餃子の闘将｜リアクション

餃子の闘将

「ヒャッハー！　餃子パーティの始まりだー！」
「あ、三夜さん」
　爆テンションで跳躍してきた三夜朝陽に、ていねいに挨拶する優芽。
　普通科１年２組の同級生である。
　
　旧市街に居を構える三夜家。
　錚々たるメンバーの中で、一際カオスで、ある意味問題児と言われるのが彼女である。
　豪快であり、ある意味バイオレンス。

　ここ数日の、空前の餃子ブーム。
　彼女も、学校帰りによく食べている。
「だって大量にあるんだぜ！　部活帰りの、腹減った身としては耐えられねーよ！」
　――臭いとかは、平気なんですか？
「口臭？　そんなの気にしてたら美味しいもん食えねぇじゃねえか！」
　呵々と笑う三夜。最初は何事かとびくついていたロシィも、悪い人ではないと知り、徐々に警戒を解きつつあった。

　何でもこのあと、餃子をめぐるバトルがあるらしい。
　それに向けて、餃子を食べつつ士気を高めているとのこと。
「私の女子力（物理）を見せてやるよ！」
　何か手じかにあるものを振り回す三夜。
　女子力というのは、女子の持つ物理的な力とはちょっと違う、ということを訂正する者はもはや存在しない。

　何かおすすめの、旧市街の餃子のお店は……という問いに、三夜は笑顔で、正面の屋台を指した。

「……猫島軒、臨時営業所？」
　満面の笑顔で、三夜朝陽は頷く。

「いらっしゃいませー！　ニーハオ！　寝子高のお客さんアルか？」
　多忙の中、笑顔を見せる華菜子。
　その奥の調理場で、熱心に餃子を作る綾花も、二人を見る。
　合席を了解して、案内されたテーブルには、見覚えのある男子が猛烈な勢いで餃子を食べている。
　二人を見ると、御剣刀は箸をおいて挨拶する。
　同時に、注文した水餃子がやってきた。