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天高く、馬肥ゆる秋、なんとやら
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食、その前に
「もー、どうやって使ったらいいのよー」
野々 ののこ
は紅葉が彩る木々の下でぶつくさと小言を呟いていた。目の前には簡単な燻製キットが組み立てられている。
ののこには本日一つ野望があった。それは誰よりも燻製を上手に作る事だ。一歩でも前に出ておきたいのである。
九夜山の麓にして猫又川の近くにはキャンプ場が1つある。水場とトイレのみの然程大きくはないキャンプ場だ。それでも休日という事もあって今日は人の数がやや多い。朝から既に親子連れや釣り人の姿が見えている。そんなキャンプ場の一角でののこは市販の燻製キットと孤軍奮闘していた。
トレーに備え付けのウッドチップを入れてみた。それからしばらく待ってみる。当然煙は出ない。着火剤らしきものは同梱していなかった。空になった袋を覗き込んだところで何も解決するはずもない。
数秒。十数秒。そして数分。いくら待てども煙は出ない。まあ当然だ。
「なんでなのよー。ホームセンターでも、チップを入れて組み立てるだけで簡単に燻製ができますって言ってたじゃなーい」
この様子だと前に出るどころか物事の起点すら遠そうである。
秋の空は高く広い。遙か頭上の彼方には薄い雲の絨毯が見えている。雲はいずれも太陽を避けて往く宛てもなく漂うばかり。
季節は既に秋中旬。寝子島一にして唯一の御山である九夜山には赤や黄の色が浸透していた。それは寒風が運んできた秋の色である。
紅葉の絨毯をこっそりかき分ける。すると見えてくるのは秋のおすそ分けだ。栗やどんぐり、きのこなど――じっくり探せば多く見付かる事だろう。
木々の上から紅葉がゆらゆらと落ちていく。空を駆ける一陣の風は地面にまでは届かない。秋の来訪を悦び勇む落ち葉の踊りもこの森の中で見る事はできない。ここにあるのは、静かな木漏れ日の指揮で謳う、葉擦れと小鳥の囀りのみ。
川沿いからの細い林道を進んだ先に木々が疎らになる場所がある。そこがキャンプ場だ。
桜庭 円
、
御剣 刀
と
ブリジット・アーチャー
は小さな駐車場を抜けた。
円は段ボールを両手で抱えたまま周囲を見渡した。今日のバーベキューのメンバーはまだ来ていないようだ。
「よし、ボク達が――」
一番乗り。そう言い掛けた直後。
「でもなさそうね」
ブリジットが遮った。彼女はある一方を指差していた。肩透かしを食らった顔で円は指し示された方角を見る。
ののこが何かしらの作業を地面に座って行っていた。適当な板を両足で押さえて棒を揉み回す単純な作業だ。一見ただの棒遊びに見えなくもない。しかしとても楽しそうには見えない。苦労してそうな、していなさそうな、そんな様子である。
「何をしているんだ、野々は」
刀も気になった様子で目を向けた。大きく膨れ上がった旅行バッグと、コンロの箱を地面に置く。
「ありゃ火起こしだな」
そこに別途到着した
山田 勘三郎
が後ろから声をかける。
「あーねー」
円とブリジットが声を重ねた。ここでようやく山田の存在に気が付く。
「よう」
勘三郎が振り向いた刀に声をかける。
「お、山田か」
彼はビニール袋を両手いっぱいに持って立っていた。急いで冷蔵庫のありあわせを詰め込んできたのだろう。ずいぶんと統一性のない食材だった。
「早いんだな」
「まあな、焼肉と聞いて居ても立っても居られなくてな。お前たちもそうなんだろ?」
「いや、俺は燻製準備の付き合いついでだ」
そう言って刀は円の段ボールに目を向ける。円も段ボールを見せるように動かした。
ふとののこの声が聞こえてくる。
「おーい!」
彼女は立ち上って手を振っていた。どうやら火起こしを諦めたようである。
「みんな早かったねー。ところで、何をしていたと思う?」
4人がののこの所まで移動すると彼女はドヤ顔でお出迎え。腰に手を当てて目の前で棒をフリフリと、ずいぶんご機嫌だ。
「火起こしでしょ」
有無を言わさぬブリジットの返答。
彼女の答えを受けてののこががっくり肩を落とす。嘆息して、口を尖らせた。
「えー、なんでわかったのよー」
考えあぐねいて答えを聞いてくれると期待していたのだろう。ののこは悔しそうだ。
「それにしても、どこでそんな火起こしを覚えたの?」
円が板を見る。火種らしきものは見当たらない。かろうじて円形の焦げ目があるだけだ。
「えーっと、これ」
案の定と言うかなんと言うか、ののこは小さなポーチからサバイバルブックを取り出した。
「火なら円がバーナーを持っていなかった?」
「え、ほんと?」
ブリジットの言葉にののこが枝を投げ捨てる。火起こしの苦労は棒と一緒にサヨナラだ。
「今使う?」
円が段ボールを地面に置いた。燻製のチップを脇に寄せつつバーナーが箱の中に入っている事を確認する。
「んー、じゃあ、後で貸してほしいな」
円はののこに微笑んだ。
「で、野々は、なんで火起こしなんてしようと思ったんだ」
荷物を整理しつつ刀が訪ねる。待っていればいずれ自分たちを含め誰かは必ずやってくる。ましてや周囲には多数の人もいるので道具を借りるくらい容易いはずだ。しかし帰ってきた答えは意外なものだった。
「ライターを忘れたし、せっかくなら普段はやらないような方法で火をつけてみたいと思わない?」
ののこは純粋にアウトドアを楽しみたいだけだった。一瞬一瞬を全身で楽しもうという本気の姿勢だ。行動のどれもが工夫の塊だ。傍から見ればただの苦労人かもしれない。だが、しかし――
アウトドアではない。それはサバイバルだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
RAGING ARMS
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月17日
参加申し込みの期限
2015年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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