餃子の闘将｜リアクション

餃子の闘将

　無表情ながら、元気に餃子を頬張るロシィと、優芽は旧市街を歩いている。

　大人同士の食事で、手持無沙汰になってしまったロシィ。
　一緒に餃子を食べていると、彼女の父親らしい男性と、優芽の目が合った。
　――少し、相手をしてあげてくれないか？

　そんなわけで、大人のテーブルから目の届く範囲で、二人も餃子巡りをしていた。
　甘えん坊だが、賢いロシィ。
　東洋人とお話できて、パーパも喜んでいるのだろう。
　自分がいたら、気兼ねしてお話できないのかもしれない。
　
　濃やかに気を回す優芽に「すぱすぃーば」と答え、ロシィはもりもり餃子を食べる。
　表情には出さないけれど、うれしがってくれているようだ。
　割といろんなタイプの人と交流のある優芽。人間観察は的確である。

　しかし、旧市街はなかなか盛り上がりを見せている。
　むむむ。優芽は眉をひそめる。
　誰か、旧市街に詳しい人がいれば……。

　その時。
　少女が、空から飛んできた。