this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
今朝、曲がり角で
<< もどる
1
2
3
4
5
…
8
つぎへ >>
chapter.2
逆巻 天野
と
真辺 伸幸
の場合
猫鳴館から学校へと向かう途中の坂道。
この坂は下った先がT字路になっていて、住人の間でも気をつけなければいけない場所として噂されている。
なので、近隣の者はあまりここで事故を起こすことはない、かに思われたが。
運悪く朝のバイトが長引いて、遅刻を避けるため坂道を駆け下りていた
逆巻 天野
。
ぼんやりと寝ぼけ眼をこすりながらその進行方向を歩いていた
真辺 伸幸
。
このふたりがこの状況で出会ってしまったがために、事故は起こってしまった。
「ちょ、どいてぇええええ!」
天野の必死の叫びが、青空にこだまする。
視線の先、というかもう既に目の前。衝突寸前の伸幸は聞こえているのかいないのか、ぽわんとした表情でのんびり歩いていた。
あ、ダメだ。もうこれ間に合わない。
天野は瞬間、そう悟った。勢いのついた足は止まらない。そのまま、ふたりはガチンとぶつかり坂道を転がった。
何が起こったか一瞬わからなかった伸幸だが、自分の頭がぎゅっと包まれていることだけはわかった。その温もりの正体が天野だとわかったのは、その少し後だ。
「ぬー……」
伸幸は、くらくらする頭で辺りを見回す。自分が何かにぶつかって転んだことまでは憶えているが、誰とぶつかったのかまではわかっていない様子だ。
「誰かとぶつかって、転んじゃったのかねぇ」
相変わらずマイペースな口調でそう言いながら、伸幸は目の前で自分を抱きかかえながら倒れている人物を見る。そこで、呼吸が短く止まった。
「……えっと、ぶつかった方ー、って、俺」
そう、伸幸の目に映っているのは、伸幸だった。ものすごく近い距離で一瞬戸惑ったけど、その姿は紛れもなく見慣れた自分自身だ。
「俺、だねぇ。でも俺は自分自身だからー……うん?」
はて、と首を傾げる。一体これはどういうことなのか。さっぱりわからなかった。
「ぶつかった衝撃で、分裂でもしたのかねぇ」
あながち冗談でもなさそうな口調でそう言ってみる。にしても、自分に抱かれているというのはなんとも珍妙な感覚である。
と、その時。目の前の自分が目を覚まし、口を開いた。
「いててて……」
目の前にいる自分の姿をした者も、違和感を覚えたのだろうか。なにやら喉を触ったり衣服の裾をつまんだりしている。
「何だこれ」
伸幸の姿をした者は、心底不思議そうな様子だ。
「何がどうなってるんだ?」
それもそのはず、彼もまた、伸幸と同じ感覚に襲われていたのだ。つまり、目の前に自分の姿をした者がいるという不可思議現象に。
もっと分かりやすく言えば、伸幸ではない体に伸幸の意識があり、天野ではない体に天野の意識があったということだ。さらに単純に一言で言うなら、入れ替わりである。
「ああ、さっきの『どいてー』ってあまくんの声だったんだねぇ。どおりで目線が低いはずなのよー」
伸幸(姿は天野)もその事実にようやく気付いたようだ。が、気付いてなお彼はマイペースだった。
「分裂したわけではなくってひと安心ー」
どういうわけか、伸幸と天野はお互いの体に精神が入り込んでしまったようだ。
「いや、待ってくれ。冷静に。落ち着こう」
呼吸の仕方すら忘れそうになる中、天野(姿は伸幸)は自分にそう言い聞かせる。伸幸の分裂発言はとりあえず気にしないことにした。
しかしそうしている間にも、髪の毛からアホ毛がぴょこんと跳ねてくる。
「ちょっと落ち着きたいんだってば」
跳ねた毛をたたき落としつつ、彼はゆっくりと立ち上がった。いつもより若干高い視界は、新鮮でどこか変な感じがした。
まず彼が思ったことは、神魂のこと。また何か超常現象に巻き込まれたのだろうか。
「いやいや、まさか……」
それにしては、あの猫の声も聞こえないし何の騒ぎにもなってない。彼は困惑した。
さらに彼を困惑させていたのは、今から学校というこの状況である。
「このまま登校は問題だろ。とりあえず帰って……でも中間テストも近い……く、どうする……」
時間は既に、遅刻ギリギリ。一刻の猶予もない。
真剣に悩む天野を尻目に、伸幸は驚いてみせた。
「おお、何やらあまくんが必死だねぇ。俺も必死な顔出来るんだねぇ」
「いや真辺がそこまでまったりしてる理由が僕は分からない」
「何やら不思議な気分ー」
「ちょっと、聞いてる真辺?」
全然危機感を抱いてない伸幸に、天野は不安そうに尋ねる。
「ぬ?」
「だから、元に戻るために出来ることを……」
「何か出来ること……ぬー……」
伸幸は考える素振りをみせたものの、その意識はすぐに逸れてしまった。普段とは違う、指どおりの良い髪。気付けば伸幸は、自分の頭をいじっていた。
「あまくんの髪、さらさらー」
ついには、髪の毛を縛ったり解いたりし始めた伸幸。あまりのマイペースっぷりに、普段は冷静なはずの天野も思わず声を張り上げた。
「って、真面目にやれ真辺ぇええええ!!」
目の前の、自分の姿をした伸幸はうっとりと髪を愛でており、ともすれば少女漫画にでも出てきそうな一コマだ。自分の姿でそんなことをされては、キャラ崩壊もいいとこである。
「キミは乙女か!」
「え、だってあまくんの髪きれいなんだよー、ほら」
「ほら、じゃない!! もう一度言うけど、乙女かって!!」
ああもう、どうにかしないとまずい。
天野はだんだん焦りの気持ちが大きくなっていった。
しかしこの時、彼は自分の発言をきっかけにあるアイディアを思いついた。
「ん……待てよ。もう一度……?」
「ぬ? どうしたのあまくん」
「真辺! もう一度ぶつかって転がるんだ!」
さっきの衝突が原因でこうなったのなら、同じことを繰り返せば元に戻るかもしれない。根拠はないが、もうそれに賭ける他手段はない。
「なるほど、古典的だけれど良い方法かもねぇ」
天野から理由を聞かされた伸幸は、へにゃっと笑いながら答える。ふたりの意思は揃った。あとは、実行するだけだ。
互いにぶつかる前の配置につき、合図を送る。正直あんな痛い思いをするのもさせるのも気が引けるが、戻るためには仕方のないことと割り切った。彼らは、いや、主に天野は必死だった。
そして天野は坂道を駆け下り、下にいる伸幸と二度目の衝突をした。
「……っは!」
どちらからともなく、声をあげる。言葉を最初に放ったのは、伸幸だった。
「ぬー……頭がずきずきー」
視界には、自分を抱きかかえるようにして倒れている天野の姿。
「えっと、ぐったりしてるあまくんが目の前にいるってことは、元に戻ったんだねぇ」
言いながら、ゆっくりと天野を起き上がらせる。
はたして本当に入れ替わっていたのか、それとも夢だったのか。真実は分からない。でも。
「夢だったら夢で、楽しい夢だったよねぇ」
いつもの柔らかい笑みを浮かべながら言う伸幸。
「ん……うん……」
「ぬ、あまくんおめざめー?」
「元に……戻れた……?」
「うん、いつもの俺らだよー」
「そうか、良かった……って、時間は? 学校は!?」
天野が目をぱっちりと開き、時計を見ようとする。その時、遠くからチャイムの音が聞こえた。
「あれやあ、これは遅刻確定だねぇ」
のほほんとした伸幸の声と無情な鐘の音に、天野はがっくりとうなだれた。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
8
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
今朝、曲がり角で
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月14日
参加申し込みの期限
2015年04月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!