ初対面。だが夢では知り合っての月日が長い。自然、話題は夢の話になった。
最初の出会いは刺激的。その後二人は結婚をするのだが――
「一番印象が強かったのはウエディング姿だったな。大勢の人の前でスポットライト浴びてたよな」
「あ、ぅぅ……その、流石に恥ずかしいのです……」
最初の逆壁ドンの勢いはどこへやら、月は思い出しては狼狽えっぱなしで、翔はそんな彼女を微笑ましく見つめる。
飲み物で温かくなれば、次は並ぶ店の散策だった。夢の中で一緒に来た場所。夢の中では消え、行きたかったねと話していた料理店。そしてゲームコーナーでは、翔が射撃の腕を、月が反射神経を披露する。
その様子は、まるで長年の付き合いがあるかのような――そんな初デートだった。
だが、楽しい時間もやがて終わりが来る。
楽しんでモールを出た頃には外はやや薄暗く。相変わらずの雨が降り続いていた。
「……まだ、雨が降っていますね」
「みたいだな。確か月ちゃんの家ってあっちだったよな?」
そう言って傘を差す翔に、月は目を見開く。
「送っていただけるのですか?」
「もちろん。良ければ隣でエスコートしてくれると嬉しいぜ?」
「ええと……こう、でしょうか」
相合傘の状態になって、二人は歩き出した。
しばらく、雨の音のみが二人を支配する。
(ま、流石に夢の中の事を現実でも、というのは虫が良過ぎるけどよ)
夢の中だからといって、伊達や酔狂で結婚した訳ではない。
あの時確かに感じた情を、今日のデートで翔は感じていた。
そして、きっと彼女も――
(月ちゃんさえ良かったら、こっちでもまた誘って良いよな?)
でも、まずは気軽にそう聞こう。
翔がそう思って月を見ると、彼女もまた彼をじいっと見つめていた。
「翔さん、本日はありがとうございました。その……聞いていいでしょうか?」
「なんだい、月ちゃん?」
月は、その言葉にそっと、切り出した。
「夢がきっかけでお付き合いするのは、間違っているでしょうか……?」
思わず翔は足を止めた。驚きが苦笑に、やがて笑い声が漏れ出た。不思議そうな月に、笑ったまま頷く。
「いいや、間違ってないぜ……これからもよろしくな、月ちゃん」
壁ドンといい、月は翔より積極的なようだった。
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年07月08日
参加申し込みの期限
2015年07月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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