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【ハロウィン】猫恋、穴場デートスポット?
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そうだ、と思い出したように拓郎が足を止める。不思議そうに振り返った彩葉に微笑んで手を出した。
「トリックオア、トリート? なんて……」
「……どんな悪戯してくれるの?」
予想外の微笑む顔を見て、プレゼントを渡そうと思っていた思考が止まる。
「困ったなぁ、今日は何も作ってきてないし、お菓子持ってないし……」
ちらり。小首を傾げて拓郎を見れば、明らかに動揺している。そんな顔を見ては、彩葉の小悪魔的な笑顔にますます拍車がかかる。
「でも、拓郎の悪戯だもんね、どんなのでも大丈夫だよ」
(……なんか、凄くハードルが上がった気がするのは気のせいか?)
お菓子を持ってないと困って、慌てる彩葉にプレゼントを渡す。この作戦に不備があったとすれば、彩葉から言われてお菓子の代わりにとプレゼントを差し出す方が自然だったかもしれない、という点だ。
そもそもイベントにのって言ったまでで、冗談として流すつもりが「どんな悪戯してくれるの?」ときた。プレゼントでは誤魔化せない、冗談でしたとも言い出せない。何か悪戯をしなければ……何を?
(クレープを食べてる時なら「一口もらう」とか言って切り抜けて渡せたんじゃ……ああ、でも)
期待に満ちた微笑みが、愛おしくも悩ませる。期待に応えられて、怒らせたり悲しませたりしない悪戯。ぐるぐると百面相をする拓郎に、些か度が過ぎたかと彩葉は謝るために拓郎の肩を叩き思考を呼び戻す。
「ねぇ、たく、ろ……」
決死の思いで、拓郎は彩葉の顎を引き寄せ口付ける。少ないながらも周囲の視線が気になるが、ここはそういう場所だと割りきってしまえばなんてことは……あるのだが、間髪いれずにキーホルダーを差し出した。
「こっ……こういう、悪戯オバケが……いや、オバケじゃなくてもだけど……出るかもしれないので、これを」
「……お守りに?」
「えっと……まあ、そんなところ」
手渡されたのは、愛くるしいかぼちゃおばけのキーホルダーだ。魔除けどころか可愛らしい悪戯をしてきそうな顔立ちをしている。
「わぁ、可愛い……ありがとう、拓郎!」
なんとか、この場を乗り切った。深く息を吐いた拓郎に彩葉の悪戯心は再び芽生え始める。
「――で、悪戯は?」
「え」
「ないの?」
「……見張りが、いる……から」
「あ、そうだね。悪戯はもうしてもらえないんだ……残念だなぁ」
でも、と区切って彩葉は少し背伸びをする。
――悪戯じゃなければいいんだもんね?
耳打ちされた言葉に拓郎はむせ返る。何を、と言われたわけでもないのに、公衆の面前でやらかしたことを思い出し恥ずかしくなる。しかも、本日二度目だ。
早速鞄にキーホルダーをつけていた彩葉は、終わってもなお頭を抱えている拓郎に、小さく笑う。
「拓郎は私の大好きな彼なんだから、どこで何したっていいじゃない」
「彩葉さんが、そういう……なら」
彼女に恥ずかしい思いをさせたわけでないのなら、それで良いか。そう安堵して仲良く丘を下っていく。
……この小悪魔がどこまで含みを持たせているのだろう、などとは微塵も思わないままに。
南京錠の柵の前、適当につけて行こうと思ったアリサの近くには、店ですれ違った女性が鍵に向かって祈りを捧げている。あんなに美人でも、願掛けに頼るんだな、と思うと少し意外だ。
自分もその意外な部類になるのだろうが、そこまで切に願っているわけでもないので、デートスポットにお一人様で願掛けもそこそこに何しに来た、というのが正解だろう。
(といっても、今更恋愛とか……あれ、いつぶりかな? こんなこと考えるの)
中学生の頃は先輩に恋をして、高校にあがれば同級生と恋に落ちて。卒業まで付き合ったが、それから就職で故郷を離れることになり。
(あれ以来かぁ……)
当時は仕方のないことだと思った。それくらいで終わってしまうような子どもじみた恋愛だったのだと。けれど、就職先が酷いブラック企業ですぐに退職してしまった時は、僅かながらに故郷から離れなければ何も失わなかったのに、など感傷に浸る暇はなく生き抜くことが精一杯だった。故郷にすぐ出戻るということはプライドが許さなかったための苦労だったかもしれない。
今はフリーターながらに継続した仕事を続けているし、接客をして心が揺れれば一夜の恋に身を任せる事もある。けれど、純粋な恋愛には程遠い。
(競馬とかも教えてくれたっけ……最近、店に顔出さないな)
キャストとそんな関係になって、いたたまれなくなったのだろうか。そんなことを考えていると秋風が吹き、つい襟元を抑える。
(こうして外に出ない限り、季節感ってないな。ああ、季節と言えばイベントやるんだっけ)
折角の休日に仕事の事を思い出すだなんて勿体無い。苦笑して、ねこったーに写真が載っていた喫茶店へ行くかと思案していると、大きな足音が聞こえる。
(えええ……あの美人さん、あんな歩き方するの?)
誰から見ても、怒り任せに闊歩していることがわかる。南京錠に願い事をしている時は清楚だったような気がするのに、一体何が彼女を変えたのか。
「……ま、先に景色を眺めるのもいいかな」
特別話しかけてみようとは思わない。ただなんとなく、一人で泣きたいのだろうがそれに気づいてない、といった所だろう。これは接客業をしていて身についた、ただの勘でしかないのだが。
(人の心配をしてる場合でもないしね……)
思わぬところで自分の恋愛遍歴を回想してしまったが、こんな自分でも良い出会いがあるのだろうか、と遠い目で想ってしまう。目の前に広がる海のように、包み込んでくれる誰かが。
(もうちょっと、しっかりお願いしておくべきだったかな)
苦笑しつつ、客として訪れる男性以外にも目を向けなければと漠然と思う。出逢いを信じて待っているだけではつまらない、チャンスの神は前髪しかないと言うのだから、見落とさず自分で掴みに行かなければ。
それは、ギャンブルに強い自分なら出来るはずだと、アリサは自信に満ちた笑みを浮かべた。
強気な態度で修を振り切り南京錠をかけた水樹は、新たな出逢いを求めて、そして今度こそその出逢いが本物であるように祈り、気分をスッキリさせようと海沿いにならぶ手すりに両腕を置き、背筋を伸ばして海を見た。
再び、それを一緒に眺めていた男の影がチラつく。考えるなど時間の無駄だと思っているのに、ショッピングで服を見立ててくれた事、ちょっと奮発して夜景が一望できるディナーを楽しんだ事。この場所以外にも思い出は沢山あって、それはアルバムから写真が抜け落ちていくようにザラザラと降り注ぐ。
(……なんで、今になって)
散々怒りを発散してきた。何にぶつけても晴れなくて、そんなに過去へ縛られている自分が嫌で。振り切るために南京錠までかけたのに、まだ心に居座っている。
もう怒る気力などなかった。いや、初めからなかったのかもしれない。ただ裏切られたという事実だけを見て、自分の本心を曝け出せなかった。
悲しかったのだ、他の女を見ていたという事が。辛かったのだ、自分だけが舞い上がっていた事を認めるのが。それらを全て怒っているのだと躍起になっていても晴れるわけがない。
(私はこんなに……好きだったのね)
今更だ。今更そんな当たり前のことに気づいて水樹は俯く。目を背けていた分、胸が痛い。正直に認めて泣いていれば、ここまで苦しくなかったかもしれないのに。
「ふっ……く、ぁ」
大好きだった、愛していた。もう過去形にしなければいけない。振り返るときは笑って、酷い男がいたもんだと言えるように。
全部を忘れなくていい、好きだった気持ちは偽りないのだから、自信をもてばいい。
涙が止まらなくても、決して声だけは出さないように歯を食いしばる。足から崩れ落ちそうでも、柵を握った手の力を強めて、懸命に背を伸ばす。
自分は、心から人を愛することが出来る。その唯一の人にだけ寄り添える。そんな自分を裏切るだなんて、見る目がなかったのだと。
何かが聞こえたのか、思い至ったのか。水樹はゆっくりと指先で涙を拭う。泣き顔は静かな微笑に代わっていた。
「さようなら」
泣いていた自分へ、もう側に居ないあの人へ。
――ここは恋愛にまつわる伝承のある丘。幸せを願うだけでなく、振り切る勇気も与えてくれる。それが貴方の、次の幸せにつながるようにと。
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あとがき
担当マスター:
浅野 悠希
ファンレターはマスターページから!
皆様ご参加ありがとうございます、浅野です。
今回はハロウィンということで、カフェメニューに拘ってみました。
登場する物は全て実在しますので、もしかしたらご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
また、今回は諸々都合がありまして、通常より漢字が多めだったり句読点が少なめになっていますので、読みづらい点があるかもしれません。
これは本当に申し訳ありません……次回はもう少し配慮して書けるよう努力します。
前回の猫鐘でも触れたのですが、別名で存在するこの鐘。
私は行ったことがありません!!
ので、いつ頃が混んでいていつ頃が閑散期なのか実際は知らないのですが、クリスマスはとても有名なので、そんなお話も書ければ良いなと思いつつ。
とにもかくにも、楽しいアクションをありがとうございました!
いい思いをさせて頂きました……ご馳走様です。
皆様が今後、どのような道を進まれるのか、楽しみにしております。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月13日
参加申し込みの期限
2015年05月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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