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【ハロウィン】猫恋、穴場デートスポット?
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丘の上を眺め、
城山 水樹
は以前ここを訪れた時を思い出す。その時は彼氏と一緒で、何の疑いもなく一緒に鐘を鳴らして……なのに、その彼はもう隣に居ない。相手の裏切りによって。
幸せな時間を思い出しても、巻き戻るわけでもない。
(好き、だったのね。本当に)
軽い気持ちで付き合っていたわけではなく、未来をも願ったのは自分だけだった。それが悔しくて信じられなくて自棄になって……けれど、いつまでも引きずっているわけにはいかない。
手元にある南京錠には、自分のイニシャルと猫の絵。心機一転、新しい恋に巡りあうのだと。そうは思うも、その出逢いを本当に信じられるだろうか?
「あの……大丈夫ですか?」
躊躇いがちに声をかけてきた少年は、水樹が南京錠を見つめる目が相当不安そうだったのだろう。具合が悪いのか、何か飲み物を買ってこようかという言葉に、段々と悩んでいるのが馬鹿らしくなってきた。
「柄にもなく思い出に耽ってただけよ、気にしないで」
「それなら良かった」
そうだ、らしくない。あんな男のために悩んだり落ち込んだりする時間が勿体無さすぎる。
「心配してくれたお礼に、名前でも聞いてあげるわ」
「え?
八神 修
……ですけど」
「私は城山水樹。彼女にでも私に会ったって言えば、羨ましがられるかもね」
「いや、彼女って……」
先ほどまでと変わって、意気揚々と南京錠の柵へと向かっていく水樹に、修は唖然とするばかりだ。
(本当に何でも無さそうだったし……いいか)
しかし、羨ましがられるとはどういう意味だろう。彼女に、ということは俳優でもないだろうし、かといって本当に想い人へ他の女性の名前を出すのは憚られる。学校で誰かに聞いてみればいいか、と特別気にすることはなく散歩を続けることにした。
今日の予定は、寝子高新聞に載せる紅葉風景を撮ること。そして、子猫のブラックにもその景色を見せたくて連れてきている。
少々慣らしておこうかとカメラを空に向けてみたり、ブラックに向けてみたり。カサカサと枯れ葉で遊ぶ様子は微笑ましい。修はひと撫ですると、もう少し紅葉の深まっている場所を探すべくブラックに気を配りながら歩きまわった。
気の向くまま移動していたさゆるは、気づけばデートスポットまで辿り着いていた。確かにエノコロ岬から見える景色は美しいだろう。鐘など興味が無くても、丘の上まで登ればそれなりの充足感も得られる事は分かっている。だが、ここへ来てしまった自分に呆れて閉口してしまう。
(折角昨日は、ゆっくり身体を休められたのに……)
ここはデートスポットであり、また恋愛成就を願う比較的迷信を信じるような男女が訪れる場所だ。だが、そんな場所に何も興味を示さず一人で歩いていれば、当然勘違いをする男もいる。
「ねぇねぇ、誰かと待ち合わせって感じじゃないけど、猫神様に出会いを求めにきたクチ?」
「………………」
「だったらさぁ、そんなのに願うより、今出逢っちゃった俺らと遊びに行こうよ」
返事をしないにも関わらず、男達は懲りずに後をついてくる。普段なら一人を嫌い、誘いにのる事もあるが今日はそんな気分ではない。相手をするだけ労力の無駄で、無視を決め込むに限る。
そのうちに男達は諦め、捨て台詞と共に去っていく。どうせ、見てくれに騙されて声をかけてきたのだろう、本当の自分を知って声をかける物好きなどいはしない……あんな人種に見せたいとも思わないが。
(来るところを間違えたかな……)
街中でウィンドウショッピングのフリでも決め込めば、意外と静かに過ごせたのかもしれない。特に自然と戯れたいなど思っていなかったはずなのに、どうしてこんな所へ足を向けてしまったのだろう。
海風が髪を靡かせる。服の選択を間違えなかったおかげで寒くはないが、それに気づくと必然だったのかと一瞬思い、小さく笑い飛ばして人気のない場所へ歩み進める。折角ここまできたのだ、あのような輩に邪魔をされず景色でも堪能しよう。
そんな矢先、そこには先客がいた。物憂げに海を見つめる少女が一人。照り返す海面は夏よりも落ち着き柔らかく輝いていているが、それに目を奪われているという様子はなく、倫理子は少し俯き加減に湖風にさらされていた。
――まるで、風にさらわれそうだ。
それほどまでに消え入りそうで、儚く見えた。それは、彼女の瞳のせいかもしれない。興味をもって、静かに彼女へと近づいていった。
伏し目がちに海を見つめているはずなのに、そこから覗く双眸は底のない哀しみと孤独感に彩られているように感じる。まるで酷く傷ついた魂がそこから覗いているような……自分の映し鏡を見ているような。
「……あなた、今、心が痛いでしょう?」
倫理子が怯えたように振り返った先には、自分よりいくらか年上の女性が佇んでいる。
少ない体力を振り絞って高台まで登り、やっと落ち着ける場所を見つけたのにと動揺して後ずさる彼女を、さゆるは追わない。警戒するのも無理は無い、自分が同じ立場だったなら、きっと同じ反応をしただろう。……それはもう、遠い昔に感じるような事だけれど。
「……あなたは……誰なんですか?」
震える声で紡ぐ言葉とは裏腹に、しっかりと瞳は合わさる。
(……やっぱり、似ている)
生きる意味を見失って、傷ついた事を思い出し怯えて。彼女と違う点は、さゆるはそれでも気ままに過ごし、彼女はきっと受け入れきれていないという事。
怯えていても始まらない、けれど忘れるように荒れた日常を送っても変わる事などない。
彼女にかける言葉は見つかる筈もない、似ていて非なる感情を抱いているのだから。なのに、声をかけてしまった。その瞳に吸い込まれるように、まるで片割れを見つけたかのように。
「生きながら死んでいると、思ったことはない?」
まさにそれを考えながら海を見つめていた倫理子は、驚いてさゆるを見る。纏う空気は、学校の先生の様に上辺だけ理解して励まそうとする物ではない、縋るような「自分」を見つめているような錯覚さえおぼえる。
……いや、錯覚ではないのかもしれない。彼女の瞳の色が物語る感情、それは憂鬱になりながら鏡の前に立った時によく見る色。
(同じ、なの? でも、そんなわけ――)
ここへ導かれるように足を向けてしまったことも、このためだと言うのなら頷ける。しかし、そんな都合の良い話なんてあるわけがないし、例え同じ境遇を辿ってきたとしても、そんな人と何を話せばいいのかわからない。
いくら男性ではないとはいえども、人見知りな倫理子は突如現れたさゆるを信用にたる人物かと未だ警戒している。そんな様子に、さゆるは悲しそうに笑ってみせ、瞳を閉じた。
「怖いというなら無理強いはしないわ。もし、気が向いたら……喫茶店で待っているから」
そうしてさゆるが踵を返すと、思わず倫理子の手が伸びる。
(私は引き止めて……どうするつもりなの?)
伸ばした手を握りしめ、ゆっくりと遠ざかる背を見つめる。とても離れがたい、次はいつ会えるのだろう。そう考えると、自然と足は彼女を追っていた。
その音に、さゆるが振り返る。やはり目が合うと緊張する、だがそれは恐怖ではない。全てを見透かされているような気がするのだ、同じ空気を纏う、片鱗のような彼女に。
ここは、出会いを願う場所。導く神がいるとされる丘。彼女との出逢いがそうであるなら、何かが変わるだろうか。消えない過去も、忘れられない忌まわしい事も、彼女となら。
ゆっくりと後を追う彼女ときちんと向き合えたのは、喫茶店についてからだった。何も話さない、ただ空気とたまにかち合う瞳だけが物語る。互いの抱えている傷の深さを。
言葉なく喫茶店を後にし、なぜか倫理子はさゆるに寮まで送られることになった。頼んだわけではない、ついてくるさゆるを拒絶する気にもなれなかった。……したくなかった。
「……あの」
躊躇いがちに開かれた唇、手には携帯電話。さゆるは少し驚いて、アドレスを交換することにした。
この出逢いが、一度きりでないように。途切れないように。
軽い足音と共に、少年が一人。駈け出したかと思えば振り返り、満面の笑みで連れを呼ぶ。
「きり兄早くっ!」
「はいはい、テストが終わったからってはしゃぎ過ぎるなよ?」
「えへへ、ごめんなさーい。でも、お仕事忙しいのにごめんね?」
(なーんて、ね。休診日でかつ他の予定が入ってないのも把握済みで誘ったんだけど)
まるで計算されたような甘える仕草の似合う
三夜 架月
。彼が「テスト終わったから遊んで欲しい」と従兄弟である
三夜 霧人
に頼み、二人揃ってここへ来ることになった。
「今日は休診日だしな。架月が満足するまで付き合ってやろう。テストはバッチリみたいだしな?」
「やったぁ! そうこなくっちゃ!」
霧人にとって、これが従兄弟の我儘であることは知っている。けれど架月にとっては二人で出かけることはデートであり、この場所を選んだのだから特別な仲に見えることを期待する。
(ふふっ、満足するまでってことは今日一日、きり兄は僕のモノだね)
「どうした?」
「あれ、顔に出ちゃってた? この先の喫茶店でハロウィンメニューがあるって聞いたから楽しみでさ」
嘘。そんなのとは比にならない幸せに浸っているんだと無邪気に微笑む。が、霧人は気づかず「ああ」と短く納得して微笑んだ。
「ハロウィンか……最近はどこもかしこもそれ一色だな」
「もしかしてきり兄嫌いだった?」
「いや、俺の柄じゃないというか。でも、架月が楽しそうならいいさ」
架月の頭を軽く撫で、苦笑しながら先を行く。まるっきり家族としての対応、子供扱い。
(きり兄に撫でられちゃった♪)
口角が上がる。立場を利用して、もっとプライベートな所に踏み込んで。逃してなんかあげない、もっともっと、自分だけ見ればいい。他の人なんて、物なんて、全部邪魔なだけだ。
「きーり兄! 歩くの早いよぉ」
そんなはずはない、いつも歩幅を合わせて歩いてくれるから。だってそう、この場にいる身内は自分だけ、甘える権利があるのも、霧人が甘やかすのも自分だけ。考え事をして足を止めたのも、こうして駆けていくためなのだから。
「すまない、浮かれて走って行くかと思っていた」
頬を膨らませ、無言で子供じゃないと睨んでみる。そうすれば霧人は呆れて、仕方ないなと笑う。
「わかったわかった。元々俺のおごりのつもりだったし、何でも好きなの頼め」
「やったぁ! きり兄だーい好きっ♪」
好き、大好き。どこかに閉じ込めてしまいたいくらい。離れないよう縛り付けたいくらい。そんな気持ちは微塵も見せない、見せれば遠くへ行ってしまうと知っているから、もっとゆっくり、我慢するから。
そうして喫茶店へ入った二人は、お好きな席へどうぞと通される。架月は内装に見とれるフリをして、目当ての物を探した。
「あっ、これ! 一つくださーい!」
架月が買ったのは、レジ横に焼き菓子などと混ざって陳列されている南京錠。
「きり兄は、見ちゃダメだからね? すぐに書いてくるから、先に座ってて」
店の一角にペンなどが置かれたコーナーに向かっていく背中を見、思い出す。
(そういえば、うちの看護師たちが話してるのを聞いたことがあるな。確か近くに、恋愛成就の鐘と柵があるとか……って架月の奴、南京錠掛けるのか。なんだ、好きな奴でもいるのか?)
そういう年頃だ、別におかしくもない。おかしくはないが、人生の先輩として適切なアドバイスは出来る気がせず、ぼんやりと考えながら席につくと、架月は足早に戻ってきた。
「お待たせ! きり兄、もうメニュー決めちゃった?」
「まあ喫茶店で頼むものなんて、だいたい決まっているからな」
「えぇー? ハロウィンのメニュー、結構あるよ?」
見た所、メニューはクリームが多そうな重めの印象をうける。あっさりとした軽いものが食べたいと思っていた霧人には、少々胃の痛くなるラインナップだ。
「うーんと……じゃあ僕はこれ! パンプキンパイにするっ」
「俺はコーヒーとアイスでいいかな」
店員を呼び、注文を済ませる。どこか機嫌の良い架月に、なんと声をかけたものかと思案しながら、深く問い詰めなければ問題ないだろうと口を開く。
「架月、お前好きな奴でもできたのか?」
「え?」
「いや、南京錠を買ってたろ……ああ、良縁も願えるんだったか」
本気で尋ねているのだろうか。誰との縁結びのために来たのか人の気も知らないで、何でもないような顔をして。大体、どうしてそんなに詳しく知っているのだろう。もう鍵をかけた? 誰との縁を願って? それとも鐘を鳴らした? 渦巻く怒りを飲み込んで、同じように何でも無さそうに問い返す。
「なーんだ、きり兄もその伝説知ってたんだ?」
「うちの看護師が話しているのを小耳に挟んでな。ここに来たがった理由はそれだったのか」
その通り、と言いたいのを我慢し、暫く悩んだフリをして意味ありげに微笑んだ。
「僕の好きな人……誰だと思う?」
じっと見つめて、いっそのこと慌てればいい。例えこの気持ちに気づかなくても、自分に好きな人がいると焦ってくれれば脈があると期待できるから。
「……難しい質問だな。お前が好きになりそうなタイプとか、いまいち想像つかないよ」
自分の知っている人ではないだろうしな、と降参すればつまらなそうな顔。
目の前にいるのに、どうして何とも思わないのだろう。ただの従兄弟だから? 男だから? そんなの関係ない、こうして甘えて振り回すのは霧人だけなのに、と。
「おまたせしました」
架月の前に運ばれてきたパンプキンパイは、カボチャの形をしていること以外はシンプルなパイだ。対して霧人の前に並べられたのは、カボチャとコウモリの形をしたレースシュガーがそれぞれ1枚乗せた皿がコーヒーの奥に並べられ、普通のバニラアイスはチョコプレートで出来た帽子を被ったオバケをモチーフにした物。
「わぁ、きり兄の可愛いねっ!」
「……まさか、普通のメニューにも手が加えられているとはね」
少し恥ずかしそうに頬を掻く霧人は珍しいかもしれない。その様子を見つめながら、潔癖症な架月はこっそりとフォークなどを除菌シートで拭く。
「溶けないうちに食べちゃいなよ。僕も、いっただきま~す!」
サクッと心地よい音と共に、熱々のカボチャペーストが現れる。パイの塩加減とペーストの甘みが混ざって、とても美味しい。
「これ、ちょっぴり形だけかなーって思ってたんだけど、すっごく美味しい! きり兄も食べてみて」
一口サイズに切ったパイが器用にフォークへのせられ、霧人の前に差し出される。「あーん♪」という言葉とともに近づいてこられれば、断る隙もない。
「なんだ、そんなに美味しいのか? じゃあ……」
そのまま一口食べてみれば、確かに美味しい。お礼とばかりに、霧人もアイスをスプーンですくい、架月の前に差し出した。
「ほら、俺のも食うか? 熱いものを食べた後だから、気をつけろよ」
催促する前に差し出されたスプーンを、架月は迷いなく口に含む。こうして触れ合えるのは、霧人だけだ。他人とこうして食事を交換するだなんて、考えただけでもおぞましい。
(えへへ、これってデートっぽいよね♪ それに……きり兄と間接キスだぁ)
幸せそうに食べる架月を見て、そんなにも気に入ったのかと思うと、ここへ来て正解だったと霧人は思う。
お互いに違った意味で幸せに浸りながら、他愛ない話で盛り上がる。
次にこうして独り占めできる時間は、いつ出来るだろうかと画策するのを隠して。恋愛に興味をもつくらい成長した従兄弟に少しの戸惑いを隠して。
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15人
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16人
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シナリオガイド公開日
2015年05月13日
参加申し込みの期限
2015年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月20日 11時00分
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