【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！｜リアクション

【ハロウィン】いぬねこ合わせてハロウィンパーティ！！

　　【今欲しい言葉は】

　花火も中盤の山場を迎えて、一帯は光と音で包まれていました。
「遅くなったのだやっと見つけたのだ！　まさかこんな特等席にいるなんて思わなかったのだ！」
　カボチャの海をポンポンとすり抜け飛び跳ねるように、丘の上の一等地に後木真央が到着しました。
「こちらが、ね……王さまで合っているのだ！　そして、こちらがい……しょうぐんでいいのだ？」
　しょうぐんからピコピコハンマーの事情を聞き、皆は神妙な様子で頷きました。

「こんにち…こんばんはだったのだ？　今日は楽しませていただいてるのだみんなに取材したらとっても楽しかったって言ってたのだありがとうなのだこれからも頑張ってくださいなのだ」
　いぬねこのトップは、少し躊躇いながらも同じように頷きます。
　そして、真央はそこに一つ無意識の爆弾を投げ込んだのです。

「質問なのだあなたも楽しんでますかなのだ」

　いよいよ回りは沈黙に沈みました。一番仲が悪いいぬねこ同士が同じ場にいる事は、ずっとこの場にいた周囲が一番分かっていた事。
　そちらを見れば、カボチャ越しでも、
　
「(楽しんでいる。──こいつさえいなければ、より一層！)」

　と睨み合っているのが透け透けです。
　声を出せない時間が少し。連続で散る花火の音だけが響く中、しょうぐんがついに耐え兼ねるように叫びました。

「大体！　貴様と言うヤツは、にん──！」
「にんじんの生産地ーーーっ！！」

夏朝がとっさにそれも差別ＮＧだと判断して前と同様に誤魔化します。
しかし──夏朝当人も不思議に思ったのです。
“いぬ”と“ねこ”以外の種族を見ない世界で、どうして“にんじんの生産地”が出てくるのだろうかと。
　２匹は、夏朝の言葉に我に返って真央に言いました。
　半分本心、半分嘘の嘘部分を必死に隠して、

『ああ、とても！』

「……それは良かったのだ～」
　真央とその場の全員は、真偽はともかく、二つの存在からその言葉が聞けた事に、ほっとした感動を深く覚えたのです。

　それからは、一気に糸が切れたように、皆で楽しくお喋りや花火鑑賞を堪能しました。
　最後に来た真央も、自分のろっこんでがおーという三毛猫を召喚した瞬間にカボチャ帽子を被せ、皆で改めて買ってきた食べ物を一緒に並んで食べ始めました。

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