餃子の闘将｜リアクション

餃子の闘将

　――夜の底には、まだ熱気がくすぶっているようだった。
　だがそれも、そのうち風に吹き散らされ、あとは花が甘いにおいを放つばかりの、深い眠りに閉ざされた夜が来るに違いない。
　華菜子は、空を見上げた。
　まるで高い建造物のように、いくつも積み重ねられた雲層の上には、無数の星がちりばめられ、彼女のまだ名の知らない星座がある。
　――不意に華菜子は、あの不思議な魔女のことを考える。
　旅鴉月詠。

　飄然と現れ、大体好き放題餃子を作って去っていった彼女。
　突き詰めれば、人間とはみんなああした、通りすがりの行き違いがたまたま目礼を交わし合うだけの、孤独な存在なのかもしれない。
　――それでも。
　今日は、みんな孤独じゃなかった。
　不思議な一体感で、バトルのさなかでも、一人じゃなかった。
　
「餃子の力で、みんなが笑顔になったアル！
　餃子があれば、世界は平和になるアルな！」
　
　華菜子の中二病的発想、だがそれも満更信じられないものでないような気がした。

　遥かな昔、交流を求め長い交易の旅を経てきた者がいたのだろう。
　彼らは、互いの故郷のやり方で、香料と小麦と肉を混ぜ合わせ、饗応しあったにちがいない。
　様々な多元宇宙が交差する、そんな日が今日だったのかもしれない。
　だれもが餃子の闘将になれる。
　きっと誰もが餃子の闘将だ。

　嫌かもしれないけど。

　
「ラーメンも凄いけど餃子もすごいアル！」

　熱い風を頬に感じ、満天の星の下で。
　万感の思いを込めて、華菜子は叫ぶ。

　
「餃子は最強！」

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あとがき

担当マスター：ぱーすぺ
ファンレターはマスターページから！

ありがとうございました！
バトル・交流でもどっちでもオッケー、という感じのシナリオでしたが、
どちらも密度の高いアクションをいただき、有難い思いです。
交流ご希望のお客様が多かったため、私にいたしましたは、全般的にアドリブ多めになっております。

本シナリオの製作中、若干の変容が身辺に起こり、メンタルな部分で影響を受けずにはいられませんでした。
皆様のアクションのパワーに、今回は本当に助けられた思いです。

称号は、おそらく価値はないに等しいです。笑って受け取っていただければ幸いです。

それではまた、熱いシナリオを、必ずいたしましょう。

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