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【ハロウィン】猫恋、穴場デートスポット?
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土産屋では、定番の饅頭やクッキーに猫神を模した焼き印やプリントがされた物、パッケージが鐘の写真で中味は何の変哲もない物。それから恋愛成就のお守りにストラップ、所狭しと並んでいるが、一番の売りであるのは南京錠。他の土産物には目もくれず、それを求めてレジに並ぶ人はそれなりにいた。
(やっぱり人気があるんですね。効果も……?)
同じく鍵を持って並ぶ
綾辻 綾花
は、手のひらにある冷たい鍵が次第に温もりを帯びて自分が緊張している事に気付く。色々思い出しては小さく笑い、それは周囲に恋する乙女として見えた事だろう。
(あたしにも、あんな時期があったな)
ふと、
真境名 アリサ
は自分の学生時代を懐かしむ。偶然ねこったーで知ったこの場所は、彼女のように思いを寄せる相手がいるわけでもなく、ただ家でゴロゴロと過ごすよりはと思って立ち寄っただけだ。南京錠も、郷に入ればといった感じだ。
さっさと買い終えてペンの置かれているコーナーへ行くと、自分より背の高い女性とすれ違う。珍しいなと思いつい目で追えば、そのスタイルや横顔はどこか見覚えがある。
(うーん、雑誌のモデルさんか何かかな)
職業柄、スタイルを維持することや肌やメイクを向上させることはかかせない。そんなファッション誌でみかけたのかもしれないが、ミーハーではないアリサにとって追いかけるほどではない。
「猫……こんなものかな?」
単なる願掛けだ、それなりに見えれば大丈夫だろう。アリサはそれを手に持ったまま、柵へと足を向けた。
あくびを噛み締め、
浅沼 柳司
は丘からの景色をぼんやり眺めていた。眠いのではなく、退屈なのだ。
九月、十月と行われる地元の祭礼曳行。試験から宵宮までは1週間程あるが、本宮は朝から駆けまわったところですぐに終わってしまう。
大体、とても重要な祭りなのに学校が休みでないのはおかしい。地車のルートに選ばれている地区は、練習のために学校や会社を休むのが普通だし、寧ろ学校は休みになる。別の地区から実家の道場に来ていた生徒はその話を聞いて驚いていたし、寝子島に来てからはロクにニュースにも取り上げられない。せいぜい「祭りが開催されました」か「今年は怪我人が出ませんでした」という程度で、あの熱気を伝える気はさらさらない事にも憤りを感じる。
昔は飛び入りで曳行に参加できたそうが、近年は危険なので練習に参加した者しか参加できない。長期間休んで祭りに参加しに行こうか……そう考えてしまうほど大好きな祭りが終わってしまったのだ、それを分かち合える仲間の居ない場所では萎んでいく風船のように気が抜けてしまう。
(ここにも、あれくらい熱い祭りがあればなぁ……)
目的もなく、散策を続ける。街中では浮かれた洋風の祭りで盛り上がっているし、小耳に挟んだ噂の店へと行ってみたい。そんな時、聞き覚えのある声に呼び止められた。
「柳司君! 良かったら一緒に散歩しない?」
「あ、先輩!」
自分を見つけて駆けてくる
十文字 若菜
を見つめ、僅かに頬が緩む。なんだかこのシチュエーションは、デートの待ち合わせのようだ。
(デート……と言えば、確かここって)
食べ物につられてやってきたは良いものの、確かここはデートスポットの筈。けれど若菜は一人でいる、という事は……。
「先輩、もしかして恋愛成就に……」
「ん?」
「いや、散歩もいいですねー。実は俺、この辺りで美味しい焼き芋が売ってるって聞いたもんで」
「なぁんだ、それでこんな所を歩いていたの? ふふっ、柳司君らしいね」
笑っているはずなのに、どこか物悲しく映る。若菜はこんな風に笑う人だったろうか、いつもはもっと明るくて元気をわけてもらえるような、温かくなる笑みを浮かべていた筈なのに。
「先輩こそどうしたんです? こんな所で散歩やなんて、変なヤツに絡まれませんでした?」
「ううん、何もなかったけど……」
裏路地や治安の悪い場所でもあるまいに。そう思いながら周囲を見渡し、若葉は柳司の言わんとしている事がようやくわかった。
「ちっ、違うの! 本当に、たまたま、偶然っ! ちょっと景色の良いところに行きたいなって、それだけで」
慌てて否定する若葉は、至って普通に見える。だが、恥ずかしいなあと苦笑する姿は大げさに見えるし、そんなことよりと話しだす姿はどこか不自然だ。
……ずっと、若葉を見てきたのだから間違えるわけがない。
「少し登るんだけどね、あの階段から見下ろすとあっちの崖にぶつかる飛沫が綺麗で……それに背を向けたら、もう紅葉が結構進んでるのが見えるって聞いて。それから――」
「先輩」
矢次に話すそれは、楽しみで居ても立ってもいられないという雰囲気ではない。その逆だ。何かを考えていたくなくて、それから目を逸らしたい、怖い。そんな空元気が伝わってくる。
「あの、こんなん俺が言うのもどうかと思うんですけど……最近何かありました?」
「え? わ、私はいつも通りだよ?」
どうしたの? なんて笑いながら小首を傾げてみても、柳司の渋い顔は変わらない。いつも通りを装っていたはずなのに、どうして彼には伝わってしまうのだろう。
「いや、その何かいつもとちゃうなって気がして……俺、頼りないかもしれないですけど、話くらいならいくらでも聞けるんで」
「柳司君……」
「本当に、なんかでしゃばったみたいですみません。なんや先輩、空元気ちゃうんかなって勝手に心配になったっていうか……何でもないって言うなら、これ以上何も聞きませんし」
困ったように眉を下げて謝る彼は、まだ心配してくれているのだろう。これ以上隠しきれる気もしなければ、偽ったままでいるのも心苦しい。若葉は肩の力を抜き、切なげに笑った。
「……ごめんね」
「な、なんで先輩が謝るんですか! こんなん、俺が勝手に」
「その気持ちが嬉しかったのに、嘘ついてごめんね?」
ゆっくり話ができる所。そう若葉が選んだのは紅葉の見えるベンチで、柳司は隣に腰掛けた。
「実はこの間、ちょっと怖い事があってね……」
ろっこんに纏わる大きな事件に遭った事、その恐怖がまだ抜け切らない事。話す度にその光景を思い出してしまっているのか、両手を祈るように握りしめている手は震えていた。
柳司は無言で、その手に自分の手を重ねる。まだ話の途中だろうから、遮るような言葉はかけられない。けれど自分が側にいると、その渦中に一人取り残されて震えなくて良いと言うように、優しく。
「今まで知らなった事を知ったからかな、でも逃げたくもなくて……気持ちがぐるぐるしちゃってまとまらないの。……情けないよね」
淡々と話す度に痛む後頭部を悟られまいと乾いた笑いを浮かべる若葉に、柳司は重ねていた手をしっかり握りしめる。
「先輩、情けなくなんかないですよ! こうやってちゃんと向かい合ってるやないですか!」
強い言葉で言われ、後ろ向きだった自分を引っ張りあげてくれるような気がする。言葉だけじゃない、こうして手を包んでくれる温もりや、隠し切れない悲痛な記憶に寄り添おうとしてくれた心、心配で揺れている瞳――は、自分の目が潤んでいるせいなのかもしれないけれど。
「ろっこん絡みの事件は色々ありますし……気をつけて避けられるもんでもないってのは分かってます。でも、そうは言うてもあんまり無茶はせんといてくださいよ? いざとなったら逃げてください」
「そんな、逃げるなんて……!」
怖かったけれど、不安でたまらなかったけど、皆が怪我をしていくのが恐ろしくて、自分が無力と思い知らされたようで……そんな中、自分だけが逃げるだなんて選択肢は、ない。
「あんまり頼りにならんかもしれませんけど、いざというときには俺も頼ってください。アホやけど、体だけは丈夫ですし! それに先輩が一人で抱え込む必要はないんですから。せやから」
一度区切って、真面目な顔を歯が見えるくらいの笑顔に変える。
「なんかあったら、助けに行きますから! そんで、これは無理や思ったら逃げましょ……みんなで!」
「みんな……で?」
「そらそうですよ。大勢のほうが逃げ道も探しやすいですし、何より先輩が自分を許されへんでしょ?」
若葉だけが助かればいいなんて思わない。その身を助けたところで、心が傷ついてしまうことは分かっている。だから彼女を助けるという事は、その場で最善の策を講じて全員で助かる事。
残念ながら、そんな作戦を考える頭脳はない。けれど力仕事や数人をなぎ倒して時間を稼ぐくらいなら得意なものだ、きっとその場にいる皆が得意分野で役割を担える筈。
「……うん、そうだね。そう、だよね」
緩んだ涙腺は今にも涙が零れそうで、慌てて柳司の手を振り払う。そうして深く俯いてしまった若菜に、柳司は後ろ頭を掻きながら思い立って上着を脱いだ。
「……そういや寒なってきましたねー、海風も強いですし。これどうぞ」
ワザと雑に若葉の頭へと投げかける。「先輩は小柄やから、頭からで丁度良さそうですね」なんて軽口を言われても、タイミングの良すぎる行動は違う言葉にしか聞こえない。
(柳司君、私が泣きそうだって気づいて……)
前身頃を握りしめ、顔を隠す。年上としてしっかりしたいのに、どうしてこの後輩はこんなに察しが良いのだろう。こんな事をされれば、勘違いの一つもしてしまいそうだ。
「……あのね、上着だけじゃなくて……背中も、貸してもらっても良いかな」
「どうぞ、どうぞ背中くらいいくらでも」
勇気を振り絞って、震える声で言ったのに柳司の声は変わらず優しい。優しすぎて、誰に対してもなのかわからなくなるくらいだ。
(やだな……私、なんだか心が狭い)
ありがとうと言うが早いか、緊張の糸が切れたかのように柳司のシャツを掴み、若葉は今までため込んできた気持ちを全て流しきるように涙した。堪えきれない声や震える指先で、きっと気づかれている。それは今更だろうし、彼のシャツだって濡らしてしまっているかもしれない。でも。
(あんな怖い思いは嫌……だけど逃げ出すことなんてできない、柳司君も巻き込みたくはない)
けれど救われたんだ、あの笑顔に。真っ直ぐと自分を見つめる瞳に嘘は無かった、その場しのぎの言葉なんかじゃない。彼なら本当に、助けに来てくれるかもしれない。一緒に立ち向かってくれるかもしれない。
一向に泣き止む気配のない若菜を背に、柳司は少しばかり落ち込んでいた。
(……俺、余計な事言うてもうたやろうか。落ち込んでる時に余計な事言うなって、よう姉ちゃんにも怒られたもんな……でもなぁ)
大丈夫とか、なんとかなるだとか。そんな簡単な言葉で背中を叩くような事は出来なかった。思い返してみても自分が思うまま口にしたが、約束を違えるようなことは何一つ無く、追い詰めるような言葉も思い当たらない。
(せや、頑張ってる人に頑張れって言うたらアカンとか聞いたし、なんかそんな言葉が……いや、俺を頼ってってアピールしすぎて気持ちに気づかれて迷惑やったとか?)
いやいやと頭を振り、若菜の様子に気を配る。こういう時、相手が顔を上げるまで黙っていた方がいいのか、落ち着いてきた頃を見計らって気を紛らわす言葉の一つも言えばいいのかわからない。
「――助けて、柳司君」
それは、心の中で呟いた筈の言葉。だから若葉は、それが小さくとも音になっているなど気付かなかった。……柳司の腕に包まれるまでは。
「ここに、います」
頭からすっぽりとジャケットを纏う若葉には、少しくぐもった声で聞こえる。片手は震える肩を強く抑えこむように。片手はいつまでも泣き止まない自分をあやすように頭を撫でて。
再びすすり泣く声が聞こえ、柳司は正気に戻って肩を押し返す。
「え、いやっ! すみません、せんぱ――」
それを引き止めるように、若葉は柳司のシャツを掴む。肩口に顔を埋めているが、まだ泣き止む気配はない。
だがそれは、今までと違う涙だと柳司は知らない。ただ怖くて無力なのが悔しくて泣いていた時とは違い、心から安心した事を。泣ける場所を見つけたからでなく、この暖かさに包まれていたいと願っている事を。
(私は……柳司君が好きなんだ。心を見ぬかれたからじゃない、励ましてくれたからじゃない)
彼以外から問い詰められても、きっといつも通りを装っていた。仮に、ほんの少し話すことがあったとしても、怖い事があったと詳細を伏せて笑い話にしただろう。
全てを曝け出して泣いてしまって、なのにこんなに心が満たされている。そうさせたのは、そう出来るのは彼だけなのだ。
「……ごめんね? 恥ずかしい所、見せちゃったね」
「いえいえ、お役に立てたんなら何よりです!」
そっと離れていく若葉に笑顔で答えるも、彼女はまだ俯いている。正直な所、自分も衝動的に抱きしめてしまったので、照れくささからどう振る舞っていいのかわからない。
「柳司君に聞いてもらって……なんだか、すっきりしたみたい。ありがとう」
「そんな、お礼やなんて! 本当に聞いてただけで、何も言えてませんし」
慌てて立ち上がり「そうや、焼き芋!」と両手を強く叩き合わせて話題を逸らす。
「安納芋やって聞いたんで、きっと先輩も気に入ると思いますよ!」
「ふふっ、そうだね、美味しそう」
柳司のシャツに自分の涙の跡が残っている事が恥ずかしく、上着を返すだの着ておいて下さいなど小さな口論が始まる。そこには、先程までの重たい空気はどこにもない。
(本当にありがとう……柳司君)
いつもの先輩と後輩に戻ってしまうのは残念だけれど、もう少ししたら。気持ちや周囲が落ち着いたなら、必ず伝えたい言葉。
その時彼は、どんな顔をするだろう。今日見せてくれた一面は、面倒見が良いとか、そんな理由じゃないように。少しばかりの期待をしながら、若葉は柳司の隣を歩いた。
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担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月13日
参加申し込みの期限
2015年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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