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●志波陣営:
シーウェーブ
その5
視界の端を、妙な格好をした武道が横切った気がした。何気なく立ち止まり、
楪 櫻
はそれに気づく。
「ほう、
手作りシーグラスネックレス
か」
それはもしかしたら海の向こうで作られたジュースの瓶だったかもしれない。お隣の国の奥さんがうっかり落とした薬瓶だったかもしれない。或いは勢いのよい台風に飛ばされた教会の窓の硝子だったかもしれない。割れて砕けた色とりどりの硝子は波にもまれ砂に洗われるうちに角が取れ、丸みを帯びた海のかたちに変化する。シーグラス。
飛吹 勘助
が、寝子ヶ浜海岸の砂浜で拾い集めた、たくさんの海の子どもたち。
「……志波に似合うかもしれんな」
……この間のお返しになるだろうか? そんなことを思いながら櫻は青のグラスを包んでもらう。
「自然と人工物が新しい芸術品になるのってとても興味深くて私すきですわ」
毒島 虹子
は言った。ぱちくり瞬くお人形みたいな愛らしい瞳はスミレ色。金の髪にウサギの耳のように飾られた真っ赤なリボンが揺れる。
虹子の含みのある笑みに当てられて、勘助は、お店の名前が書かれた小さな看板を持ったぬいぐるみのもふもふをぎゅっと抱きしめる。
「ふふ。緊張してますの?」
「接客は、初めて、だから、その……」
ごくりと唾を呑み込む。大丈夫なはずだ。
(俺には、もふもふや、皆が、いる)
勘助は呼吸を整えると、いびつなハート型の欠片を一つ摘まみあげる。
「海は、生命の源。きっと、生物や人々を見守るお母さんみたいな、存在。シーグラスも元はガラスだったとしても、海が時間をかけて生み出した結晶、海の子どものようなもの」
「詩的ですわね」
虹子はぱちぱちと手を叩いた。
「そうですわ。折角ですので、どの色が私に似合ってるか見ていただけないかしら」
勘助は請われるままに虹子に似合う色を探す。
「瞳、綺麗な紫だから、近い色もいい、けど……」
ひとつ、またひとつと虹子の胸元に翳して合わせる。最終的に手に取ったのは、軽やかなアクアブルー。
「これが、いいかも」
勘助はアンティーク調革紐の長さを調節し、虹子の後ろに回ってそっとネックレスを掛けてやる。
鏡の中でニ、三回角度を変えてみたのち、虹子はそれを購入した。
「ちょっと意外でしたわ。私にこんな爽やかな色を選んでくださるなんて」
くすくす、と笑うと、勘助は恥ずかしそうに答える。
「似合う、気が、したから」
「ふふ。純粋な人」
虹子はふと、隣でじっと動かずにいる
葉利沢 倫理子
を見た。
「まああなた……」
倫理子は具合が悪そうだった。顔立ちは綺麗だが、今は色を失い蒼白に近い。
虹子は倫理子に絶望の匂いを嗅ぎ取った。今にも蹲ってしまいそうな倫理子をしゃがませ背中を擦ってやる。虹子にとって倫理子は美しく珍しい蝶のよう。素敵な絶望を飼っている匂いがする。だからどうしようとは思わないけれど、少し親切にしてあげたくはなる。
「お加減が悪いのかしら?」
「いえ、ちょっと……」
倫理子は言葉を濁す。ぼんやりしていたのが良くなかったのかもしれない。良くない過去が吹き出しそうだ。
「休んで、ください」
勘助が心からの善意で椅子を勧める。倫理子はびくり、と肩を震わせたが、白い縫いぐるみのもふもふを見て気を落ち着かせ、勧められるまま椅子に掛けた。タルトから麦茶をいただき一息つく。悪い夢が、少し遠のく。
見れば、透き通ったきらきらのシーグラスが並んでいた。
「……綺麗」
ひとつひとつ手に取ってみる。なんて綺麗なんだろう。なんて優しいんだろう。
倫理子は思わずにはいられない。
(……私もこの硝子のように……もう一度綺麗に、なれるかな……)
壊れたままの硝子な自分もいつか、波に洗われ砂に洗われ、こんなふうに綺麗で優しいものになれるような、そんな気がして……ううん、そんなことは何も考えなかった。ただ、光と光の戯れに癒される。
緑と青、オレンジのグラスを手に取り、それ以上絞り切れずに3つとも購入する。そのうち、青色のシーグラスネックレスを倫理子はその場で身につけた。今着ている秋色の服に似合う気がした。
「こんにちはー!」
虹子と倫理子が去ると入れ替わりで、太陽を背負ったような
郡 トモエ
が、元気いっぱいやってきた。
「やっぱりこれよ、これにする! テディベアや根付きなんかも気になったんだけど、きらきらとしたオレンジ色のペンダントトップが気に入ったの!」
あちこち見て回った末に、やっぱりシーグラスネックレスがいい、と心を決めての来店だ。
「つけて、みますか?」
「いいのー?」
「ええ、シーグラスは魅力的だけど、人に、つけてもらうと、もっと、魅力的に、感じると、思う」
勘助に首に掛けて貰って、トモエはどう? と感想を聞いてみる。
「似合い、ます」
「わあ、嬉しい。じゃあこれください!」
お代を払いながら、トモエは勘助と雑談する。
「エアコン、これでついたらええねぇ。みんなで100万って大変だけど、ちょっとでも協力できるならうちもするよ! お兄ちゃんやお母さんにも良かったら来てねってメールしたし……」
と、そのとき、トモエの携帯がぷるぷると鳴る。
「あ。お兄ちゃんだ! これから来るって。ついでにみんなでご飯食べよーっと」
トモエの家は母子家庭。苦労もあるけれど明るい学園生活を過ごそうと心に決めている。母と兄を案内してこのバザーを見て回ったら、きっと楽しい思い出になるだろう。
胸で光るオレンジ色のシーグラス。母や兄はこのお洒落に気づいてくれるかな。
赤いヘアバンドで止めた髪がうきうきと跳ねる。待ち合わせは校門前。
勘助は軽い足取りで去ってゆくトモエに小さく手を振った。
勘助は祈る。手にしてくれた人ひとりひとりを思い浮かべて。
「……このシーグラスが、これから身に付ける人にとっての安らぎの存在で、ありますように」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
バトル
定員
1000人
参加キャラクター数
137人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年04月19日
参加申し込みの期限
2015年04月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年04月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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