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●片恋のアリア
譲君もバザー行くの、だったら一緒に行かない? なんて、――彼女は罪な先輩だ。
弓弦原 譲
は隣を歩く
十文字 若菜
の軽やかな表情を横目で捉える。
彼女に他意はないのだろうということは分かっている。それでも些かの緊張を覚えずにはいられない。
(漸く自覚した。俺は彼女に……先輩に恋愛感情を抱いている)
俗に言う片想いだった。しかも三角関係だ。先輩と、自分と、友人と。
(だが俺の恋はきっと実らない。始まる前に終わってる。俺から見てもアイツと先輩はお似合いだし……太陽のように明るく前向き、ひたむきに夢を追いかける二人と比べ、将来の夢すら見つけられない俺はなんてちっぽけな存在なんだ)
クールで現実主義の性格が、裏目に出ている気はする。
自分が入る隙はない、黙って身を引くのが正しい、と自らの胸に言い聞かせ、譲は密かに瞳を曇らせる。
「ねぇ、譲君は何にする?」
眼鏡の奥でそんなことを考えているなんて思いもよらない若菜は、ひらり、スカートを翻しながら振り返る。
その時ふたりの耳に、緩やかな川の流れを思わせるような美しい旋律が聞こえてきた。
繊細な技巧に定評のある
神嶋 征一郎
によるヴァイオリンと、彼の美しい旋律を支える
御薗井 E セレッソ
のチェロによる
Saiten Duo
。奏でている曲はパッヘルベルのカノンだ。
征一郎の演奏は狂想的と評されることが多いが、今はそのような色はあまり感じられなかった。
技巧で勝る征一郎が、彼女の人柄のように表情豊かなセレッソの音に合わせようとしているのが分かる。
高音は特に綺麗に、伸びやかに。
絡み合うヴァイオリンとチェロの音は、美しく放たれた矢の軌道のように空を彩る。
演奏の合間、征一郎は譲の姿に気づき小さく会釈をした。
セレッソと呼吸を合わせて奏でる次の曲は、ヴィヴァルディの四季から「春」。
これは征一郎の選曲だったが、あるいはセレッソのことを想って選んだ曲かもしれなかった。弾むようなメロディー、我先にと咲き乱れる花々の風に散る様。ふたりの演奏を聞いていると、そんな『春』が瞼の裏に浮かんでくるようだ。
ヴァイオリンが高音のトリルを奏でる。
音に秘められた征一郎の熱い想いと芯の強さが、観客を虜にしてゆく。
その最中、征一郎は見た。セレッソの奏でる音が、彼女の揺れる髪のように、明るく朱走って輝くのを。
春。
その素晴らしい演奏が、譲の心を逆撫でる。
春は、友人と先輩の幸せを暗示しているかのように思われて。
二人の幸せを願う反面、嫉妬と鬱屈で胸の裡がモヤモヤする自分がいる。
音が止み、一呼吸して大きな拍手が沸き起こり、譲は自分が深い思索に嵌っていたことに気づいた。
セレッソの明るい声があたりに響く。
「一曲いかがデスカ? 他にも聴いてみたい曲があったり、楽しい曲が聴きたい、お花みたいな曲はあるカシラ? とかあったら遠慮なく言ってネ!」
それを聞き、若菜は瞳を輝かせた。
「曲なんて商品もあるんだ! 素敵だね」
「何か頼みましょう。そうだな……G線上のアリアを」
Saiten Duoのふたりはこのリクエストに難なく応えた。
譲は若菜と並んで、神を思わせる崇高な調べに耳を傾ける。
「この曲は、貴女に」
譲は囁く。その真意に気づいているのかいないのか、若菜は微笑みを返す。
「うん、本当に有難う。すごく素敵」
演奏が終わった。譲と若菜が礼を言って去って行った。その背中を見送ると、征一郎はセレッソに言った。
「御薗井」
「はいナノ?」
「今日誘ってくれたこと……感謝しておく。客の反応を面と向かって直接すぐに感じれる良い機会だった」
するとセレッソは太陽みたいに笑った。
「よかったノ!」
「音を楽しむ……こうして演奏するのは嫌いじゃねぇ」
ぶっきらぼうにそう言ってから、征一郎はふと思い出して付け加えた。
「御薗井の演奏は……朱色に見えたぜ」
◇
(譲君に素敵な曲を聴かせてもらったし、私も何かあげたいな。元気も貰ったし)
若菜は単純にそう考えていた。
目を留めたのは、シーウェーブのシーグラスネックレス。
「綺麗なネックレスだね」と勘助に声を掛け、譲がよそ見をしている隙に、淡い青のネックレスを購入する。
この色が一番彼に似合う気がしたのだ。
譲はまだ上の空だった。
友人も俺にとっては大事な存在、大事な友人、俺のエゴで優しい二人を傷付けたくない。
そんなことを延々と繰り返し考え続けていた。
「譲君!」
若菜が明るく肩を叩く。
「手をだして?」
「はい?」
疑問に思いながらも言われた通りに掌を差し出す。その上に、青のシーグラスのネックレスが乗せられる。
「はい。おねーさんからプレゼント!」
「え……」
「今日素敵な曲、聴かせてくれたしお礼だよ。気に入ってくれるといいな」
息を呑む。シーグラスを太陽の光に翳す。
「綺麗だ……」
いつか三人で見た、星ヶ丘教会のステンドグラスの輝きを思わせるその光が、いまの譲には眩しすぎた。
「ありがとう、ございます」
たどたどしく、上擦った声。譲の迷いを知らぬ若菜の、その飾り気のない笑みを直視できない。
ああ。
掻き乱され、譲はきつく目を瞑る。
どうしようもなく……貴女が好きだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
バトル
定員
1000人
参加キャラクター数
137人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月19日
参加申し込みの期限
2015年04月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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