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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
そっくりさんが来た
―ｰいったい、どうなってるんだ？
毛利 愁は、あちこちで受ける奇妙な応対に、若干疲れていた。
大学１年、野球とカメラに打ち込む好青年である。
テスト期間に入ったため、気分転換に寝子島に旅行に来たのだ。
そして、それに倍するくらい疲れていたのは、八神 修。
そっくりさん同士の彼ら、あちこちで混乱を巻き起こしていた。
※
「あれ、バイク変えたの？」
「え？」
いきなり親しげに話しかけられ、愁はびっくりする。
何でこの人は、自分がバイクを変えたのを知っているんだ？
「前のバイクは、どうしたんだ？」
「調子が悪いんで……」
「そうか……まだ新しそうだったけどな」
首をひねりながら、愁は走り去る。
●
「あれ、またバイク変えたの？」
「何のことだ？」
少し遅れて、バイクで現れた修。
「前のバイクは、どうしたんだ」
「あまり調子が良くないから、様子をみてるんだ」
走り去ろうとする修を呼び止め、ポケットからビラを取り出す。
「バイクを売るなら、バイク地獄へ！」
「そんなに頻繁に乗り換えるんなら、中古を利用したほうがいいな」
「いや……そんなに頻繁ってわけでは……」
「いいから！」ビラを修に押し付ける。
※
「そんなの、シュウ君の方が詳しいでしょ？」
「わけわからないよ！」
猫のいる場所を尋ねられた少女は、唖然とした顔を向ける。
家の中で、たくさんの猫に囲まれ、なぜか大量の猫に懐かれる修の猫好きは、つとに有名だ。
そんな彼に『猫のいる場所を教えてくれ』と言われても、困惑しかない。
悩む彼女。彼女も猫は嫌いではない。
――ふいに、あるマンガの一シーンが、少女の脳裏によぎった。
ある横柄なラーメン屋を訪れた主人公。
「こんなのは本当のラーメンじゃない。本当のラーメンをお見せしますよ」
―ｰ挑戦？
礼儀正しい修は、そんなことは口にしないが、猫を探しているというのはそういう事ではないか？
真剣に考え始めた少女を、愁は薄気味悪そうに見ながら、そっと離れる。
●
「――修君」
「え？」
「ごめんなさい。私に本当の猫はわからない」
だしぬけにそういわれ、修は唖然とする。
「完敗ね。でも、私も見たくなった。修くんの言う『本当の猫』を……」
「猫？」
「これくらいしか、私にできることはないけど」
そういって少女の取り出したのは、キャットフードの山。
※
「温泉の場所を教えて」
「……え？」
「温泉。行ってみたいと思ってるんだ」
愁の質問を受け、彼女はキョトンとする。
八神 修。彼のことは知っている。
先ごろは生徒会副会長にも選ばれ、休む間もなく働き続けている。
彼が、温泉の場所を知らないなんて、あるわけはない！
（―ー彼は、疲れてるのよ）
ああ、そうだ。
彼が探す温泉とは、寝子島の温泉でも、ましてこの世のものでもない。
思えば彼は、随分と精力的に働いているというではないか。
腑に落ちない顔をしている愁を、彼女は黙って見送る。
●
――いったい、どうなっているんだ？
中古バイクセンターのチラシと、キャットフードを山と抱えながら、八神 修は疾走する。
若干喉のかわきを覚え、傍らの自動販売機に停車する。
「あの……」その時、傍らから一人の少女が歩み出る。
訝し気にそちらを見る修。同級生らしいが、あまり話した覚えはない……。
つと歩み寄ると、彼女は山盛りいっぱいの入浴剤を渡した。
「何だ、これは……」
「温泉は、あなたの求める温泉は、貴方の心の中よ」
きっぱりと言い切る少女。
「今は、ゆっくり休んで。この『ミックスブレンド・氷結地獄の湯』はおすすめよ」
※
「あ、先ほどはどうも」
「え……すみません、どちら様でしょうか？」丁寧に答える温水さん。
「えーと、貴方に背後から襲われた……」
数十分ほど前、猫を探していた愁は、背後から襲われた。
「修くん、元気？ ……て、うげっ！」いきなりどついたかと思うと、アホ毛の少女は走り去った。
「人違いです、すみませんー！」と叫びながら。
微妙な違いからも、本人とそっくりさんの違いを見分ける。妙なところだけ鋭いののこ。
「あ、それ、私ではないです」
「え？」
「どうも、そっくりの方がいるらしくて……」
そういって温水さんは、げっそりして見せる。
「そうか……そっくりさんか」愁は頷く。
なんだか妙なことに巻き込まれた同士、互いに立ち話である。
「あ、その手首……」温水さんは、愁の怪我に気づく。「バイクなんて乗って、平気ですか？」
「もう、ほとんど治ってますから。家にいると、野球の練習をしてしまうから……」
「若いからといって、無理なさっては駄目ですよ」窘める温水さん。
修に説教するののこ。
なかなか、見ごたえのある情景だ。
毛利 愁は、あちこちで受ける奇妙な応対に、若干疲れていた。
大学１年、野球とカメラに打ち込む好青年である。
テスト期間に入ったため、気分転換に寝子島に旅行に来たのだ。
そして、それに倍するくらい疲れていたのは、八神 修。
そっくりさん同士の彼ら、あちこちで混乱を巻き起こしていた。
※
「あれ、バイク変えたの？」
「え？」
いきなり親しげに話しかけられ、愁はびっくりする。
何でこの人は、自分がバイクを変えたのを知っているんだ？
「前のバイクは、どうしたんだ？」
「調子が悪いんで……」
「そうか……まだ新しそうだったけどな」
首をひねりながら、愁は走り去る。
●
「あれ、またバイク変えたの？」
「何のことだ？」
少し遅れて、バイクで現れた修。
「前のバイクは、どうしたんだ」
「あまり調子が良くないから、様子をみてるんだ」
走り去ろうとする修を呼び止め、ポケットからビラを取り出す。
「バイクを売るなら、バイク地獄へ！」
「そんなに頻繁に乗り換えるんなら、中古を利用したほうがいいな」
「いや……そんなに頻繁ってわけでは……」
「いいから！」ビラを修に押し付ける。
※
「そんなの、シュウ君の方が詳しいでしょ？」
「わけわからないよ！」
猫のいる場所を尋ねられた少女は、唖然とした顔を向ける。
家の中で、たくさんの猫に囲まれ、なぜか大量の猫に懐かれる修の猫好きは、つとに有名だ。
そんな彼に『猫のいる場所を教えてくれ』と言われても、困惑しかない。
悩む彼女。彼女も猫は嫌いではない。
――ふいに、あるマンガの一シーンが、少女の脳裏によぎった。
ある横柄なラーメン屋を訪れた主人公。
「こんなのは本当のラーメンじゃない。本当のラーメンをお見せしますよ」
―ｰ挑戦？
礼儀正しい修は、そんなことは口にしないが、猫を探しているというのはそういう事ではないか？
真剣に考え始めた少女を、愁は薄気味悪そうに見ながら、そっと離れる。
●
「――修君」
「え？」
「ごめんなさい。私に本当の猫はわからない」
だしぬけにそういわれ、修は唖然とする。
「完敗ね。でも、私も見たくなった。修くんの言う『本当の猫』を……」
「猫？」
「これくらいしか、私にできることはないけど」
そういって少女の取り出したのは、キャットフードの山。
※
「温泉の場所を教えて」
「……え？」
「温泉。行ってみたいと思ってるんだ」
愁の質問を受け、彼女はキョトンとする。
八神 修。彼のことは知っている。
先ごろは生徒会副会長にも選ばれ、休む間もなく働き続けている。
彼が、温泉の場所を知らないなんて、あるわけはない！
（―ー彼は、疲れてるのよ）
ああ、そうだ。
彼が探す温泉とは、寝子島の温泉でも、ましてこの世のものでもない。
思えば彼は、随分と精力的に働いているというではないか。
腑に落ちない顔をしている愁を、彼女は黙って見送る。
●
――いったい、どうなっているんだ？
中古バイクセンターのチラシと、キャットフードを山と抱えながら、八神 修は疾走する。
若干喉のかわきを覚え、傍らの自動販売機に停車する。
「あの……」その時、傍らから一人の少女が歩み出る。
訝し気にそちらを見る修。同級生らしいが、あまり話した覚えはない……。
つと歩み寄ると、彼女は山盛りいっぱいの入浴剤を渡した。
「何だ、これは……」
「温泉は、あなたの求める温泉は、貴方の心の中よ」
きっぱりと言い切る少女。
「今は、ゆっくり休んで。この『ミックスブレンド・氷結地獄の湯』はおすすめよ」
※
「あ、先ほどはどうも」
「え……すみません、どちら様でしょうか？」丁寧に答える温水さん。
「えーと、貴方に背後から襲われた……」
数十分ほど前、猫を探していた愁は、背後から襲われた。
「修くん、元気？ ……て、うげっ！」いきなりどついたかと思うと、アホ毛の少女は走り去った。
「人違いです、すみませんー！」と叫びながら。
微妙な違いからも、本人とそっくりさんの違いを見分ける。妙なところだけ鋭いののこ。
「あ、それ、私ではないです」
「え？」
「どうも、そっくりの方がいるらしくて……」
そういって温水さんは、げっそりして見せる。
「そうか……そっくりさんか」愁は頷く。
なんだか妙なことに巻き込まれた同士、互いに立ち話である。
「あ、その手首……」温水さんは、愁の怪我に気づく。「バイクなんて乗って、平気ですか？」
「もう、ほとんど治ってますから。家にいると、野球の練習をしてしまうから……」
「若いからといって、無理なさっては駄目ですよ」窘める温水さん。
修に説教するののこ。
なかなか、見ごたえのある情景だ。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年06月21日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年06月28日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年06月28日 11時00分
