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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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郡トモエはまだ会場にいて、大人の世界を垣間見ていた。途中、男性から、
「おっと、一人の女の子発見。なあ、おしゃべりでもせえへん?」
と声をかけられたものの、
「あれっ!? 清一郎ちゃん?」
旧知の相手とわかってトモエは素っ頓狂な声を出した。彼はクラスメート、須藤清一郎であったのだ。仮面をつけているとはいえ、特徴的な関西訛りの口調ですぐに彼だとわかった。自分がトモエであると明かすや、
「なんやあんたか……子どもはもう寝る時間やで」
と、清一郎のほうはどうやらナンパする気が失せたらしい。多少会話はしたものの、
「ほな」
簡単にそう告げて、片手を上げて去ってしまった。
とまあこのように、清一郎とのいまいちピリッとしないやりとりはあったが、他人との接触はその程度に留まった。それ以後一時間ほどトモエは、綺麗な女性や格好いい男性、これをとっぷり観察してすごしたのである。
だがまたしばらくして、
「あれは……?」
だしぬけに、トモエはクラスメートの戌井創を見つけたのでビクッとした。
隠れる必要はないはずだが、慌ててテーブルの下に身を伏せてしまう。
なぜって彼が、恋人と思わしき女性と一緒に踊っていたからである。妖艶な女性だ。明らかに歳上だろう。
――人は見かけに……いやいや、それは失礼というものだよ。
でも、いいなあ、とうらやましく思うのも事実であった。
トモエには好きな人がいる。ここでその名前は明かすまい。『彼』はとても明るくて、目立って、たぶん女性によくもてた。
――『彼』だって、あんな色っぽい女の人がいいはずだよね……。
チークを踊る創たちを見ながら、トモエは憧れの『彼』のことを思うのである。
よしせっかくだから――とトモエは思った。
誰か男性と踊ってみよう。いい女への第一歩だ。
ダンスフロアにトモエは下りた。
「やっぱ清一郎ちゃんに頼んでみようかなあ……あれ、どこ行ったかな?」
困った。クラスメートの清一郎ならまだしも、知らない男性に声をかけるのは勇気がいる。
女の人ならいいけれど……踊ってくれって頼むのは変な気がする。
とすれば中性的な顔立ちの男性とか……虫が良すぎるか?
しかしちょうど、そこに少女のような顔立ちの給仕さんがきたのである。ぱっと見は美少女だが、ボーイの衣装であるから男性に違いない。マスクはしていない。
「あ、あの……!」
どきどきしながら、トモエは彼(だよね?)に話しかけた。
「はい」
思った以上に女っぽい声で彼は応じる。
「踊ってもらえますか……私と?」
ところがボーイさんは身分証を見せて、
「申し訳ありません。私はスタッフです。今日は臨時の雇われではございますが、お客様が大いにお楽しみになられるよう、しっかりとお勤め致しております」
きびきびした口調で述べたのである。身分証の名前欄には『八咫鏡』とあった。
「ですのでダンスの相手はご容赦を。職務があります故」
キリっとした口調の鏡に、うかつにもトモエの胸は高鳴った。『彼』とはタイプが違うが、はっきりいって格好いい……。
「ああ、じゃあ、あのう……その……」
「ですがお客様、お客様のダンスのお相手を探すことなら致します。どのような方がご希望か申し上げてください」
鏡ちゃんがいいんだけどなー、と言いたいのをこらえてトモエは告げた。
「いえ、特にえり好みはしない……です、けど……優しそうな人だったら嬉しいです」
「了解いたしました」
さっと鏡はその場を去った。
深林真瞭がステージに上がった。半仮面をつけた悪魔の扮装で。
弓を握りヴァイオリンを弾き始める。管弦楽の伴奏こそ録音だが、主役となる旋律は真瞭が刻むのだ。
「まーちゃんの演奏、生で聴くのは何年ぶりかな……」
深倉理紗子はそんな真瞭を見守っていた。やはり壁の花として。
楽曲は、ハチャトゥリアン『仮面舞踏会』第二曲『夜想曲(ノクターン)』、静かに物想いに耽るのに向いた曲だ。でも彼女の解釈で、その静謐さから胸に眠れる情熱を呼び覚ますような感じに演奏してゆく。
踊るに適した曲ではなかった。しかし扇情的なその演奏は、参加客の耳を引き、動きを止めた。さすが一流奏者である。
理紗子は物思いにふけっていた。かつて高校時代、よく真瞭と二人、思うままに音楽を奏でたものだ。その頃、理紗子の担当楽器はフルートだった。
あれから長い月日が経った。
あの頃語り合った夢を真瞭も自分も実現できた、と思う。
けれどその結果こんな未来が待っていたなんて、その頃は想像だにしなかった。
頑張れば夢は叶う……安っぽい流行歌はすぐそれを言う。
その是非は問うまい。
けれど叶ったとして、それは幸せなのか。悩みはなくなるのか。
そのことを流行歌は歌わない。
演奏が終わったとき、理紗子は率先して拍手を送った。するとまだ一曲済んだだけだというのに、真瞭がステージを降りてきたではないか。
「そろそろ頃合ね、りさちん」
「頃合い?」
「見てるだけじゃ、物足りなくなったんじゃない?」
と言って真瞭は、理紗子の手に何か握らせた。
それはフルートだった。
「これって……?」
「こっそり用意しておいたの」
真瞭は理紗子に耳打ちする。
「久しぶりに聴かせてよ、りさちんのフルート」
そして彼女は、やや強引に理紗子をステージに上げたのである。
「自分一人だけ演奏するのもつまらないし、こうなったらりさちんにも付き合ってもらうわよ」
紹介します、と客席に向かって真瞭は告げた。
「私のパートナー、りさちんです」
賛意を示す拍手がぱらぱらと鳴った。
「リードは私が弾くから、ついてきて」
問答無用という感じだ。颯爽と真瞭は弓を躍らせはじめた。
「あれ? この曲……」
理紗子はすぐに気がついた。そうして吹き始めた。
これは高校二年生のとき、二人で奏でた思い出の曲だ。
音楽が記憶を呼び起こす。
……あの頃理紗子は、毎日のようにのしかかる親からのプレッシャーに耐えられなくなっていた。優秀な兄と姉に比べられる日々、精神的に壊れてもおかしくない状態だった。
――見かねたまーちゃんが、「はい、これで気分転換しよ」と渡してくれたんだよね……。
渡してくれたのは一本のフルートだった。それをまた、こうして吹いている。
そして今奏でてるのは真瞭が作曲した……とても、とても優しくて……素敵な旋律。
情熱的なヴァイオリンと、繊細なフルートが絡み合うその曲の名は「Je t'adore.」(仏語:大好き)という。
今度は優雅なワルツ調だ。しかも、一度聞けばすぐに覚えられるようなキャッチーな旋律だ。たちまち人々が思い思いに踊り始めるのが見えた。
フルートを持つ理紗子の手が、震えた。息が途切れないよう、懸命に吹かなければならなかった。
――まーちゃん……ありがとう……わたし……まーちゃんのこと、大好きだよ……。
そうしないと想いがあふれて、演奏が狂ってしまいそうだったから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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