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秋の日に、ブライトグリーンで
本より貴女。
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●嫉妬の心は蜜の味
神野と十文字が語らっているころ、店内窓際の交差椅子には
花風 冴来
と
酒浸 朱蘭
が腰掛けていた。
普段と違う、お揃いの服に身を包む二人。
酒浸は別にアルコール類を頼んだわけではない(未成年だから頼めない)のだが、いつものごとく酔っぱらっている。
それもそのはず、頼んだ紅茶にろっこんを使っていたのだ。
お酒の図鑑を見ていた酒浸は、ムーンライトの名前に少し前の出来事を思い出す。
神魂の気まぐれで月面へと投げ出された二人は、古くに伝わる伝承の姫、かぐや姫に出会った。
そこで花風のとった行動の真意を、まだ酒浸は正確に知らない。
ただあの時、花風が自分ではなくかぐや姫を選んだように見えて、抜きそびれた木のとげのように酒浸の心に引っかかっていた。
後ろからあたたかい重みを感じ、続いて首筋に息がかかる。くすぐったそうに身をよじりながら、酒浸は近づいてくる花風の頭をよけた。
「お、ん、んー? 冴来? なんだよおい」
「なんでもないよ! 何か良さそうなお酒は見つかった?」
そういって身を乗り出し、お酒の図鑑をのぞき込む。
「ムーンライト……綺麗な名前ね。どんな味がするのかしら」
どうやら、酒浸の関心を引くものは何でも知っておきたいらしい。身を乗り出してのぞき込む花風から軽く本を離し、閉じる。
「ねえ、あっちのペアシートに移らない?」
そうお願いする花風。せっかく喫茶店に来たのに、酒浸はあえて交差椅子に座り、先ほどから本や図鑑ばかりを相手にしている。このままではあまりにも寂しすぎるわと、彼女は懇願した。
しかし、酒浸は一旦そのお願いを退けた。
「冴来。少しだけ、このまま……背中合わせのままで話さないか」
酒浸がつれない態度をとっているのには、きちんと理由があった。
酒浸の声に普段どおりではないものを感じ、言葉が出てくるのを待つ。
「なあ……冴来」
じらすように言葉を選び、ようやっと切り出した酒浸の言葉に、花風は息を詰まらせた。
「なんであの時、不老不死の薬を手に入れようとしたんだ?」
その一言で、花風は彼女のつれなくしている理由のすべてを悟った。
かぐや姫を酔わせて取り入ろうと、ろっこんの液体をもって姫に近づいた花風。その時そばにいた酒浸に、花風はなんら真意を伝えないままでいた。その場にいた者たちは酔いしれ、しだいに理性を手放していった。愛しの花風の肘が、体が触れ合い、着物まで取り替え、あらわになり……そうまでして何故かぐや姫に取り入ろうとしたのか。その時そばにいた酒浸には、訳の分からぬままそれを眺めるしかなかったのだ。
目に涙を滲ませ、間に割って入った酒浸の表情は今でもありありと思い浮かぶ。
ーーこのまま、冴来が、月に残ってしまうんじゃないかと思ったから――
そんな嫉妬心にかわいさすら覚えていたが、あのできごとは酒浸の中では未消化のまま残っていたのだ。
親友でいたいと思うならば、正直なところを話さなければならないだろう。
「……手に入れたらね、皆に飲んでもらおうと思っていたの」
ぽつりと語り始める花風の声に、酒浸は耳を傾けた。
「誰にも、私より先に死んで欲しくはなかったから。もし手に入るのならって、あの時はそう思ったの」
あの時口にできなかった真意を語る花風の声に、酒浸はじっと耳を傾けた。
「でも、今思うと身勝手だったかもしれないわ。永遠に老いず死ねずっていうのも苦しそうだし、手に入らなくてよかっーー」
そこまで語り終えた時、ふーっ、と耳に息が吹きかけられ、びっくりして花風は語るのをやめてしまった。
「やっ……な、なに?」
様々な思いが去来したのだろう。こちらを見つめる酒浸の顔は、笑顔とも半泣きの顔ともつかない複雑な表情をしていた。
「あたしは、さ。冴来ともっと一緒にいたいって思ってる。なのに、あたしだけが延々と長生きするなんてフェアじゃないぜ」
欲しいものはなんとしてでも手に入れようとする花風の性格を、酒浸は決して嫌ってはいない。ただ、一人で暴走して置いてけぼりにされるとなると、話は別だ。
「だから……そういうのは今度から、ちゃんと相談すること! わかったな?」
「うん……そうよね、ごめんなさい」
そう言い含めてみても、なにやら非常に照れくさい本音を聞かされた身としてはどうにもしまらない表情になってしまう。再び顔を背け、ほとぼりをさまそうと深呼吸をする……この時ばかりは互いに背もたれが逆のこの椅子がありがたかった。
照れくささのあまり訪れた沈黙を、花風がやぶる。
「そういえば、私さっき変な夢を見たわ」
「変な夢?」
「ええ。看護婦になって患者さんに注射をする夢よ。なかなか楽しそうだと思わない?」
看護婦、ねえ……そうつぶやき、少し考えてから、酒浸はこう答える。
「ナースだったら、この顔の熱をとって欲しいくらいだぜ」
「熱……?」
酒浸の頬に頬をすりよせて、確かめる。確かに火照るように熱い。
「この温度は、貴女が生きている証ね。いとおしいわ」
そんな台詞を聞いては、酒浸もますます平常心でいられなくなる。こんな事になったのも、きっと普段と違ういろんな空気のせいに違いない。気恥ずかしさを振り切るように、酒浸は強引な口調でこういった。
「あとで責任とって、飲み直しの宴会につきあってもらうからな……逃がさないから、覚悟しろよな?」
「逃げたりするわけないじゃない。私は貴女が大好きなんだから」
酔っているのかこれが彼女たちの素なのかも、傍目にはもはやわからなくなっていた。この二人は相手の独占欲すらも独り占めしてしまうのだろう。
「おいしかったぜ。ごちそうさん!」
会計をすませ、酔っ払いのように仲良く肩を組んで去っていく二人を、取り残されたように御巫が見送る。
「ありがとう、ございまし、た……お酒メニュー、出してないですよ……ね……?」
「あらあら、仲睦まじいこと。若いっていいわねぇ~」
二人の去ったあとで、みどりはのんきにそう呟いていたという。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
詩帆ミチル
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月26日
参加申し込みの期限
2015年07月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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