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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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この夜、長く緋紅朱赫乃は壁の花として過ごした。同行者はない。ともにあるのはただ、りんごのパイやストレートティーであった。
人の多さにたじろいで、最初の一歩を踏み出せなかったのである。
ただ立って、黙って、赫乃は輪を眺めていた。一対の男女がかたちづくる華やかな踊りの輪を。
見知らぬ同士の輪もあろう。
恋人同士の、仲睦まじき輪もあろう。
恋を失ったばかりの身として、とりわけ後者を見るのは心が痛んだ。
けれど感傷にひたるばかりで、なにか得られるものがあるだろうか……いよいよ終幕の時間が迫ってきたとき、赫乃は挑戦しようと心を決めた。
一歩を踏み出さないと、そう意気込んで参加を選んだのだ。踏み出すのは、今だ。
ヴァイオリンとフルートの合奏、これが小気味良いワルツ曲を刻んでいた。
ダンスフロアに降りた彼女に、
「一緒に、踊りませんか?」
タイミング良く声をかけた者があった。
灰色のもふもふしっぽと大きい耳、白ドレスシャツに大きなリボンタイ、黒いロングブーツに、もふ毛飾り……。
どことなく、彼はプリンの香りがした。でなければカスタードか。
仮面の下の素顔はわからない、彼が蜂矢時生であることを、赫乃は知らない。
「真っ赤な、ドレスの、妖精さん……かな? 綺麗だね」
そうすることが当然のように、時生は赫乃を褒める。
「あり……がとう、ござい、ます」
おずおずと赫乃は微笑み、手を差しだした。
時生はダンスには覚えがある。かつて海外にいた頃は、踊る機会も少なくなかった。
「懐かしいな、踊るうちに、思い出して、きた」
「思い、出した……?」
「ああ、昔とった、杵柄とでも、言えばいいかな……」
それ以上は時生は語らず、赫乃を優しくダンスに引き込んでいくのである。
常闇月は仮面を顔に下ろしたまま、柱の陰より赫乃を見つめていた。
それまで頭に装着し、顔を出すようにした仮面を被りなおしたのは、それがこの舞踏会のルールだと聞いたからである。けれど同時に、顔を隠す必要も満たせた。そうと悟られぬようにして赫乃を見守るために。
赫乃がついにダンスフロアに入り、そして首尾良く、仮装の男性が彼女を誘ったところをしかと確認した。そうして二人が、やがて踊りの輪を生み出すところまで目撃した。
――懸念は少し、晴れましたね……。
いくらか胸をなで下ろす月なのである。
どうしても赫乃が踊りに踏み出せなかったり、踏み出せても彼女を誘う者がなかったりすれば、自分が行ってダンスパートナーを務めるつもりだったのだ。
赫乃のことが気になるから、月は椿美咲紀たちの誘いを丁重に断った。赫乃の傷ついた心……それを自分はどうすることもできないが、けれどこれ以上、心を痛める彼女を見たくなくて、ついその足取りを追ったのである。
そして今……もう大丈夫、とは言わないが、無事に赫乃という船は港を離れた……そんな風に月は考えている。
そろそろ役目は御免、とその場を去りかけた月の眼前に、
「見つけましたっ! 見つけちゃいましたっ! 私のスカルな王子様!」
と、飛びつくようにして滑り込んできた姿があった。
赤いドレス、骨のような半仮面……稲井いおねだ。
いおねは一瞬、興奮のあまり我を忘れかけたのだが、ここですぐに冷静さを取り戻して、
「失礼しました……」
亡霊少女に戻ると、月に向かって丁寧にお辞儀をしたのである。
「踊りませんか? 素敵な死神様……特に、その髑髏のお顔が」
どうやら、月の被っている死神のお面が彼女の心をとらえたらしい。
「私は……女ですよ」
腹式呼吸で息を吐き、月は返答したのであるが、
「ふふふ、それは些細なこと……骨が骨を誘う……そんな夜があっても、いいのではありませんか?」
と、いおねは諦める気はないようだった。
「でしたら……」
月はいおねの手を握った。
それでも意識は、可能な限り赫乃のほうへ向けておく。
休憩がてらダンスフロアから離れて、浮舟久雨と畑生言嗣は海際で夜風を浴びていた。
やはり、悪魔と天使という組み合わせで。
少し乱れた髪をかき上げ、久雨はそこに空気を流す。
そんな彼女を見て、言嗣は心乱さずにはいられない。
――悪魔が、夜の闇に溶けている。幻想的な雰囲気だ……。
そういえばこれを言うのを忘れていたね、と前置きして、彼は彼女に囁いた。
「Trick or Treat」
当然、久雨もこの展開は呼んでいた。
さっと懐から、蝙蝠型の棒付きキャンディーを差し出したのである。
――困ったね。ここはイタズラを期待していたのだが……。
意外に思って、言嗣は彼女の腕を取った。こっちのほうがよほど好みだ。
「は? ええい! 離さんか!」
苛立ったように久雨は声を上げた。彼の手を振りほどく。
「む……なぜかね? イタズラなのでは……!?」
ディスコミュニケーションだ。相克が生じた……かに見えた。
ところがここで、久雨が機転をきかせたのだった。
「そ、それより、私も! Trick・or・Treat!」
彼女は一語ずつ切って、はっきりと告げたのである。
――お返しだ。一体どんな菓子を……。
「ふむ……しかし私は生憎手持ちがなくてね。というのも既にバラ撒いてしまったのだ」
私としたことが、うっかりだね――と笑みがこぼれてしまう。なぜって、
「な、ないだと!? と、言うことは……」
つまり、久雨が「Trick」つまりイタズラをしなければならないということだから。
これは焦る。
――まずい。悪戯の用意は何もしていなかった……むう……あれ、は駄目だな。これも……。
「ははは」
言嗣は声に出して笑ってしまった。
「わ、笑うな!」
「悩む姿が可愛らしいのだから、仕方あるまい? 不可抗力だよ」
「ッ! 言わせておけば……!」
久雨は大胆な行動に出た。
ぐいと言嗣を引き寄せるや、キスを与えたのだ。
といっても、久雨は固く目をつむっており、そのせいでで彼の唇からずれた位置に、しかもごく軽く口付けただけにすぎないのだが。
久雨は素早く彼から離れていた。そして言う。
「っ……これに懲りたら、二度と……わひゃっ!」
……段差につまずいたのだ。けれど久雨はめげない、言い直す!
「に、二度と私をからかうな!」
――キスしてしまった。しかも自分から……唇に……!
久雨の顔は真っ赤だ。穴があったら入りたい。
――む……これは驚いた、やられてしまったよ……。
さしもの言嗣も、しばし呆然と立ち尽くしていたが、
――あの赤面する顔……いかん、これは間近で見なければ……!
と気を取り直し彼女を追う。すぐ追いついて併走する。
「ふふふ、逃げなくても良いじゃないかね!」
「……ッ!? わああぁ! ならぶなーッ!」
「いいじゃないか。その顔、見せてくれ給えよ」
「見るなーっ!」
天使と悪魔の追走劇は、やがて会場から外へと流れゆくのであった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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