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秋の夜、満天の星の下で
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●素顔
星の光がにじんで見える。夜風は体に冷たく、目に痛い。
疲れきった足を引きずり、
日向 透
は家路を急いでいた。
勤めている金融会社ではここのところ残業が多い。近頃はどこの会社も似た状況とはいえ、この疲れた体を休める暇もなく朝の出社時刻を迎えると思うと憂鬱な気分になる。
公園の前まで来たとき、自販機の明かりが目に入った。
この時間まで休まず働いている姿にはシンパシーのようなものすら覚える。
(何か買って一息いれましょうか)
そう考えて立ち寄った公園には、先客がいた。
「おや……こんばんは」
声をかけられて驚き、
塔尾 松生
がブランコから立ち上がる。
「あれ、日向さん……こんばんは」
透も驚いているようだが、松生の方もこんなところで透に会うとは思っていなかった。
「どうしてこんな時間に?」
「コンビニへ買い物に出たついでに、星空を眺めてたのよ」
寝子高の北校舎では天文部の人たちが天体観測をしているらしい。
そう聞いて、自分も何かしてみたくなった。
「夜歩きしたくなる気持ちはわからないでもないですが……こんな時間に一人で歩いていてはだめですよ」
「天体観測日和、と思ったんだけど……やっぱだめですか」
優しく諭すような口調に、松生がしおらしくなる。
こうやって夜に出歩かなければ、透とも会えなかったというのに……そう思ったが、口にはしなかった。
「仕方ありませんね……何か飲み物を買ってきます。俺が近くまで送るので、もう少しここでゆっくりしていきますか」
そういって立ち上がる透の顔は、いつものように優しい表情を浮かべていた。
気持ちはわかると先ほど言った通り、透にもしばしば一人になりたい時があった。
温かい飲み物を買ってやりたかったが、この時間にカフェイン入りのものはだめだ。
他はおしるこなど女子高生に渡すには微妙なものばかりだったので、仕方なくジュースのボタンを押す。
缶ジュースを二本手にブランコのところへ戻ると、松生がじっと空を見上げていた。
さっき歩いている時に見た星は光る点ぐらいにしか思えなかったが、そんなに綺麗なものなのだろうか。真似するように空を仰いでみると、公園の木々の間から見える満天の星空が目に飛び込んだ。
「ああ、なるほど。これは確かに綺麗ですね……」
住宅街の明かりはほぼ消えて、広大な宇宙を樹木のフォトフレームで切り取ったように見える。
夜の公園は不思議な顔をみせる。都会の中にありながら人の生活音と切り離されていて、これが神社の境内ほどの広さなら木々のざわめきにある種の荘厳ささえ感じるだろう。
夜の静けさと星々の共演が、見たことのないハーモニーを奏でていた。
「あたし、星には詳しくないんだけれど……今の時間帯はアンドロメダとかカシオペア座が綺麗なんだって」
多分あれかな、と松生の指さした方角には、四角形の星のそばにある細長い星の並び。詳しい人が見れば、ペガススに寄り添うお姫様の姿が浮かぶのだろう。
「聞いたことはありますが、見つけるのはむずかしいですね……ここのところ、こうして空を仰ぐこともなかったので」
隣のブランコに腰かけ、ジュースのプルタブを引いて松生に手渡す。
二人におそらく、他人に披露できるほどの天文の知識はない。それでも星は上天に輝いていて、それを眺める人に等しく、非日常のひと時をもたらしてくれる。
吸い込まれそうなほど綺麗な星空だった。
幼少の頃に幸せな記憶が多い人は、こうした時間に幸せな感慨にふけるのかもしれない。
だが、透の思い出す記憶は家族一緒の幸せとはかけ離れた、一人で星空を見上げた記憶だった。
夜空の光景に、酒に酔った父の怒声が重なる。
家に帰るたびに、母は幼かった透を外へと逃がした。自分を守ってくれるはずの家の門戸に閉め出され、何時間も外で星空を眺めた記憶。酒瓶を持ったまま透に迫る父の姿が脳裏に浮かぶ。
(……どうして今、このタイミングで思い出すんだ)
いつのまにか、手を強く握りしめていた。
(大丈夫。大丈夫だ。何を今さら怖がっている)
フラッシュバックに耐えながら言い聞かせる透の手の中で、空き缶がぱきりと音を立てた。
音に我に返った透は、松生が自分の顔を覗いているのに気がついた。
「……!」
目が合い、声も発さずに松生は視線をそらす。どうやら自分は、相当辛そうな表情をしていたらしい。
優しく紳士的な、会社勤めの大人の男性。それが透の表向きの顔だ。内面にどんな歪みやつらい記憶を抱えていようが、周囲にはそう思わせていた――思わせていたかった。
「冷えてきましたね。帰りましょうか」
「……ええ」
いつも通りの優しい声音で話しかけ促すと、松生の方も素直に従ってくれた。
別段透を避けるそぶりはない。
しかし、松生の中では先ほどの、思いつめた表情をした透の姿が印象に残っていた。
(どうしたんだろう……日向さん)
深くは追及しなかったが、ただただ彼の内面に何があったのかが気にかかっていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
詩帆ミチル
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月13日
参加申し込みの期限
2015年04月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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