Welcom to our Wedding Party｜リアクション

Welcom to our Wedding Party

　ほぼすべてのプログラムが終わり、徐々に女性陣がそわそわと一か所に集まり始める。
　理紗子と真瞭も、そしてその中にはそれまで裏方にずっと回っていた時子の姿もあった。
「それではお待ちかね。新婦によるブーケトスです！」
　そんなブーケトスの盛り上がりを遠巻きに眺めながら、料理をすべて作り終え一息つく森。
　そこへ、お疲れ様、とお茶を持ってくる桜子。
「いいわよね。結婚って。全然関係ない私まで幸せにしちゃうんだもの」
「日本国憲法第24条1項によると
　『婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、
　相互の協力により、維持されなければならない』とありますが、
　結婚の意義は結局のところ愛し合う２人を祝福することだと思います」
「あら、突然深い話ね」
「私の友人には同性愛者の方が多いので、徐々に動きは出ていますが、
　同性婚も認められればいいな、と思ったのです」
「そうね。でも、私たちみたいな人間も段々と受け入れられやすくなってきたと思うし、
　そんなに遠い未来じゃないかもしれないわね」

　葵がブーケを掲げ、いくよー、と声を出す。
　好きな人がいるんだったら行ってきなさい、と桜子が背中を押してくれたのだが、
　時子はこの勢いの中、自分が取れるとは思えなかった。
　しかし、パーティー中に幸せそうに微笑む新郎新婦を見ていると、
　好きな人の顔が浮かび、顔が赤くなってしまうのはどうしようもなかった。
　もしかして、取れたら何か良いことがあるかも？
　そんな淡い期待を抱きながら、えい！　と放られたブーケに手を伸ばす。
　驚くことに、ブーケは時子へと向かっていた。
「やった……」
　ブーケに手が触れ、思わず声が漏れたものの、掴むどころか弾いてしまった。
「あ！」
　という声が消える頃には、ぽさっと理紗子の腕の中に納まっていた。
「え……受け取っちゃった」
「りさちん、すごーい！　次の花嫁はりさちんね！」
　隣で真瞭は喜びの声を上げていたが、理紗子は突然のことに目を白黒させていた。

　後日、寝子島高校の掲示板には
　『立川先生、ご結婚おめでとうございます！』と一面を飾る新聞が掲載されていた。
　その前を通りかかった蜂矢は、新聞の写真を見て満足げに呟く。
「楽しかったな。またやっても、いいかも」
　そして自分の教室へと向かっていくのだった。

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あとがき

担当マスター：マルモロ
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以前友人が知り合いの結婚パーティーに行き、その話を聞いた時に結婚パーティーいいなぁ、と思って書きました。
その時はビンゴ大会やクイズなどいろいろとリクリエーションがあったらしく、聞いているだけで幸せになれたのを覚えています。

ということで初めましての方も、そうでない方もこんにちは。マルモロです。
らっかみの世界では冬ですが、現実世界は夏到来ですね。
みなさま熱中症にはくれぐれもお気を付けください。

今回特に思ったのは、自分がふわっと作ったＮＰＣでしたが、
アクションの中で関係性を作っていただけたおかげで、そのキャラの背景がしっかりと見えてきたことが面白かったです。
書いていきながら、じゃあこういう設定もつけちゃえ、なんていろいろと助けられました。

みんなで何かを作ったり、やりとげたりするのはいいですよね。
そんなことを思いながら、この話を読んでいただけたなら幸いです。
ありがとうございました。

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