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秋の日に、ブライトグリーンで
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●家庭教師の悩み
エノコロ岬を抜けシーサイドタウン方面へ向かう海岸沿いの道路に、一台の車が停められていた。
「えっ……そう、でしたか。ええ……はい、お大事にとお伝え下さい」
車を路肩によせ、携帯で受け答えしていた
二宮 彰斗
は、落胆に似た表情で通話を切った。
「体調不良か……気の毒だけどどうしようもないな」
これから家庭教師をしに向かう予定だった生徒が、風邪を移されて寝込んでしまったらしい。仕方のないことだが、こうしたドタキャンが入るたび彰斗も困ることになる。今からではかわりの授業は入れられない。次の訪問先へ向かうのは午後六時。それまで時間だけが過ぎていくこととなる。
「まいったな……どこで時間をつぶそうか」
一種の教職である以上、くしゃくしゃのスーツで伺うのは避けたいし、かといって自宅に帰っている時間もない。くつろげる場所があればいいのだが。
「……そういえばさっき、よさげなカフェを見かけたっけ」
開店したばかりの真新しいカフェは二宮の印象に残っていた。
彼が店前を横切った時はちょうど女の子二人組――
神野 マキナ
と
十文字 若菜
――が出てくるところだったが、彼女らの満足そうな顔を見るに期待をしてよさそうだ。
折りしも次の訪問先は星ヶ丘、適当なタイムパーキングに車をとめれば向かえそうだ。
店の前まで車を折り返し、近くの駐車場に車を停める。中に入るとあたたかい店内の空気が身を包んだ。
「いらっしゃいませー。お好きなお席へどうぞー」
愛想のよい店主の声に導かれ、スーツ姿だからとあまり沈まなさそうな席を選ぶ。
メニューを開くと、ケーキメニューが予想外に豊富だった。よりどりみどりなのは嬉しいが、今は早めに注文をして落ち着きたかった。
「すみません。この中だと、どちらのケーキがおすすめですか」
御巫にそう尋ねると、今の売れ筋はモンブランで、それ以外だとショートケーキもおいしいと教えてくれた。
「じゃあ、ショートケーキの紅茶セットで」
乾いたのどをお冷やで潤し、ゆっくりと息を吐き出す。
あくせくした気持ちを落ち着けてくれる不思議な店だと、二宮は感じた。
待っている間に手帳を開いてスケジュールをみると、次のTONYACの試験日が一週間後に近づいてきていた。
(あと七日か……問題集を一周するとなると、睡眠時間を削るしかないな)
このテストはいかんせん、問題の量が多いのが特徴だった。じっくり読むのではなく瞬時に情報を拾う力が試される、主にビジネス向けの試験サービスだ。
学生だけでなく大人向けの講座を持ちたい彰斗としては、TONYACの受験は避けては通れない。
TONYACのスコアアップ講座はオフィス勤めの人たちに根強い人気があり、講座の枠を獲得できれば非常にやりがいのあるビジネスになるだろう。
勉強時間の限られているビジネスパーソンのスコアを一気に引き上げる――口で言うと簡単に思えても、楽ではない。人に何かを教えるには、三倍~十倍の知識を知ってなければならないという話をどこかで聞いた。
(人に勉強法を教えようと思ったら、自分が勉強に精通してないと難しいからね……まずは僕が頑張らなくっちゃ)
決意を固めて手帳を閉じたところで、御巫がケーキを運んできた。
届いたケーキを倒さないように食べ、最後のひとかけらを名残惜しそうに口元へと運ぶ。
ふと思いついたことがあり、二宮は再度スケジュール帳を開いた。カレンダー部分の特定の日に、赤ペンで印を付けていく。
「この日と、この日……ここもだ」
日付を囲むように書かれた小さなハートマークの意味するところは彼だけが知っている。
思い浮かべるのは家庭教師先の、ある生徒の顔だ。慕ってくれるその子を親身になって教えるうち、二人の関係は教師と生徒という単純なものではなくなっていた。
(こんな小さな記号じゃ表せないくらい、愛してるつもりだけどね)
思わず顔がにやけそうになる……が、手帳のハートを見られた時点で大抵の人には察しがつくだろう。
立場上、誰かに盗み見られてはまずい。ペン尻の部分でこすれば、ハートマークは摩擦で跡形もなく消え、カレンダーは元の味気ない姿へと戻った。
(……ああ、年下の恋人ってつらい)
禁断の恋とはわかっていても、時に人はそれをコントロールできない。書き表すこともかなわないこの気持ちが、どうにももどかしかった。
腕時計に目をやると、時刻はまもなく5時半を指そうとしていた。
移動時間も考えると、そろそろ店を出た方がいいだろう。
「すみませーん」
キッチン奥に向けて声をかけると、ぱたぱたとオーナーのみどりが駆け寄ってきた。
お札と小銭を置こうとしてキャッシュトレイを見ると、猫の置物が「寒い中ご来店ありがとうございます」と書かれたカードをくわえていた。お天気によって中身を変えているのだろうか。尋ねるだけの時間的余裕はなかったが、芸の細かさがなおさら印象に残った。
「ご来店ありがとうございます! またお越しくださいね」
「どうもー、ごちそうさまでしたー」
一時は萎え気味だった気力も、今はみなぎっている。十分にくつろいだおかげで、次に受け持つ授業にも身が入りそうだ。
秋空を見上げ、舞い散る葉っぱが風に運ばれていくのを眺める。
(いいカフェだったね……覚えとこ)
乗り込んだ車の中で手帳にブライトグリーンの店名を控え、二宮は星ヶ丘駅周辺をあとにした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
詩帆ミチル
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月26日
参加申し込みの期限
2015年07月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年07月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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