this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
10月の★ハッピーバースデー
<< もどる
1
2
3
4
5
…
16
つぎへ >>
【2】二人で、おでかけ!
十月二日の放課後。
哀坂 子夜
は、友人の
矢萩 咲
に誘われて、彼女が贔屓にしている店へと向かっていた。
「なぜ、生まれただけの日を祝うの、かな。……わからないね」
咲と並んで歩きながら、子夜がいつもどおりの無表情な顔で、ぼそりと言った。
「あら、友達として、誕生日のお祝いをするくらい、当然よ」
対して咲は、笑って返す。
そう、今日は子夜の誕生日なのだ。それを知った咲は、彼女にプレゼントを贈ろうと、ショッピングに連れ出したのだった。
やがてたどり着いたのは、一軒のファンシーショップだった。
店内は、可愛いものであふれていたが、特に動物をモチーフにしたアクセサリーや雑貨、下着類が多いようだ。
その店内を見回し、子夜が呟く。
「へぇ……。意外、というのかな。……咲君、こういうものが好き、なのだね……」
実際、普段の咲を知る者ならば、こんな店にしょっちゅう出入りしていると聞けば、意外だと思ったに違いなかった。もっとも、子夜の場合は単純に意外だと感じただけではなく、今まで知らなかった一面を知って、咲への興味が深まったとも言える。
が、咲は彼女の呟きに、幾分赤くなってそっぽを向いた。
「……咲だって、可愛いものが好きなんだ……」
咲自身も、それが普段の自分のイメージにそぐわないだろうことは、理解している。なので、あまり人に話したことはなく、彼女の可愛いもの好きを知っているのは、家族と幼馴染ぐらいだった。そして今は、子夜もその『知っている』人間の一人になった。
(子夜さんは、知っても笑わないだろうって思ったんだ。それに、咲のこういう面も、知ってほしかった)
そっぽを向いたまま、咲は胸に呟く。
もちろん、子夜へのプレゼントに、可愛いものを贈りたいと考えたのも、ここに連れて来た理由の一つだったけれど。
「と、とにかく、中を見て回ろう」
言って、咲は踵を返すと歩き出した。子夜も、黙ってそのあとに続く。
店内をあれこれと見て回り、やがて咲は、シェパードの飾りのついたネックレスと、首輪風のチョーカー、それに犬柄のパンツを買った。
外に出て、店の前に置かれたベンチに、彼女たちは並んで腰を下ろす。
「これは、誕生日プレゼントだ」
咲はまず、ネックレスを子夜に差し出した。子夜は、黙ってそれを受け取る。
次に咲は、首輪風のチョーカーを差し出した。
「子夜さん、犬っぽいし……ジョークアイテムよ」
「私は、犬っぽいのかい? やはり、咲君は不思議なことを言うね」
子夜は首をかしげて、それも受け取る。
それへ咲は、最後にパンツを差し出して、言った。
「いつも、体育の着替えの時に思ってたの。『パンツくらい、可愛いの履いた方がいい』って。風紀乱さない範囲なら、おしゃれするべきだわ。せっかく、女の子に生まれたんだもの。だから、はい」
「履けたらそれでいいから、こういったものは着用したことがなかったね」
手渡されたパンツをまじまじと見やり、子夜は無表情に返す。
「こういうのが、おしゃれ……というものなのかな。よく、わからないね……」
首をひねりながらも、彼女はパンツを袋から取り出して広げた。立ち上がると、おもむろに履いてみようとする。
「履くのは、家に帰ってからでいいから……!」
咲が、慌てて止める。
「これは、すぐに全て装着しろということではないのか?」
「ないない……!」
無表情にこちらをふり返って問う子夜に、咲は大きくかぶりをふった。が、ふと思い直して続ける。
「あ、でも……そのネックレスは、すぐにつけてくれるとうれしい……かな」
「わかった。では、こちらをつけよう」
うなずくと、子夜はネックレスの方を首にかけた。本物よりも幾分か丸みを帯びた線で象られたシェパードの飾りが、彼女の胸元で揺れる。
「よく似合ってるわ」
咲は言って、笑った。そして、子夜の手を取る。
「さて、ショッピングはこれで終わり。帰る前に、家へ寄って行って」
「ああ」
促されて子夜は、もらったものをカバンに入れると、慌てて立ち上がった。
咲の家は、キャットロードで『萩屋』という和菓子屋を営んでいる。
店内には喫茶スペースや座敷もあって、静かでおちついた雰囲気の店だ。
ちょうど空いている時間帯なのか、店にはあまり客の姿もなく、喫茶スペースはがらんとしている。
咲は、子夜をその喫茶スペースの一番奥の席へと誘った。
ちなみに咲は、今日のために、大型どらやきケーキを作ってくれるよう、店に頼んであった。
二人が席に着いたのを見計らって、店員がそれを運んで来た。
大皿に乗せられたどらやきは、通常のものより一回りほど大きい。中には生クリームと粒あんがたっぷりと挟まれ、上の部分には栗ペーストと生クリームを合わせて絞ったもので、『ハッピーバースデー 子夜さん』と書かれている。
無表情にそれを見下ろす子夜の目の前で、運んで来た店員が、それを半分ずつに切り分け、小皿に取り分けてくれた。
やがて店員が立ち去って行くと、咲に促され、子夜はそれを口にした。
「うちの味はどう?」
「味……。甘い、かな」
咲に問われて、子夜は首をかしげて答える。感情の機微に乏しい彼女は、言葉で表現するのも、得意ではないらしい。
その彼女に、咲は自分の分を一切れ切り取り、フォークの先に突き刺して、口元へと差し付ける。
「はい、あーん」
「あ~ん?」
子夜は、訳がわからないまま、口を開けた。差し出されたどらやきケーキの一切れを口に入れ、咀嚼する。
「美味しい?」
咲に問われ、しかし子夜は答えなかった。
味がわからなかったわけではない。
(……この行為は、何か意味があるのだろうか……)
つと、考え込んでしまったせいだ。そして彼女は、咲の行為をまねてみる。
「あ~ん」
自分の分を一切れフォークに突き刺し、咲の口の前へと差し出した。
「え? 咲にも?」
驚いたものの、引く気配のない子夜に、咲は恥ずかしさで真っ赤になりながら、口を開けた。
そんな彼女を見やって、子夜はやはり、よくわからないと首をひねる。
咲は、口の中のどらやきを咀嚼すると、赤面したまま、「美味しい」と笑った。
その笑顔に、子夜は胸の底で一瞬、虚をつかれる。
(咲君はなぜ、笑えるのだろうか……)
ふいに、そんな思いが湧いて来た。
(愛想笑いでなく……自分の感情と共に……。そしてなぜ、それを私に向けられるのだろうか。私は、咲君に何もしてあげられないのに、ね)
胸に呟く彼女の頬を、冷たいものがすべり落ちて行く感触があった。
「子夜さん、どうしたの?」
咲が、驚いて声を上げる。
「あ……」
低い声を上げ、子夜が自分の頬に触れる。そして、冷たいものは、涙だったのだと悟った。
「ああ、すまない。なんでもないよ。……咲君、この和菓子……『美味しい』よ」
涙をぬぐって言う子夜に、咲はようやく安堵の笑みを浮かべる。
「よかった。急に泣き出すから、びっくりしたわ」
「すまない」
再度謝る子夜にかぶりをふって、咲はどらやきケーキを食べ始める。同じく子夜が食べ始めたのを眺めながら、彼女はふと思った。
(初対面の時に、予感していた。彼女は自分と同類だと……)
二人が出会ったのは、今年の四月。三年生に進級し、同じクラスになった。しかも、席は隣同士。それが仲良くなるきっかけだったのだが――。
(お互い、癒えない傷を持つ似た者同士……だからこそ仲良くなれると思った。……彼女がどんな傷を抱えているのか、無理に聞こうとは思わない……。けど、いつかその笑顔を見たいと、切に願う)
胸に呟き、彼女はフォークに突き刺した、どらやきケーキのかけらを見やる。
どういうわけか、これは笑顔どころか涙を誘ってしまったようだ。
(でも、いつかは、きっと……)
胸の中で小さくうなずき、彼女は顔を上げた。
「……これからもよろしくね、子夜さん」
真っ直ぐ子夜を見つめて言うと、微笑みかけた。
子夜の顔は、相変わらずの無表情だ。だが、どらやきケーキを口に運ぼうとしていた手は、止まっている。
「ああ」
うなずいた子夜の目は、しばしの間、咲の上から離れなかった――。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
16
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
10月の★ハッピーバースデー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年05月11日
参加申し込みの期限
2015年05月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年05月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!