餃子の闘将｜リアクション

餃子の闘将

　割烹着を着て、どやどやと調理場に移動する一同。
　
　手早く包んで見せる華菜子を見て、一同が歓声を上げる。

「私は『美味しくなぁれ』って、おまじないしながら一つ一つ気持ちを込めて作るアルよ。
　お客さんが『美味しい！」って笑顔でいっぱい食べてくれることが、何よりうれしい事アルからな！」
　華菜子のアドバイスに、頷く。
「気持ちが餃子に伝わったら、きっとおいしくなってくれるはずアル！
　餃子に対する愛情が！　特別に美味しい餃子を作るアル！」」

　綾花の仕上げた餃子を見て、周囲が目を丸くする。
　視線に気づき、綾花は照れて笑顔を見せた。
　てきぱきと作られていく餃子。
　そのどれもが、寸分の狂いもなく、形が整っている。
　きっちり成形され、まるで貝殻のようだ。
　かといって機械で大量生産されたもののような雑さはなく、あくまでどれも滑らかで、ていねいに作られている。
　
　おにぎりのプロ、専門のすし職人は、掌にとっただけで、ミリグラム単位できっちり同じ量のご飯をとることができる。
　センス、手先の器用さに加え、毎日の練習や好奇心が、彼女の妙技を支えていた。
　競技用の餃子なら……ということで参加した彼女だが、売り物でも問題のないレベルに仕上がっている。
　