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Scene2
有為転変は世の習い
「円ちゃんの燻製器、手作りなんだー」
「ふふふ、市販とは違うのだよ、市販とは」
円はののこと自作の燻製器について語っていた。バーベキューの開始まで時間はまだある。しかし燻製は肉を焼くよりも多くの時間が必要だった。当然バーベキューよりも早めの処理が必要だ。
切り抜いた段ボールに手頃な枝を突き刺して網を渡す。そしてスモークウッドチップとサクラチップを入れたフライパンを下に入れる。これだけで燻製器は完成だ。
「すごーい! あっという間ね!」
「創意工夫が生み出すこのロマン、感動的と思わない?」
「うんうん!」
ののこが漏らす感嘆の声に円は満更でもなさそうだ。最も円自身も燻製は今日が初めてだが――それは彼女だけの秘密である。
「あら、刀。まだ終わらないの?」
ブリジットは刀が戻って来たのを確認する。彼は両手に手頃な大きさの石を抱えていた。割と重労働そうだ。とは言え、ワイルドな男性像を魅せるための機会である。役割を大切にするブリジットは敢えて手伝わない。
「そうは言ってもアーチャー、今始めたばかりでそれは無茶だぞ」
そんな準備が進む最中に
鷹城 空
はやってきた。彼女は少し離れた木陰からブリジットと刀のやり取りを眺めていた。
「今日こそ、ぼっち生活を脱出せねば」
空は自分に言い聞かせていた。
自分はたまたま友達と参加する予定だった。しかしその友達はたまたまの事情でたまたま不参加になってしまった。自分はたまたま一人となっただけなのだ。
ほんの少しだけ虚しい気持ちになったのは言うまでもない。負の感情を頭を振って払拭する。今日は何としてでもまずは同級生の刀に近づくのだ。
意を決して空は木陰を飛び出した。
「こんにちわ」
「……おう」
空はさりげなく通りかかるように刀へ挨拶を交わす。静かに刀が返事を返した。ただそれだけだ。そのまま彼は並べた石を眺めたまま黙り込む。
石の残り必要数はどれくらいか。
刀が考えている姿を見て空は手をぎゅっと握りしめて動いた。
「御剣さん、手伝おうか?」
意表を突かれて刀はきょとんとしていた。顔だけ空に向けている。
「軍手も持ってきたし、私なら大丈夫だぞ」
ほら、と手に装着した軍手を見せる。むっつりとした刀の口元が緩んだ。
「……ありがとう」
空はその一言が嬉しかった。同年代からの頼られるのは何時ぶりだろうか。覚えている限りだと恐らくかなり久しいはずだ。
「それじゃあ行こうか」
空の言葉を合図に刀が河原へと移動する。
心配するまでもなく溶け込めたようだ。人見知りという硬い殻を突き破ったこの一歩はきっと大きい。
さて
十文字 若菜
と
神野 マキナ
がやってきた。2人は早速ののこと円の所へ向かう。途中広げられた折り畳みテーブルに並ぶ多くの食材に強く興味を示していた。
「だいぶ準備が進んでいるけど、もしかして出遅れた?」
「でもないよ。僕たちも今さっききたばかり」
円の言葉に若菜は「よかったー」と安堵の域を漏らした。そして彼女は抱えていた段ボールを地面に降ろす。
「へー、2人とも燻製なんだ」
「私たちだけじゃないよ、士君も燻製するんだよ」
ののこが少し離れて煙をあげている士の燻製器を指さした。若菜とマキナがそれを目で追った。
「十文字さん、ぼくたちも遅れるわけにはいかなそうだね」
マキナは円の段ボールを加工した燻製器を見つつ若菜に言った。
「そうね、それじゃあチップは何を使う?」
段ボールを加工しつつ若菜は尋ねる。マキナが手に持っているのはコーヒー豆だ。それに士が反応する。
「……それを使うのか、珍しいな」
訝しげな顔で彼はコーヒー豆を見ている。更に箱から取り出した茶葉やラスク、クッキーなどを見ていた。
「そうさ、せっかくの燻製なんだし、ネットで見つけたコーヒーによる風味を試したくてね」
するとマキナが鳥皮やメークイン、鶏胸肉が小分けされたタッパも取り出す。
「――勿論、普通の食材もあるよ。鳥皮は十文字さんが用意してくれたものさ」
変わり種ではあるもののコーヒー風味は肝心の味が不明のままだ。
「なあ、ちょっと味見してみてもいいか?」
勘三郎はガスグリルの網で豚肉と野菜を焼いていた。そんな中、ふと碧南の自作ソースに気付くのだった。
「いいわよ? どっちを使ってみる」
普段から使う市販調味料なら味は想像つく。しかし手作りとなれば話は別だ。予め知っておかなければアレンジができない。
食材の準備をしていた碧南は言われるがまま彼に“アメリカン”と“和風”のタッパを手渡した。
「何を企んでるんだ」
「企んでいるって、人聞きが悪いなぁ」
勘三郎の不敵な笑みに信彦が眉をひそめた。
「焼肉ついでに、すき焼き風なんて作ってみようと思っただけだよ」
「すき焼き?」
信彦と碧南が首を傾げた。視線の先では勘三郎がスプーンで“和風”の味見をして頷いている。
「焼肉のタレって万能じゃん。だから、こうやって料理すれば、結構ワイルドだろ?」
しばしの沈黙。さすがの勘三郎も自信がなくなったのか同性の信彦へ視線を送る。
「……なあ、ワイルド、だよな?」
「俺に聞かないでくれ」
2人のやり取りを眺めていた碧南が堪えきれずに笑いを漏らした。申し訳なさそうに笑う彼女の姿に信彦と勘三郎は拍子抜けだ。
「あのね山田クン、ソース系は最後にしないと他のお肉に味が移っちゃうよ」
勘三郎は頭を抱える。さすがにそこまでは考えていなかった。
「あーそっかー、そいつはマズイ」
結局勘三郎が考えていたすき焼き風焼肉は後回しとなった。
ふと信彦が刀と空に目を向ける。
「なんだ刀君、出来上がったのか」
「やっとな。形を整えるのに少し苦労したが」
石組みのかまどがいつの間にか出来上がっていた。予想よりも早かったのは空が手伝ったからだろう。
刀はブリジットが持ってきた牛肉を切り分けた。そしてその一部を皿へ移すと信彦に渡す。
「なあ信彦、グリルはできるか?」
「蒸し焼き、照り焼き、あぶり焼き、なんでもできるぜ」
厚切りのサイコロ状態となった牛肉に信彦が軽く唸る。
「んー、こいつは……素焼きと、ソース、どっちが良いか」
見た目で上質な素材なのは理解した。素材の質を活かした料理もまたバーベキューの醍醐味である。この肉質であれば網で炙り焼くよりも鉄板との相性が良いだろう。
「ほい」
不意に勘三郎は“和風”を彼に突き出した。更にビニール袋から取り出したワサビの茎を手渡す。
「この組み合わせなんてどうだ」
「……勘三郎君は、本当に何を企んでいた?」
苦笑交じりの信彦がワサビを確かめる。ごくありふれた素材ではある。しかしチューブに比べれば断然モノは違う。
「だから、何も企んでいないって! というかみなまで言わせんなよ、恥ずかしい」
顔を赤らめる勘三郎の様子から信彦は無計画だろうと推察。
そうしている内に信彦の頭の中でレシピが組みあがる。以前食べたことのあるワサビが効いたステーキだ。
「碧南ちゃん、ソース使っていいかな?」
「いいわよ、たっぷりあるし、存分につかっちゃって!」
そう聞いて信彦はわさびをすりおろし始めた。
「この肉、神戸肉か」
信彦の言葉を聞いてブリジットが眉を動かした。
「あらご明察、鋭いのね」
「肉質、脂身、この二つを見ればこの牛肉がA等級なのは一目瞭然だ。それに鮮度が店売りとは違って新しい。じゃあそんな肉を誰が準備できるかといえば、ブリジットちゃんしかここにはいない」
彼女は言い当てられて満更ではなさそうだ。しかしそのまま彼女は沈黙する。
しばし時間が止まったような感覚に陥る。
「……違ったか?」
信彦は手を止めてブリジットを見た。彼女は何かを躊躇っていた。少しだけ不機嫌そうに見えるのは考えているからだろう。
2人の様子に碧南は目が点である。
「……パパよ」
その一言までしばしの時間を要した。その彼女の様子から信彦は何となく事情を察した。
「一緒に来るって言われたんだな?」
ブリジットは大きく嘆息。そして半ば投げやりに答える。彼女の中で何かが吹っ切れたのだろう。
「そ、だから言ったのよ。私は肉だけでいいのよって。そしたら電話越しでパパったら――」
よほど面倒なやり取りがあったのか。思い出すだけでブリジットはうんざりとしていた。
信彦はどこか彼女の父親に同情をしていた。それは憐れみではない。同じ男としての同情である。
世の中とはかくも無常なものなのだ。
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担当ゲームマスター
RAGING ARMS
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月17日
参加申し込みの期限
2015年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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