餃子の闘将｜リアクション

餃子の闘将

　次から次に運ばれてくる餃子を、無心に食べ続ける一同。
「美味い！」感嘆の声を上げる刀。やはり猫島軒の餃子は、いつ食べても美味いのだ。
　あっさりとして、つるんと行けるのに、歯を立てると口の中にじゅわーっと旨みが広がる。
　ぱくぱくと、次から次に餃子をほうり込む。いくらでも行けそうだ。

　その傍らで、ものすごい勢いで食べていくのは三夜朝陽。
「ヒャッハー」バトルがこの後ひかえているというのに、一切躊躇しない。
　底なし感が素晴らしい。

　次々に並んでいく餃子を、ニコニコしながら食べていくのは本居陽毬。
「そういえば、みんなは餃子はパリパリ派ともちもち派、どっちだ？」流が尋ねる。
「私は、パリパリ派ですっ！」陽毬が答える。
転校生として、各地を回っていた彼女、浜松餃子が忘れがたい。
「もやしがついてて、食感がすごくいいんです！」
「お肉いっぱいなのが食べたい！」ロシィが答える。
「俺は断然パリパリ派だね。やぱぴ餃子は皮がパリッ！　旨みがじゅわーっていうのが最高だぜ」
　流の言葉に触発されたか、何人かが焼き餃子を注文、華菜子が「はいアルー！」と運ぶ。
「美味いのがいい」食いしん坊の刀が答える。

　ヘルシー志向の広がりから、茹でた餃子の方が評判良いが、焼き餃子も根強い支持がある。

　刀から受け取った水餃子を食べて、流が頷く。
「あ、でも水餃子も結構いけるな。焼き餃子とちがって、あっさり食えるし」
「つるんとしてるし、いくらでもいける」刀が答える。

　いつの間にか参戦した瓢も、箸を進めていく。
　だが、刀は気づく。
　遅い。
　悠然と、紳士的に、などというのは彼には似合わない。
　もっと空腹のはず。
　――何を、狙いにしている？
　
「それからね、料理はみんなで作ると楽しいアルヨ。
　作りに来てくれた人も、食べに来てくれたお客さんも、一緒に作ってみるアルか？」
　華菜子の申し出に、ちょっとびっくりする一同。
　中華料理って、もっと敷居の高いものではないか？
「とーっても楽しいアルヨ！」
　あっけらかんと答える華菜子。
「自分で作った餃子を食べるのも、いい思い出になると思うアル」

　中華の世界は奥深い。
　専門の料理人がいる場合もあれば、気軽な家庭料理もある。
　そういうものは、皆で作り、飲茶するという楽しみもある。
　中国四千年の食の歴史、広範で懐が深い。