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【ハロウィン】寝子島ハロウィン☆デイズ!
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さて『Raton』へ入った檸檬たち一行は、そこで驚異的な光景を目にした。
「あれ見て下さい……!」
最初に気付いたのは縁だった。
若い男性の店員と、スキンヘッドのやはり若い男が相対しているのだ。最初はそれだけだった。しかしここから展開は大きく、意外な方向へと舵を切る。
ピシャッと雷が尖塔に落ちたようなショック!
「なに……お菓子がもらえない、だと……!」
追分義一の声はどこか大袈裟なのだが、それでも喜怒哀楽のうかがい知れないその顔だけ見れば、赫怒しているように見えなくもない。
古人曰く『トリート無き処にトリックあり』、電光石火の早業で義一は尻ポケットに手を伸ばし、ごとりと重いものを引っ張り出した。
そしてつきつける! 店員に。
拳銃だ。黒くて硬くて銃身は短く、台尻ががっちりとした四角。トリガー部は楕円状の穴となっている。アメリカの刑事ドラマに頻出する名銃M1911、通称『ガバメント』と呼ばれるオートマチック拳銃である。オモチャの軽々しさはない。ヘヴィ鋼鉄がかもしだすゴッツリした質感がある。
義一はぴたりと銃口を店員に向けたまま、手慣れた動作でかちりとその撃鉄を親指で起こした。
義一の目に笑いはなかった。当然口元にも、なかった。冷血動物のように瞬きもしない。
――ん?
ぴくっ、と別の店員……ジニー・劉が身を強張らせた。マフィア暮らしの経験からか、どうしても火器には敏感になってしまう。だがうかつに飛び出すより、ここは銃と対峙している同僚、つまり楢木春彦に任せようと判断する。
「うわー!」
ここで春彦は声を上げることにした。せっかくむこうが全力できているのだ。こちらも全力で驚いておきたい。「命ばかりはお助けをー」と、気合いを入れて言っておく。
店内の注目が一瞬で集中した。ジョークと思わなかった人もいるのだろう。店内は水を打ったように静まりかえる。しかし、
「Hasta la vista, Baby」
と短く真顔で言うと、義一がトリガーを引いたとき、すべてが理解されたのだった。
ぽん!
銃口から飛び出したのはこの音と、ちゃちなモール細工の花だけだった。
「ははは、真に迫った銃っすね」
春彦がホールドアップ姿勢のまま笑った。
「お褒めにあずかり感謝。悪戯成功だな」
義一の言葉が緩んでいた。けれども顔のほうはやはり無表情である。どうも彼、表情のバリエーションがあまりないものらしい。その義一に、
「ってうぉ、マジ驚いた! すげーっすね!」
と話しかけたのは六月一日宮檸檬であった。
「悪戯って言っても容赦ないあたり、本当すげー!」
「いや、ちょっとやり過ぎたような気もする。ほら、俺この見た目だろ、もうちょっと穏やかなほうが良かったかも」
「そんなことないない! 手抜きはよくねーっすから。……あ、俺、寝子高1年の六月一日宮檸檬って言うっす。悪戯のタネはこの短刀! 無礼者には『謀反だー!』って脳天攻撃を……でもこれゴム製っすから」
「1年? 俺も寝子高の1年だ。芸術科8組、追分義一」
「なんだタメだったのかー。けど芸術科!? こう言っちゃなんだけど意外というかギャップあるっていうかー」
怒るかと思いきや、義一はつるっと自分の頭を撫でて、
「よく言われる」
と苦笑気味に言ったのである。(けれど顔のほうは無表情であった)
「それで、お連れさんたちは……えーっと、学校で見たことあるような……」
これを聞いて、市橋誉が義一にうなずいた。
「俺も見覚えがあるよ。クラスは違うが芸術科の市橋誉だ。こっちは、俺の兄で奏楽」
「大学生の奏楽だ。皆の若さが眩しいよ」
自分も若いのにそんなことを言う奏楽である。
もらったばかりのお菓子を手に、音無文も言うのであった。
「それでそれで、私は1年3組の音無文です。よろしくお願いします」
ちょっと待て、と義一が口を挟んだ。
「文って言ったか? 文は……この中の誰かの妹とかじゃなかったのか? おまえ本当に高校生なのか?」
プシュー! これは文の頭のてっぺんから湯気が吹き上がる音だ!
文はたちまち、ぴいんと全身煙突になったように直立して抗議したのだ。確かに幼く見られる要素はいっぱいある。文だって自覚はしている。けれども、これだけは言っておきたい。
「レディに対してそんなことを言うようなデリカシーのない人はモテませんよ! まったく、乙女心がわかってませんね!」
そのまま彼女は、くるりと義一に背を向けた。ぷりぷりして店から出て行ってしまう。
「おっと追分、これは追いかけねーと!」
「わ……わかった。檸檬、だったよな、お前は?」
「俺? ハロウィン用お菓子ゲットしてからにする」
にこっと微笑む檸檬なのである。小悪魔的なイイ笑顔だ。
「くっ……俺一人でこの状況か……厳しい!」
大胆な悪戯もするが、基本、三次元の女の子には免疫のない義一だ。文を追って駆け出すのには多少勇気が必要だった。
「いや悪かった。悪気はねえんだ。おいまて怒るな」
こうして店外まで追いかけた義一であるが、
「え?」
振り返った文の顔に怒気はなかった。そればかりか、けろりと憑きものが落ちたようなスマイルである。
「あっ、やっぱりこのプリン美味しいですねぇ……なんかまた子供っぽいとか思いませんでした?」
右手にはプラスチックのスプーン、スプーンの上には、こんもりカスタード色のぷるぷるプリン。なんと彼女は、もらったばかりのプリンをカップから食べているのであった。どうやらプリンによる甘い微笑みで、怒りの雷神はどこか雲に乗って飛んでいったらしい。おかげで文はとろけている様子なので、義一はほっとするやら驚くやら、であった。
そのころ春彦は檸檬と立ち話をしている。
「お、ホズミヤも来たのかよ。大勢で来てくれてサンキューな。レモン味じゃなくても店長さんの菓子はマジ美味いからありがたく食えよ?」
桜花寮で同室の間柄とはいえ、こうやって外でしかもイベントの日に会うと、なんとも新鮮な気がするのだから不思議だ。
「やっぱレモン味ねーのか……でも、もちろん食うのは楽しみにしてっぜ」
さてここで春彦は、檸檬の連れである包帯ぐるぐるの姿に声をかけられた。
「トリックオアトリート」
市橋奏楽だ。
「できれば、このミイラ男たちから、お口直しにちょっとした手品(トリック)をお目にかけたく」
ミイラ男がどんなトリックをするのだろうか、気になったので春彦は「お願いするっす」と応じた。するともう一人のミイラ男、つまり市橋誉が一礼して、自分の包帯を巻いた腕にさっと簡単な鍵盤を描いた。
「奏楽、動くなよ」
と、誉は奏楽の腕にも同じように描いて、これをぽんぽん叩く。
「おっ!」
最初に声を上げたのは、春彦ではなく奏楽のほうだった。楽曲は誰でも知っている『猫踏んじゃった』のあのメロディだ。奏楽も察してすぐに伴奏する。
「すごい手品だな……って、俺が驚いてちゃいけないね」
「そう、手品! 驚いてもらえたのなら光栄至極だ」
「けっこうびっくりしたっすよ。タネはどうなってるんすか?」
春彦は拍手して、興味津々といった亭なのだが、「それは秘密」と誉は軽くかわして、
「素人の手作りですけど……良かったらどうぞ」
かわって奏楽が誉のバスケットから、お菓子を取り出して春彦や紅林柳霞ら店員、それに周囲の客に配るのだった。
そうしてミイラ兄弟は店から出て、義一と文に合流する。
「義一君と言ったね? こうして出会ったのも何かの縁だ……ってこれ、ちょっと前にも言ったばかりだな。実は、俺たちは俺と誉など一部例外を除けば、全員この祭りが初対面なんだ。せっかくだし、義一君も我々のパレードに加わらないか?」
思わぬ誘いに義一は、
「本当に!?」
と思わず聞き返したが、そのときにはもう、心を決めていた。
――真面目そうな話じゃないか。
ここでニヤっとすれば様にもなったろうが、それでもやっぱり、無表情の義一なのである。
「たしかにこのプリンうめー!」
と、甘党な武士、檸檬がカボチャプリンをパクつきつつ、それでは、と提案したのが以下の言葉だ。
「じゃあみんなで、パイ専門店『Huit Feuilles』に行かねー? 俺前からあそこに行ってみたかったんだよなー……アップルパイ以外が食べたくて」
「アップルパイ『以外』?」
耳慣れない表現に、誉が思わず問い返した。すると檸檬は当然のように、
「リンゴは敵! 俺の好みはレモン味だし!」
「なるほどなるほど……では、アップルパイしかなかったとしたら、私が二個もらうことにしましょう」
ふふっと文が茶々を入れる。
「まあ専門店だし、レモンパイもあると思うよ」
奏楽が言うと、
「特製パイの味堪能しなきゃなー!」
檸檬は大いに乗り気で、両腕を振って歩き出すのだった。
そんな彼らのやりとりを、少し離れたところから縁は見ている。普段はあんまり行かないクラスである専攻科の人たちや、大学生の人……みんな個性的で、みんな魅力的だ。しかも、やはり同年代のおかげか、話していたら意気投合もできた。こうやってみんなと、会場を回れるのかと思うと本当に嬉しい。
――普段同じ寝子島にいてもこれだけみんなやってることが違ったり、出会わなかったりって考えると面白いな……。
そんなことをぼんやり、縁は思うのである。
「縁さん、どうしたんです? そんなところで立ちつくして」
文が声をかけてくれた。
「……え? あ……そんなに、私ぼんやりしてました?」
「いえいえ、むしろ、幸せそうに見えました」
ふふっと文は返して、さあさあ、と縁の手を取ったのだった。
「さあ行きましょう! つぎはパイ専門店『Huit Feuilles』ですよ!」
一期一会のこの顔合わせ、初めて実現したこのパーティを、どうかご記憶いただきたい。
偶然がもたらした出会いであったにもかかわらず、そこにはどこか、運命的なものがうかがえようか。
一言でいえば、「絵になる」のである。一枚の写真として残しておきたいくらいに。
美形担当は市橋奏楽、誉の兄弟で、そろって包帯ぐるぐるのミイラ男、乾いた包帯の下はみずみずしい晴れの表情、並んで会話し、そこに見栄えでは劣らない武士こと六月一日宮檸檬が加わって、コワモテ担当の追分義一と熱心に意見を交わしており、一行の中心にはいずれ劣らぬ双つの花、音無文と佐々良縁がいて、座敷童と魔女の扮装で笑顔を振りまいているのだった。
六人のパレードは進む。パイ専門店『Huit Feuilles』を指して進む。
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日常
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定員
1000人
参加キャラクター数
161人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年06月09日
参加申し込みの期限
2015年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年06月16日 11時00分
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