this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【ハロウィン】猫恋、穴場デートスポット?
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
つぎへ >>
ある程度写真も撮り終えた所で、修は手近なベンチへ腰をおろした。ブラックは気ままに野良猫と戯れているようで、怪我をする事もなさそうだと安心すると生物の参考書を開く。特別自然に囲まれた場所だから選んだわけでもないし、タブレット端末を持っているのだから本を開かずとも端末で読める。が、やはり本の重みを感じて紙に触れて読む感覚は電子書籍に敵わない。
「あれ、修君? こんな所で読書の秋?」
呼ばれた声に反応して顔を上げれば、声の主は自分の手元を覗き込み、くすくすと笑う。
「参考書は、読書に入るのかな」
「どうだろう……こんな所まできても開いちゃうんだ」
七夜 あおい
に指摘され、バツの悪そうな顔をする。どうせなら写真を撮っている時とかスマートな時に出会いたかったが、休日に出会えたのだ、贅沢は言っていられない。
「それで、あおいは何の秋で?」
「……笑わない?」
「俺があおいのことで笑うとでも?」
どうしようか、と悩んでいる様子のあおいの元へブラックが駆けてくる。喜んで抱き寄せる姿が絵画のようで、一言断ってから写真におさめた。
「あのね、食欲の秋……のつもりで来たんだけど」
「けど?」
「メニューが沢山ありすぎて決められなかったの」
しょんぼりしながらブラックと戯れるあおいに、修は思わず苦笑した。
「あ! ほら笑った」
「違う違う、それなら俺を見つけたときに誘ってくれれば良かったのに」
要領を得ないという風に小首を傾げる彼女に、修はさも名案だと言うように格好をつけた。
「全部は無理だけど、あおいが食べたいものをいくつか頼む。そして食べきれない分を俺が食べる」
「いいの?」
「お役に立てるのなら光栄ですよ」
なんてね、と冗談めかして微笑んでみせれば満面の笑みが返ってくる。歩きまわったおかげで少々お腹も空いている、これなら目移りされてもいくらかは協力できるだろう。
そうして、あおいが気になっているメニューについて話をしていれば、すぐに喫茶店へついた。ドアを開けて彼女を中に促し、店員にペットがいるのでテラス席を希望することを伝え、ブランケットも借りることができた。あとはブラックにいい子にしているよう言付けて、あおいの目当ての品を席へ運ぶだけだ。
「決まりそう?」
「修君は苦手なものない?」
「このメニューを見る限りは大丈夫かな」
そう告げると、ショーケースに飾られたケーキの大きさを確認しながら、迷いに迷って五品頼む事になり、半分以上は食べるだろうからとケーキ代は修が、飲み物代はあおいが支払う事になった。
「巻き込んじゃったのに、ごめんね?」
「いや? これはこれで新聞部のネタにもなりそうだからね。食べる前にちょっといいかな」
テーブルにトレイを置き、あおいが飲み物を置くのを見計らって椅子を引き。留守番を頼んでいたブラックがブランケットの上でウトウトとしていたので、仕方ないなと抱えながらそれを手渡した。
「こっちの都合でテラス席になっちゃったから、それ使って?」
「わざわざ用意してくれてたの? わぁ……ありがとう!」
どういたしまして、と微笑みながらテーブルの上の光加減を考えてケーキの写真を撮っていく。その間に、ブランケットを取り上げられたブラックはあおいの膝の上で再びうたた寝を始めたようだ。
「修君は凄いね」
「何が?」
「なんだか絵本の王子様みたい。なんでもお姫様のことを分かって先回りできるっていうか」
(そりゃあ、あおいのためだからな)
これは少し、押し付けがましいだろうか。代わりにお礼の言葉を返し、彼女が食べられないと言うまで待つ。その間、先ほど絵画のようだと言った事を思い出して、いつ質問がきても良いようにタブレットで検索をしておく。
「今日、修君に会えてよかったよ。じゃなきゃ、こんなに沢山のケーキを少しずつ食べるなんて贅沢できなかったし」
「俺もラッキーだったよ、あおいに会えたし……幸せそうに食べてるし」
王子様と比喩されるくらいには、男として見られているだろうか。それとも、まだ王子様よりケーキの山が好みだろうか。
(食べ物がライバルなのは……ちょっと難易度が高い、か?)
他愛無い話をしながら、ゆったりとした時間は流れる。そして自然に「また学校で」と小さな約束を交わして喫茶店を後にした。
ゆっくりと丘の散策を終えて鐘の元へたどり着いた拓郎と彩葉は、まずはそこからの絶景を楽しむ。随分と丘を登ってきたのだ、足を休める意味をこめて暫し柵に寄りかかって静かな時間を過ごすのも悪くない。
「綺麗だねー」
「あ、ああ……そう、だな」
目的の場所に辿り着き、拓郎は緊張した面持ちで他のカップルを見る。楽しく話して散策して、そこまでは良いとして……祝福をもたらすという鐘まで、どうエスコートすれば良いのか学びたいのだ。
(彩葉さんなら、無邪気に駆けて行って呼んでくれそうな気もするけど、それじゃダメだよな)
告白のときの二の舞いにならぬよう、ロマンチックに彼氏らしく。女の子の夢を壊さないよう、格好良くありたい。だが、残念なことに鐘を鳴らして行くカップルは少ない。これがクリスマスなど恋人たちが盛り上がる季節なら参考に出来る事が沢山あっただろうが、タイミングが悪かった。
(並ばずに済むという点ではありがたいけど、これじゃあな……)
思案しているうちに、一組のカップルが鐘へ近づいた。手を引いて鐘の元へ連れて行き、肩を寄せあったままロープを握り、顔を見合わせて鐘を鳴らし、音が響いてる間はその場で口付けを――。見てはいけない物を見てしまった気がして、拓郎は頭を振って眼下に広がる景色を眺める。
「拓郎?」
「え? いや……なんでもない」
目を伏せ、深呼吸を一つ。彩葉が手を伸ばしやすい所に手を差し出し、柔らかに笑う。
「……そろそろ、鐘を鳴らしに……行かないかと、思って」
「そうだねっ!」
微笑みながら、その手をとってくれる。ひとまずは成功だろうと歩き出し……他に鳴らして行くカップルはいないようで、このままではすぐに辿り着いてしまう。どこまで参考にしたものか。
「少し、段差……気をつけて」
もう目前に迫った。この手を離したほうがロープを掴みやすいだろうか、迷って空いてる手でロープを掴むと彩葉は繋いだ手を強く握り返して、同じように空いた手でロープを掴む。
「それじゃあ行くよ? ……せーの!」
――カラン、カラーン……
高く澄んだ音が、大きく響き渡る。祝福の音、二人を優しく包む音。
遠くまで響くこの音が、沢山の人にこの人が好きだと叫ぶように。未来まで運んでくれるように。
顔を見合わせて笑いあい、今という幸せを二人で噛み締めた。
意外な形でハロウィンメニューを二人で満喫することになった霧人と架月は、先に架月が南京錠の柵へと走って行き、霧人はそれを弟の成長を見守るかのように優しい目で見つめていた。
アドバイスが出来ない自分にとって、あれほど真剣に願っている様子を見ると、その思いが無事に届けばいいと同じように願うことしか出来ない。
「きり兄、次はどこに行こうか。もうちょっと上まで行ってみる?」
「そうだな、折角来たんだ。景色でも楽しんでいくか」
(……ま、冗談めかして鐘を鳴らそうって言ってみようと思ってたけど、噂を知っているんじゃ無理だろうなぁ)
階段を登っては、海に木々にと狭い階段で架月は360度の景色を楽しんでいる。人通りがあまりないものの、風も強くなってきた。このままではいつ足を踏み外すともしれない。
「こら架月、岬の風は強いんだ。突風でも吹いたら転げ落ちるぞ」
「大丈夫だよっ! だってこんなに綺麗なんだよ?」
霧人といるなら、なんだって特別だ。デートをした場所をしっかり覚えていたい、その時霧人がどんな顔をしていたのかも、どんな言葉をくれたのかも……全部、全部。
「――架月っ!」
言っている側から、気まぐれな突風はやってきた。細く軽い架月は、油断していた事もあり階段から足を滑らせる。
(やば、落ちる……っ!)
手すりを探すように伸ばされた手は、空を切る。掴み損ねて衝撃を覚悟して目をつぶれば、温かな物で強く引っ張りあげられた。
「だから言っただろう、危ないって!」
「ごめん……なさい」
怒られているのに、架月の頭はそれどころではない。いつも我慢していた霧人の手が、しっかりと自分の腕を掴んでいる。――霧人から、触れてくれている。
「どうした? 足、挫いたか?」
そういうことにすれば、もっとくっつけるかもしれない。けれど医者である霧人を騙すことなんて出来ないし、心配は掛けたくない。呆然とした顔のまま、架月は霧人に擦り寄った。
「……怖かった」
「こっちの台詞だ」
抱きついてくる架月を引き剥がすでもなく、こうやって甘えてくる姿はまだまだ子供だなと頭を撫でる。
「それで、上へ行ってみるのか?」
「いいの?」
「ちゃんと俺の言うことを聞くならな」
体を離し、しっかりと手を握りしめる。ただでさえ足場が悪いのにとか、小言を言われても聞こえない。大好きな霧人の声なのに、それは言葉でなく音色として耳を通り過ぎて行く。
(階段を登る間だけかな……離したく、ないな。このまま手錠で繋いでしまいたいよ)
そうすればずっと、一緒にいられるかな? そんな期待をこめて、繋がった指先から腕をたどり、霧人の顔を見る。焦ったとか、怪我がなくて良かったもののとか、まだお小言は続いてる。
なんだっていい。こうして繋がって、自分のことだけを考えて、自分にむけて話してくれるのなら、なんだって。
「どうした?」
「えっと……きり兄に、まだありがとうって言ってなかったなって」
打算ではない、素直な笑顔。こんな顔をするのは、どれくらいぶりだろう。
(こいつは小さい頃から俺に懐いてたが、こんな風に無邪気な笑顔を見ることもその内なくなるのかもな)
大きくなった手に、時が過ぎるのは早い物だとしみじみ思う。まだ幼さの残るこの手はもっと大きくなって、次第に骨ばっていって。その頃にはもう、一人立ちをしているのだろうか。
「……きり兄?」
「……ん? いや、なんでもない。ちょっと考え事してただけだよ」
無意識に、繋いだ手に力がこもる。それは弟離れができない兄のようで、心の中で苦笑する。成長していく事は、喜ばしい筈なのに。
「怪我でもされたら困るから、足場が悪そうな場所はこのまま手を繋いどけ」
「……はぁいっ♪」
注意をしたのに、何故こんなにも架月は嬉しそうなのか。その理由を知らない霧人はただ、少しだけ過保護になりながら丘からの景色を二人で眺めていた。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【ハロウィン】猫恋、穴場デートスポット?
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月13日
参加申し込みの期限
2015年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!